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下痢による関節痛や筋肉痛の原因

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2025.11.19

下痢とともに関節や筋肉が痛むと不安になる方も多いでしょう。消化器症状と全身の痛みが同時に現れる場合、様々な原因が考えられます。この記事では、下痢に伴う関節痛や筋肉痛がなぜ起こるのか、どのような病気の可能性があるのかを詳しく解説します。

下痢と関節痛・筋肉痛の関係

下痢による関節痛や筋肉痛は、主にウイルス性や細菌性の感染症、炎症性腸疾患、電解質異常などが原因となることが知られています。感染症では、病原体に対する免疫反応の過程で炎症性サイトカインが放出され、これが筋肉や関節の痛みを引き起こす可能性があります。また、下痢による脱水や電解質バランスの乱れも筋肉痛の一因となることがあります。

感染性胃腸炎による筋肉痛・関節痛

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎は、下痢とともに筋肉痛や関節のこわばりを引き起こすことが報告されています。ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスに感染すると、腹痛や下痢といった消化器症状に加えて、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などの全身症状が現れることがあります。

ウイルス感染時には、体内の免疫細胞が炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-αなど)を放出します。これらのサイトカインは感染と戦うために必要な物質ですが、同時に痛みを感じる神経を刺激し、筋肉痛や関節痛を引き起こす可能性があります。

症状は通常、ウイルスに接触してから4〜48時間以内に現れ、多くの場合数日以内に改善します。

細菌性胃腸炎

細菌性胃腸炎は、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、カンピロバクターなどの細菌によって引き起こされます。下痢、腹痛、発熱などが主な症状ですが、全身の倦怠感とともに筋肉や関節の不快感を伴うこともあります。

特にカンピロバクター感染後には、反応性関節炎やギラン・バレー症候群といった合併症が発生する可能性も報告されています。カンピロバクターによる腸炎の約30%が、下痢を引き起こすこの細菌によって誘発されると考えられており、90%近い患者で神経根痛や筋痛、関節痛などの痛みが認められることがあります。

感染症の種類主な原因筋肉痛・関節痛の頻度症状発現までの時間
ウイルス性胃腸炎ノロウイルス、ロタウイルスなど比較的多い4〜48時間
細菌性胃腸炎大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなど発熱時に伴うことがある数時間〜数日
インフルエンザインフルエンザウイルス非常に多い1〜4日

上記の表は、感染性胃腸炎やインフルエンザなど、下痢と筋肉痛・関節痛を同時に引き起こす可能性のある主な感染症をまとめたものです。ウイルス性胃腸炎では比較的多くの患者が筋肉痛を経験し、インフルエンザでは筋肉痛が特徴的な症状の一つとなっています。

炎症性サイトカインの役割

サイトカインとは

サイトカインは、細胞から分泌される小さなタンパク質で、細胞間の相互作用や情報伝達に重要な役割を果たします。感染症や炎症が起こると、ヘルパーT細胞やマクロファージなどの免疫細胞が炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、IL-12、IL-18、TNF-α、IFN-γなど)を放出します。

筋肉痛・関節痛を引き起こすメカニズム

炎症性サイトカインは、痛みを感じる神経(侵害受容器)を直接刺激することで、筋肉痛や関節痛を引き起こす可能性があります。特にIL-1β、IL-6、TNF-αは、痛みや痛覚過敏の発生と持続に深く関与していると考えられています。

感染による腸管の炎症が起こると、これらのサイトカインが血液中に放出され、全身を巡ることで、感染部位から離れた筋肉や関節にも痛みが生じることがあります。これが、下痢とともに全身の筋肉痛や関節痛が現れる理由の一つです。

また、全身性炎症反応症候群(SIRS)では、免疫細胞が大量の炎症性サイトカインを血中に放出し、急性全身炎症を引き起こします。重篤な場合には、高熱、腫れ、紅潮、極度の倦怠感、吐き気などの症状が現れ、多臓器不全に進行することもあります。

脱水と電解質異常による筋肉痛

脱水の影響

下痢が続くと、体内の水分が大量に失われ、脱水状態になることがあります。脱水は、体内の水分が不足している状態を指し、電解質バランスの乱れと密接に関連しています。

脱水によって筋肉への血流が減少すると、筋肉の疲労や痛みを感じやすくなる可能性があります。また、体内の水分不足は全身の倦怠感や頭痛などの症状も引き起こします。

電解質異常と筋肉痛

電解質とは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、体内で重要な役割を果たすミネラルのことです。下痢によってこれらの電解質が失われると、筋肉の収縮や神経の機能に影響が出ることがあります。

特にカリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムの血中濃度が低下すると、筋肉のけいれんや痛みが起こりやすくなることが知られています。電解質バランスが崩れると、筋肉が正常に機能しなくなり、痛みや脱力感を感じることがあります。

軽度の脱水や電解質異常の場合、水分や電解質を含むスポーツドリンクなどを飲むことで改善することがあります。しかし、重度の場合には医療機関での点滴治療が必要になることもあります。

炎症性腸疾患に伴う関節痛

クローン病と潰瘍性大腸炎

炎症性腸疾患(IBD)には、クローン病と潰瘍性大腸炎という2つの主要な疾患があります。これらは慢性的な腸の炎症を特徴とし、下痢、腹痛、血便などの症状が繰り返し現れます。

炎症性腸疾患では、腸管以外の症状(腸管外症状)として関節痛や関節炎が現れることがよくあります。クローン病では約40%の患者に関節痛・関節炎が見られると報告されています。

IBDに伴う関節炎の種類

炎症性腸疾患に関連する関節炎には、主に以下の2つのタイプがあります。

強直性脊椎炎

脊椎の付け根、つまり骨盤と接続する部分に影響を及ぼすタイプの関節炎です。腰や背中の痛みとこわばりが特徴的な症状です。

IBD関連末梢性関節炎

手、膝、足首などの末梢関節に影響を及ぼします。左右非対称性の関節炎が特徴的で、脊椎関節炎の一種として分類されます。

これらの関節症状は、腸の炎症活動と連動して悪化したり改善したりすることがあります。炎症性腸疾患の治療を適切に行うことが、下痢などの腸症状だけでなく、関節痛などの全身症状の改善にもつながります。

炎症性腸疾患の種類関節症状の頻度主な関節炎のタイプ
クローン病約40%末梢性関節炎、強直性脊椎炎
潰瘍性大腸炎10〜30%末梢性関節炎、強直性脊椎炎

上記の表は、炎症性腸疾患における関節症状の頻度と主なタイプを示しています。クローン病では約40%、潰瘍性大腸炎では10〜30%の患者に関節症状が現れることが知られています。

反応性関節炎

反応性関節炎とは

反応性関節炎は、感染症の後に発症する関節炎の一種で、関節自体には感染が起こっていないにもかかわらず炎症が生じる病態です。胃腸感染症(食中毒など)や尿路・性器の感染症の後に発症することがあります。

症状の経過

腸管感染によって反応性関節炎が引き起こされる場合、下痢や腹痛といった消化器症状が先に現れ、その後数日から数週間以内に関節痛やこわばりが出現します。下痢は水様性または血性であることがあります。

関節の痛みや腫れは、特に股関節、膝、足首などの下肢の関節に影響を及ぼすことが多く、アキレス腱やかかとの痛みも特徴的です。また、関節症状に加えて、目の炎症や皮膚・尿路の症状を伴うこともあります。

経過と治療

反応性関節炎の症状は数週間で改善することもあれば、数ヶ月間持続することもあります。約半数の患者では、症状が数年にわたって再発することが報告されています。

治療は、感染症に対する抗生物質の投与と、関節の痛みや炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛薬の使用が中心となります。症状が持続する場合には、免疫抑制薬が必要になることもあります。

医療機関を受診すべき症状

早急な受診が必要な場合

以下のような症状がある場合には、速やかに医療機関を受診することが勧められます。

  1. 下痢が5日以上続いている
  2. 便に血液や膿が混じっている
  3. 38.3℃以上の発熱がある
  4. 激しい腹痛がある
  5. 脱水の兆候(口の渇き、めまい、目のくぼみ、8時間以上尿が出ない)
  6. 関節痛のために日常生活に支障がある
  7. 吐き気や嘔吐が続き、水分を摂取できない

注意が必要な症状

筋肉痛や関節痛が3日以上続く場合や、原因不明の激しい痛みがある場合、感染の兆候(発赤、腫れ、熱感)がある場合なども、医療機関での診察を検討すべきです。

また、新しい薬を飲み始めた後に筋肉痛が現れた場合には、薬の副作用の可能性もあるため、医師や薬剤師に相談することが重要です。

自宅でできる対処法

水分と電解質の補給

下痢による脱水を防ぐために、こまめに水分を摂取することが大切です。水だけでなく、電解質を含むスポーツドリンクや経口補水液を利用すると、失われた電解質を効果的に補給できます。

カフェインやアルコールは利尿作用があり脱水を悪化させる可能性があるため、避けることが勧められます。

休息と栄養

感染症による下痢や筋肉痛がある場合には、十分な休息を取ることが回復を早めます。無理に活動すると症状が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。

食事は、消化に良い食べ物を少量ずつ摂取するようにしましょう。油っぽい食べ物や辛い食べ物は、胃腸に負担をかける可能性があるため控えめにすることが望ましいです。

感染予防

ウイルス性や細菌性の胃腸炎は、汚染された食べ物や水、感染者との接触によって広がります。手洗いをこまめに行い、食品は十分に加熱し、生野菜はよく洗うなどの基本的な衛生管理が感染予防に有効です。

まとめ

下痢とともに関節痛や筋肉痛が現れる原因としては、ウイルス性や細菌性の胃腸炎、炎症性腸疾患、反応性関節炎、電解質異常などが考えられます。感染症では炎症性サイトカインが放出され、これが全身の筋肉や関節の痛みを引き起こす可能性があります。また、下痢による脱水や電解質バランスの乱れも筋肉痛の一因となります。症状が長引く場合や、血便、高熱、激しい腹痛などを伴う場合には、医療機関での診察を受けることが重要です。適切な水分補給と休息を心がけ、必要に応じて専門医に相談しましょう。

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