プロバイオティクスは便秘や下痢に効果ありますか?
2025.10.30
便秘や下痢でお悩みの方の中には、プロバイオティクス製品が数多く販売されているのを見て、本当に効果があるのか疑問に思われている方も多いでしょう。整腸作用を謳う商品が増える中、科学的根拠に基づいた情報を知ることが大切です。この記事では、プロバイオティクスが便秘や下痢に与える影響について、医学的な観点から詳しく解説していきます。
プロバイオティクスの効果について
プロバイオティクスは、適切な量を摂取することで腸内環境の改善に役立つと報告されています。研究では、特定の菌株が過敏性腸症候群や慢性便秘の症状軽減に効果がある可能性が示されています。ただし、効果には個人差があり、すべての人に同じ効果が期待できるわけではありません。
プロバイオティクスとは何か
定義と基本的な働き
プロバイオティクスは、適切な量を摂取した際に宿主の健康に有益な効果をもたらす生きた微生物を指します。これらの善玉菌は、腸内で消化を助けるだけでなく、免疫システムを高めて、感染症や制御不能な炎症と戦うのに役立つとされています。
生きたまま腸内に到達可能な乳酸菌として、腸内細菌叢のバランスを整える働きがあります。善玉菌を直接摂取することで、望ましい腸内環境を作り出すことができるのです。
主な種類と特徴
プロバイオティクスには複数の種類があり、それぞれ異なる腸の部位で働きます。
| 菌の種類 | 主な活動部位 | 産生物質 |
|---|---|---|
| 糖化菌 | 小腸上部 | アミラーゼ |
| 乳酸菌(ラクトバチルス属) | 小腸~大腸 | 乳酸 |
| ビフィズス菌 | 大腸 | 乳酸・酢酸 |
| 酪酸菌 | 大腸 | 酪酸・酢酸 |
これらの善玉菌はそれぞれ異なる有機酸を産生し、腸内を酸性化させることで有害菌の増殖を抑制します。大腸は短鎖脂肪酸を主としたエネルギー源として活動しており、これらの産生物が腸機能維持に重要な役割を果たしています。
便秘への効果
臨床研究からの知見
プロバイオティクスが便秘症状の軽減に効果があるとする複数の研究報告があります。特定の菌株、特にビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・ロイテリ菌などが過敏性腸症候群や慢性便秘の症状減少に効果がある可能性が示されています。
これらの菌は腸内で有機酸を産生し、善玉菌の増殖を促進することで腸内環境を改善します。有機酸の増加により、悪玉菌が減少してアンモニアが低下することで、全体的な腸の健康状態が向上すると考えられています。
作用メカニズム
プロバイオティクスが便秘改善に働く主なメカニズムは以下の通りです。
- 腸内細菌叢のバランス改善により、腸の蠕動運動が正常化される
- 有機酸の産生により腸内が酸性化し、有害菌の増殖が抑制される
- 腸管免疫の調整により、腸の炎症が軽減される可能性がある
- 腸内環境の安定化により、排便リズムが整いやすくなる
ただし、これらの効果は使用する菌株や摂取量、個人の腸内環境の状態によって異なる場合があることに注意が必要です。
下痢への効果
下痢症状への影響
プロバイオティクスは特定のタイプの下痢に対して効果が報告されています。臨床研究では、下痢優位型の過敏性腸症候群患者において症状緩和が認められたという報告があります。
特に複数の菌株を組み合わせたプロバイオティクス混合物の使用により、腸内微生物群集の構成が治療期間中により安定することが示されています。これは、単一の菌株よりも複数の菌株を組み合わせることで、より効果的に腸内環境を整えられる可能性を示唆しています。
効果が期待できる下痢のタイプ
研究によると、以下のような下痢に対して効果が期待できると報告されています。
- 過敏性腸症候群に伴う下痢症状
- 抗生物質使用後の下痢
- 感染性腸炎による下痢の早期回復
ただし、急性の激しい下痢や血便を伴う場合は、プロバイオティクスだけに頼らず、医療機関を受診することが重要です。
臨床研究データ
メタアナリシスの結果
2015年に発表されたメタアナリシスでは、24の臨床試験(15試験が解析対象、9つの系統的レビュー)が検討され、1,793名の過敏性腸症候群患者が含まれました。
この研究では、プロバイオティクスがプラセボと比較して痛みと症状重症度スコアを軽減することが示されています。具体的には、腹痛改善の相対リスクが1.96(95%信頼区間:1.14-3.36)、全般的症状スコア反応が2.43(95%信頼区間:1.13-5.21)という結果が得られています。
効果的とされる菌株
複数の研究で効果が報告されている主な菌株は以下の通りです。
- ラクトバチルス・プランタルム299v
- ビフィドバクテリウム・ビフィダムMIMBb75
- ラクトバチルス・アシドフィルスの組み合わせ
- ビフィドバクテリウム・ラクティス株
- エシェリキア・コリNissle 1917
これらの菌株を含む製品を選ぶことで、より効果的な結果が得られる可能性があります。
使用上の注意点
適切な摂取方法
プロバイオティクスを効果的に活用するためには、以下の点に注意が必要です。
- CFU(コロニー形成単位)は10の7乗から10の11乗の範囲が一般的です
- 効果を実感するまでには4週間から12週間程度の継続が必要な場合があります
- 8週から10週程度で痛みの重症度が著しく減少する傾向がありますが、より長期の使用では効果が減少する可能性があります
- 食品から摂取する場合は、ヨーグルト、キムチ、味噌、チーズなどの発酵食品が選択肢となります
期待できることと限界
プロバイオティクスは腸内環境の改善をサポートする手段の一つですが、すべての便秘や下痢に対して効果があるわけではありません。
以下のような場合は特に注意が必要です。
- 症状が重度の場合や長期間続く場合
- 血便や激しい腹痛を伴う場合
- 発熱や嘔吐などの他の症状がある場合
- 基礎疾患がある場合
これらの状況では、自己判断でプロバイオティクスだけに頼るのではなく、医療機関での適切な診断と治療を受けることが大切です。
安全性について
一般的な安全性
プロバイオティクスは、健康な人が適切に使用する場合、一般的に安全性が高いと考えられています。発酵食品として長い歴史があり、多くの人が日常的に摂取しています。
注意が必要な場合
ただし、以下のような方は使用前に医療従事者に相談することをお勧めします。
- 免疫機能が低下している方
- 重篤な基礎疾患をお持ちの方
- 乳幼児や高齢者
- 手術を控えている方
これらの場合、プロバイオティクスの使用が適切かどうかを専門家に確認することが重要です。
まとめ
プロバイオティクスは、特定の菌株において便秘や下痢の症状軽減に効果がある可能性が研究で示されています。腸内環境を整えることで、過敏性腸症候群や慢性便秘の症状改善に役立つと報告されています。ただし、効果には個人差があり、すべての人に同じ結果が期待できるわけではありません。
症状が重度の場合や長期間続く場合は、プロバイオティクスだけに頼らず、医療機関で適切な診断と治療を受けることが大切です。日常的な腸内環境のケアとして取り入れる際も、医療従事者と相談しながら進めることをお勧めします。
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