スポーツ選手の目薬使用制限について
2025.09.01
目薬でもドーピング違反となる場合
スポーツ選手の目薬使用には制限があり、特に
ベータ遮断薬を含む目薬は競技によって禁止されています。 緑内障治療用の目薬に含まれることが多く、点眼薬であっても除外されない場合があるため注意が必要です。 違反した場合は競技成績の取り消しや資格停止などの制裁を受ける可能性があります。
ベータ遮断薬が禁止される競技
通年禁止競技
では、ベータ遮断薬の心拍数抑制効果が競技力向上につながるため通年禁止されています。
:
- アーチェリー: 心拍安定化による精度向上防止
- 射撃: 手の震え抑制効果の排除
これらの競技では、ベータ遮断薬を含む目薬の使用が一切認められていません。 競技者は代替薬の処方について眼科医と相談する必要があります。
競技会時のみ禁止競技
が競技結果に影響する競技では、競技会期間中のみ禁止となります。
:
- 自動車: 反射神経への影響
- ビリヤード: 精密動作の安定化
- ダーツ: 投擲精度の向上
- ゴルフ: スイング時の安定性
- スキー/スノーボード: 高速滑走時の集中力
- 水中スポーツ: 水中での心拍制御
競技会外の練習時には使用可能ですが、体内からの完全な排出を考慮した使用停止が必要です。
糖質コルチコイドを含む目薬の制限
使用可能な条件
糖質コルチコイド（ステロイド）を含む目薬は、以下の条件下では使用が認められています。
- 製造業者承認用量内での使用
- 治療適応内での使用
- 眼科医の処方に基づく使用
注意すべき使用方法
:
- 点眼（目薬）: 製造業者承認用量内での使用
- 局所投与: 医師処方下での使用
:
- 経口投与: 緊急時を除き禁止
- 静脈投与: 医療的除外申請が必要
ステロイド目薬は適切な医学的監督下で使用する限り、多くの競技で制限されません。
うっかりドーピングの防止方法
使用前の確認事項
が最も重要な予防策となります。
- 成分確認: 目薬の全成分を薬剤師と確認
- 競技別制限: 参加競技での制限物質を把握
- 代替薬検討: 禁止物質を含まない代替薬の相談
- 使用期間: 競技前の使用停止期間を確認
スポーツファーマシストなど専門知識を持つ薬剤師への相談が推奨されています。
商品名では判断できない理由
市販の目薬では
商品名だけでは成分が判断できないため注意が必要です。
:
- 有効成分名（一般名）
- 含有量
- 添加物
- 製薬会社の情報
「ベータ遮断薬」などの分類名は商品パッケージに記載されていない場合があります。
違反時の制裁措置
制裁の種類
ドーピング規則違反が認定された場合の制裁は以下の通りです。
:
- 競技資格停止: 初回違反で4年間の出場禁止
- 競技成績取消: 該当大会の全成績が即時無効
- 記録抹消: 個人・団体記録の遡及的削除
故意性は関係なし
となる厳格なルールが適用されます。
- 選手の意図や知識の有無は考慮されない
- 医師の処方であっても責任は選手にある
- 検体から禁止物質が検出されれば違反成立
このため事前の十分な確認が不可欠です。
安全な目薬選択のガイドライン
推奨される手順
安全な目薬使用のための
5つのステップを実践しましょう。
| ステップ | 実施内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| 1. 眼科受診 | 症状に応じた適切な診断 | 必須 |
| 2. 競技情報提供 | 担当医に競技と日程を伝達 | 必須 |
| 3. 成分確認 | 処方薬の全成分をリスト化 | 必須 |
| 4. 専門相談 | スポーツファーマシストと相談 | 推奨 |
| 5. 定期見直し | 競技スケジュール応じた計画 | 推奨 |
この手順を守ることで、うっかりドーピングのリスクを大幅に減らすことができます。
代替治療オプション
禁止物質を含む目薬が必要な場合の代替案も検討できます。
:
- 医学的に必要不可欠な場合に申請可能
- 事前申請と承認が必要
- 詳細な医学的根拠の提出が求められる
まとめ
スポーツ選手の目薬使用では、特に
ベータ遮断薬や
糖質コルチコイドに注意が必要です。 競技によって制限が異なるため、必ず
スポーツファーマシストへの相談を行ってください。 うっかりドーピングを防ぐため、目薬使用前の成分確認と専門家への相談を習慣化しましょう。
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