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下痢が治らない原因として考えられることは?

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2025.10.30

下痢が続いていて不安を感じていらっしゃるでしょう。数日で治まるはずの下痢が長引くと、日常生活に大きな影響を及ぼします。下痢が治らない背景には様々な原因が隠れている可能性があり、それぞれに適した対処法があります。この記事では、慢性下痢の主な原因と医療機関を受診すべきタイミングについて詳しく解説します。

下痢が治らない主な原因

下痢が4週間以上続く場合、慢性下痢と呼ばれています。慢性下痢の原因は、水様性、脂肪性、炎症性の3つのタイプに分類され、それぞれ異なる疾患が考えられます。一般的には、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、薬剤性下痢、食物不耐性などが主な原因となることが多いとされています。個人差があるため、症状が長引く場合は医療機関で適切な検査を受けることが重要です。

慢性下痢の主なタイプと原因

水様性下痢の原因

水様性下痢は最も一般的なタイプで、便が水っぽく頻繁に排便する状態です。このタイプの下痢には以下のような原因が考えられます。

過敏性腸症候群(IBS)は、慢性下痢の最も一般的な原因の一つです。腸の運動機能の異常により、下痢や便秘、腹痛が繰り返し起こります。特にストレスや不安が症状を悪化させる傾向があり、患者の3分の2では精神的な要因が症状に先行すると報告されています。

機能性下痢

は、特定の器質的疾患が見つからないにもかかわらず、慢性的な下痢症状が続く状態です。過敏性腸症候群と似ていますが、腹痛を伴わない点が異なります。

胆汁酸吸収不全

では、小腸で胆汁酸が適切に吸収されず、大腸に流入して下痢を引き起こします。回腸の切除手術後や、特定の疾患によって起こることがあります。

顕微鏡的大腸炎

は、内視鏡検査では異常が見られないものの、組織検査で炎症が確認される疾患です。中高年の女性に多く見られます。

水様性下痢が続く場合は、これらの原因を特定するために医療機関での詳しい検査が推奨されます。

脂肪性下痢の原因

脂肪性下痢は、便に脂肪分が多く含まれ、油っぽく浮きやすい特徴があります。以下のような原因が考えられます。

セリアック病

は、小麦などに含まれるグルテンに対する免疫反応により、小腸の粘膜が損傷する疾患です。栄養素の吸収が妨げられ、脂肪性下痢や体重減少が起こります。血液検査で抗組織トランスグルタミナーゼ抗体を測定することで診断の手がかりが得られます。

膵臓外分泌不全

では、膵臓から分泌される消化酵素が不足し、特に脂肪の消化が十分に行われません。慢性膵炎や膵臓の手術後に見られることがあります。

ジアルジア症

は、寄生虫のジアルジアによる感染症で、脂肪性下痢や腹部膨満感を引き起こします。汚染された水や食品を介して感染することが多く、便検査で診断されます。

脂肪性下痢が疑われる場合は、便中の脂肪含有量を測定する検査や、消化酵素の評価が必要になることがあります。

炎症性下痢の原因

炎症性下痢は、腸の粘膜に炎症があり、血液や粘液が便に混じることが特徴です。以下のような疾患が原因となります。

潰瘍性大腸炎

は、大腸の粘膜に潰瘍や炎症が生じる疾患で、粘血便や頻繁な下痢、腹痛が主な症状です。厚生労働省の指定難病であり、長期的な管理が必要となります。大腸内視鏡検査で粘膜の状態を直接確認することが診断に重要です。

クローン病

は、口腔から肛門まで消化管全体に炎症が起こる可能性がある疾患です。下痢は患者の約80%が経験する症状で、腹痛や体重減少を伴うことが多いとされています。完治させる方法は現在のところありませんが、適切な治療で寛解状態を維持することができます。

クロストリジウム・ディフィシル腸炎

は、抗生物質の使用後に腸内細菌のバランスが崩れ、クロストリジウム・ディフィシル菌が異常増殖して起こる腸炎です。水様性または炎症性の下痢を引き起こします。

大腸がん

も慢性下痢の原因となることがあります。特に血便や体重減少、腹痛などの症状を伴う場合は、早期の検査が重要です。

炎症性下痢が疑われる場合は、血液検査でCRP値や赤血球沈降速度を測定し、便検査や大腸内視鏡検査を行うことが一般的です。

その他の下痢が治らない原因

薬剤性下痢

ほぼすべての薬剤が副作用として下痢を引き起こす可能性があります。特に以下の薬剤は下痢の原因となることが多いとされています。

薬剤の種類具体例メカニズム
抗生物質ペニシリン系、セフェム系など腸内細菌のバランスを崩す
制酸剤マグネシウム含有製剤腸内の浸透圧を変化させる
胃薬オメプラゾール、エソメプラゾールなど胃酸分泌抑制による影響
糖尿病薬メトホルミン腸管運動の変化
NSAIDsイブプロフェン、ナプロキセンなど腸粘膜への刺激

抗生物質を服用する際は、プロバイオティクスやヨーグルトの摂取により、下痢のリスクを軽減できる可能性があると報告されています。薬剤による下痢が疑われる場合は、自己判断で服薬を中止せず、処方医に相談することが大切です。

食物不耐性

特定の食品を消化できないことが慢性下痢の原因となることがあります。

乳糖不耐症

は、乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素が不足している状態です。乳製品を摂取すると、腹部膨満感や下痢が起こります。日本人を含むアジア人では比較的多く見られます。

フルクトース不耐症

では、果物やハチミツに含まれるフルクトースの吸収がうまくいかず、下痢を引き起こします。

食物不耐性が疑われる場合は、原因となる食品を特定するために食事日記をつけることが有用です。

内分泌疾患

ホルモンのバランスが乱れることで下痢が続くことがあります。

甲状腺機能亢進症

では、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、腸の運動が活発になりすぎて下痢が起こります。動悸や体重減少、手の震えなど他の症状も伴うことが多いです。

糖尿病

による神経障害が腸の運動機能に影響を与え、下痢を引き起こすことがあります。

感染後の下痢

急性の感染性胃腸炎が治った後も、腸の機能が完全に回復せず、下痢が続くことがあります。これは感染後過敏性腸症候群と呼ばれ、腸内細菌叢の乱れや腸粘膜の軽度の炎症が続くことが原因と考えられています。

医療機関を受診すべきタイミング

すぐに受診が必要な症状

以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

  • 血便や黒色便が出る
  • 高熱(38度以上)が続く
  • 激しい腹痛がある
  • 脱水症状(めまい、口の渇き、尿量の著しい減少)
  • 意識がもうろうとする
  • 体重が急激に減少している

これらの症状は重篤な疾患のサインである可能性があります。

一般的な受診の目安

成人の場合、下痢が2日以上続く場合は医療機関への相談が望ましいとされています。慢性下痢の定義は4週間以上の持続ですが、早期に原因を特定することで、適切な治療を開始できます。

特に以下のような場合は、早めの受診をお勧めします。

  • 日常生活に支障をきたしている
  • 市販の下痢止め薬を服用しても改善しない
  • 繰り返し下痢と便秘を繰り返す
  • 新しい薬を開始してから下痢が始まった
  • 海外旅行から帰国後に下痢が続いている

医療機関では、問診や身体診察に加えて、血液検査、便検査、内視鏡検査などを行い、原因を特定します。

慢性下痢の検査と診断

初期検査

医療機関を受診すると、まず以下のような検査が行われることが一般的です。

血液検査

では、全血球計算、C反応性タンパク質、電解質、肝機能、腎機能などを調べます。セリアック病が疑われる場合は、抗組織トランスグルタミナーゼIgA抗体と総IgA値も測定されます。

便検査

では、便の性状、血液の有無、白血球の有無、脂肪の含有量、病原菌や寄生虫の有無を調べます。便中カルプロテクチンは、炎症性腸疾患の診断に有用な指標です。

これらの検査結果により、下痢を水様性、脂肪性、炎症性に分類し、さらに詳しい検査の必要性を判断します。

追加検査

初期検査で原因が特定できない場合や、特定の疾患が疑われる場合は、以下のような検査が追加されることがあります。

  • 大腸内視鏡検査:大腸の粘膜を直接観察し、炎症や潰瘍、ポリープなどを確認します。組織を採取して顕微鏡検査を行うこともあります。
  • 小腸内視鏡検査またはカプセル内視鏡検査:小腸の病変を調べるために行われます。
  • CT検査またはMRI検査:腸管の構造や周囲の臓器を詳しく調べます。
  • 呼気試験:乳糖不耐症や小腸内細菌異常増殖症の診断に用いられます。

慢性下痢の治療と管理

原因に応じた治療

慢性下痢の治療は、原因となる疾患によって異なります。

過敏性腸症候群

の場合は、食事の改善、ストレス管理、薬物療法(セロトニン受容体拮抗薬など)、プロバイオティクスの摂取、認知行動療法などが有効とされています。低FODMAP食という特定の糖質を制限する食事法も推奨されることがあります。

炎症性腸疾患

では、メサラジン(5-ASA)などの抗炎症薬が基本となり、重症例ではステロイドや免疫抑制剤、生物学的製剤が使用されます。寛解導入と寛解維持の二段階の治療が行われます。

薬剤性下痢

の場合は、可能であれば原因となる薬剤の変更や中止を検討します。ただし、必要な治療薬の場合は、他の対処法を考えます。

食物不耐性

では、原因となる食品を避けることが基本です。乳糖不耐症の場合は、乳糖を含まない代替品を選ぶか、乳糖分解酵素のサプリメントを利用する方法があります。

対症療法

原因治療と並行して、症状を和らげるための対症療法が行われることがあります。

補水療法

は、下痢による脱水を防ぐために最も重要です。経口補水液を少量ずつ頻繁に摂取することが推奨されます。

止瀉薬

としては、ロペラミドなどが使用されますが、感染性下痢の場合は病原体の排出を妨げる可能性があるため、使用には注意が必要です。医師の指示に従って使用してください。

プロバイオティクス

は、腸内細菌叢のバランスを改善し、下痢症状を軽減する可能性があると報告されています。

食物繊維

の摂取も、便の性状を改善するのに役立つことがあります。ただし、種類や量は症状に応じて調整する必要があります。

生活習慣の改善

日常生活の中でできる対策も重要です。

食事の工夫

としては、刺激の強い食品(辛いもの、カフェイン、アルコール)や脂肪分の多い食品を避け、消化の良い食事を少量ずつ摂ることが推奨されます。

ストレス管理

は、特に過敏性腸症候群の患者にとって重要です。十分な睡眠、適度な運動、リラクゼーション法などを取り入れることが有効とされています。

規則正しい生活リズム

を保つことで、腸の運動リズムも整いやすくなります。

下痢が治らない時のまとめ

下痢が4週間以上続く慢性下痢には、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、薬剤性下痢、食物不耐性など様々な原因があります。原因によって適切な治療法が異なるため、下痢が長引く場合は医療機関で詳しい検査を受けることが重要です。血便や高熱、激しい腹痛などの警告症状がある場合は、速やかに受診してください。適切な診断と治療により、多くの場合、症状の改善や寛解状態の維持が期待できます。

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