
内臓脂肪を減らす方法|原因・危険性とGLP-1注射マンジャロ効果
内臓脂肪の効果的な減らし方を専門医が解説。原因・危険性から最新のGLP-1注射マンジャロまで、科学的根拠に基づいた方法をご紹介。食事・運動・医学的アプローチで健康的にダイエット成功へ。
ドクターナウ編集部
2025.09.01
お腹周りが気になり始めた方、健康診断で内臓脂肪の指摘を受けた方へ。内臓脂肪は「つきやすく、減らしやすい」という特徴があり、適切な方法を知ることで効果的に改善できます。本記事では内臓脂肪の基礎知識から最新の医学的アプローチまで、専門的かつ実践的な情報をお届けします。
内臓脂肪とは何ですか?

内臓脂肪の定義と特徴
内臓脂肪とは、腹腔内の胃や腸などの内臓周辺に蓄積される脂肪のことです。皮膚の下につく皮下脂肪とは異なり、腹筋の内側、主に腸間膜に溜まります。
内臓脂肪は以下のような特徴があります:
- 蓄積しやすい: エネルギー過剰時に最初に溜まる脂肪
- 減らしやすい: エネルギー不足時に優先的に使用される
- 男性に多い: 女性は閉経後に増加する傾向
- 見た目でわかりにくい: 「隠れ肥満」の原因となることも
内臓脂肪は体のエネルギー調節システムにおいて重要な役割を果たしています。食事で摂取したエネルギーが消費量を上回った際に、まず内臓脂肪として蓄積されるため「つきやすい」特徴があります。
一方で、エネルギーが不足した状況では皮下脂肪よりも優先的に燃焼されるため「減らしやすい」という利点もあります。この特性を理解することで、効果的なダイエット戦略を立てることができるでしょう。
内臓脂肪と皮下脂肪の違い
項目 | 内臓脂肪 | 皮下脂肪 |
---|---|---|
蓄積場所 | 内臓周辺 | 皮膚の下 |
体型 | りんご型(お腹ポッコリ) | 洋梨型(下半身太り) |
性別特徴 | 男性・閉経後女性 | 女性・子ども |
つきやすさ | つきやすい | つきにくい |
減らしやすさ | 減らしやすい | 減らしにくい |
健康リスク | 高い | 比較的低い |
内臓脂肪は皮下脂肪と比較して、生活習慣病のリスクが高いとされています。しかし、その分エネルギーとして消費されやすく、適切なアプローチで効果的に減らすことが可能です。
内臓脂肪の危険性はどれくらい深刻ですか?
メタボリックシンドロームとの関係
内臓脂肪が過剰に蓄積すると、メタボリックシンドロームを引き起こします。日本の診断基準は以下の通りです:
- 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上(内臓脂肪面積100cm²相当)
- 高血糖:空腹時血糖110mg/dL以上
- 高血圧:収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
- 脂質異常:中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満
内臓脂肪が引き起こす健康リスク
内臓脂肪の蓄積により以下のような深刻な健康問題が生じる可能性があります:
- 動脈硬化の促進
- 心筋梗塞・脳卒中のリスク上昇
- 血栓形成の促進
- インスリン抵抗性の増加
- 2型糖尿病の発症リスク上昇
- 血中脂質の悪化
- 大腸がん、肝がん、膵がんなどの悪性腫瘍
- 脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
- 睡眠時無呼吸症候群
内臓脂肪が100cm²を超えると、これらのリスクが相乗的に高まることが研究で明らかになっています。早期の対策が重要な理由はここにあります。
内臓脂肪が蓄積する原因は何ですか?

主な原因と背景
内臓脂肪が蓄積する原因は多岐にわたりますが、以下の要因が主要なものです:
- カロリー過剰摂取(消費カロリー < 摂取カロリー)
- 糖質・脂質の過剰摂取
- 食事の偏りと栄養バランスの乱れ
- 飲酒習慣(特に高カロリーなアルコール)
- 基礎代謝量の低下
- 筋肉量の減少
- 日常的な活動量の不足
- 加齢による基礎代謝の低下
- ストレスによる食べ過ぎ
- 睡眠不足
- 不規則な生活リズム
- 遺伝的素因
- 男性ホルモン(アンドロゲン)の影響
- 女性の場合:閉経によるエストロゲン減少
年代別の特徴
年代 | 主な原因 | 特徴 |
---|---|---|
30代 | 基礎代謝低下開始、仕事のストレス | 「中年太り」の始まり |
40代 | 筋肉量減少、生活習慣の固定化 | 内臓脂肪蓄積が加速 |
50代以降 | ホルモンバランス変化、運動量低下 | 女性も内臓脂肪型に |
30代頃から基礎代謝量が徐々に低下し始めるため、若い頃と同じ食生活を続けていると余剰エネルギーが内臓脂肪として蓄積されやすくなります。
内臓脂肪を減らす効果的な方法はありますか?

食事による内臓脂肪対策
内臓脂肪を減らすためには、摂取カロリーをコントロールしながら栄養バランスを整えることが重要です:
- カロリー制限: 1日の摂取カロリーを消費カロリーより200-300kcal少なくする
- 糖質の適正化: 精製糖質を控え、複合炭水化物を選択
- 良質なタンパク質: 体重1kgあたり1.2-1.6gを目安に摂取
- 食物繊維: 1日25-30gを目標に野菜・海藻類を増やす
積極的に摂取 | 控えるべき食品 |
---|---|
青魚(EPA・DHA豊富) | 揚げ物・スナック菓子 |
鶏胸肉・大豆製品 | 精製された糖質 |
緑黄色野菜・海藻 | 加工肉・加工食品 |
オリーブオイル・ナッツ | 清涼飲料水・アルコール |
発酵食品(ヨーグルト等) | ケーキ・スイーツ類 |
食事改善では、極端な制限よりも持続可能なバランスの取れた食生活を心がけることが成功の鍵となります。急激な変化は継続が困難で、リバウンドのリスクも高まります。
運動による内臓脂肪燃焼法
内臓脂肪は皮下脂肪よりも運動による脂肪燃焼効果が高いことが特徴です:
- ウォーキング: 週3-4回、30-45分間
- ジョギング: 週2-3回、20-30分間
- 水泳: 週2回、30分間
- サイクリング: 週2-3回、45分間
筋肉量の維持・増加により基礎代謝を向上させます:
- 体幹トレーニング: プランク、クランチ
- 大筋群トレーニング: スクワット、デッドリフト
- インターバルトレーニング: 高強度と低強度の組み合わせ
効果的な運動プログラムは、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、内臓脂肪の燃焼効率を最大化できます。週150分以上の中強度運動が推奨されています。
生活習慣の改善ポイント
- 7-8時間の十分な睡眠時間確保
- 規則正しい就寝・起床時間
- 睡眠の質向上(寝室環境の整備)
- 適度な休息とリラクゼーション
- 趣味や運動でのストレス発散
- 瞑想や深呼吸などのマインドフルネス
- 禁煙(血行改善)
- 適度な日光浴(ビタミンD合成)
- 規則正しい食事時間
これらの生活習慣改善は、内臓脂肪減少の基盤となる重要な要素です。食事や運動と組み合わせることで、より効果的な結果が期待できます。
最新の医学的アプローチ:GLP-1受容体作動薬とは何ですか?

内臓脂肪は単に体重増加の問題ではなく、心血管疾患や糖尿のような代謝疾患の危険要因として挙げられます。 食習慣の改善と運動が基本ですが、生活習慣の管理だけでは効果が遅いことも多いです。 最近はGLP-1系の注射剤である「マンジャロ」が注目されていますが、食欲を抑えて血糖値を安定化させ、内臓脂肪の減少に役立つと言われています。 ただし「誰でも打っても良い注射」ではないので、必ず専門医の相談と診断を経てこそ安全に活用できます。
GLP-1の基本的な働き
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事摂取時に小腸から分泌される腸管ホルモンです。以下のような生理的作用があります:
- インスリン分泌の促進(血糖値依存性)
- グルカゴン分泌の抑制
- 肝臓での糖新生抑制
- 満腹中枢への働きかけ
- 胃排出速度の遅延
- 食欲の自然な抑制
- 脂肪分解の促進
- 基礎代謝の向上
- インスリン感受性の改善
GLP-1受容体作動薬の種類と特徴
薬剤名 | 投与頻度 | 主な特徴 |
---|---|---|
リベルサス | 1日1回(経口) | 飲み薬タイプ |
オゼンピック | 週1回(注射) | 確立された安全性 |
マンジャロ | 週1回(注射) | デュアル作用(GIP+GLP-1) |
GLP-1受容体作動薬は、元々2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、体重減少効果が注目され、肥満治療への応用が進んでいます。
出典:
厚生労働省 薬事承認情報GLP-1注射マンジャロの効果はどのくらい期待できますか?
マンジャロの革新的メカニズム
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、世界初のGIP/GLP-1受容体デュアル作動薬です。従来のGLP-1単独作用薬とは異なり、2つのホルモンに同時に作用します:
- インスリン分泌促進の相乗効果
- 脂肪分解の促進
- 基礎代謝の向上
- より強力な食欲抑制効果
- 優れた体重減少効果
- 血糖コントロールの改善
臨床試験による効果データ
52週間の投与における体重変化:
- マンジャロ5mg:平均-2.4kg
- マンジャロ10mg:平均-2.6kg
- マンジャロ15mg:平均-2.8kg
- 従来薬との比較で約2倍の体重減少効果
MRI解析による内臓脂肪面積の変化:
- 内臓脂肪の有意な減少
- 肝脂肪含有量の改善
- 腹部皮下脂肪の減少
HbA1c7.0%以下達成率:
- マンジャロ5mg:94%
- マンジャロ10mg:97%
- マンジャロ15mg:99%
他のGLP-1薬との比較
比較項目 | オゼンピック2.4mg | マンジャロ15mg |
---|---|---|
体重減少率 | 約13.7% | 約20.2% |
投与頻度 | 週1回 | 週1回 |
作用機序 | GLP-1単独 | GIP+GLP-1デュアル |
25%以上減量達成率 | 16.1% | 31.6% |
マンジャロは既存のGLP-1薬と比較して、約1.5倍の体重減少効果を示しており、内臓脂肪減少に特に優れた効果を発揮します。
マンジャロの効果と注意事項について教えてください

期待できる効果と現れる時期
- 食欲の自然な抑制
- 満腹感の持続
- 間食頻度の減少
- 体重の減少開始
- 血糖値の改善
- 内臓脂肪の減少
- 持続的な体重管理
- メタボリック指標の改善
- 生活習慣病リスクの低減
適応となる方と禁忌事項
- BMI25以上の肥満の方
- 内臓脂肪蓄積が認められる方
- 生活習慣の改善だけでは効果不十分な方
- 2型糖尿病を併発している方
- 妊娠中・授乳中・妊娠予定の方
- 重度の胃腸障害がある方
- 膵炎の既往歴がある方
- 甲状腺疾患の既往がある方
- 18歳未満の方
副作用と対処法
副作用 | 頻度 | 対処法 |
---|---|---|
悪心・吐き気 | 12-20% | 少量ずつ食事摂取 |
便秘 | 14-18% | 水分・食物繊維を増やす |
食欲減退 | 13-22% | 適切な栄養バランス維持 |
下痢 | 9-17% | 脂質摂取を控える |
嘔吐 | 5-12% | 医師に相談、用量調整 |
- 急性膵炎
- 胆嚢炎・胆石症
- 低血糖症状
使用方法と注意点
- 週1回の皮下注射(腹部、太もも)
- 2.5mgから開始し、段階的に増量
- 最大15mgまで調整可能
- 食事療法・運動療法との併用が基本
- 定期的な医師のフォローアップが必要
- 副作用出現時は速やかに医師へ相談
マンジャロは効果的な内臓脂肪減少薬ですが、医療用医薬品として適切な医師の管理下での使用が不可欠です。
出典:
マンジャロ適正使用ガイドよくある質問(FAQ)
Q1. 内臓脂肪はどのくらいの期間で減らせますか?
個人差はありますが、適切な食事と運動を継続することで、2-3ヶ月で内臓脂肪面積の10-20%減少が期待できます。内臓脂肪は皮下脂肪よりも減りやすい特徴があるため、効果を実感しやすいでしょう。
Q2. 内臓脂肪レベルの正常値はどのくらいですか?
CT検査による内臓脂肪面積が100cm²未満が正常とされています。簡易的な目安として、腹囲が男性85cm未満、女性90cm未満であることが推奨されています。
Q3. 内臓脂肪と皮下脂肪、どちらが落としやすいですか?
内臓脂肪の方が皮下脂肪よりも落としやすいとされています。内臓脂肪はエネルギーとして優先的に使用されるため、食事制限や運動による効果が現れやすいのが特徴です。
Q4. マンジャロは誰でも使用できますか?
マンジャロは医療用医薬品のため、医師の診断と処方が必要です。妊娠中の方、膵炎の既往がある方などは使用できません。必ず医師に相談してから使用を検討してください。
Q5. GLP-1注射の効果はいつから現れますか?
食欲抑制効果は投与開始数日~1週間程度で現れることが多く、体重減少効果は2-4週間程度で実感される方が多いです。個人差があるため、継続的な使用が重要です。
Q6. 内臓脂肪を減らした後、リバウンドを防ぐにはどうすれば良いですか?
生活習慣の改善を継続することが最も重要です。定期的な運動、バランスの良い食事、適切な睡眠時間の確保を習慣化し、体重や腹囲の定期的なモニタリングを行うことでリバウンドを予防できます。
参考文献
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。 * コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。
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