下痢の時に市販薬を飲んでも良いでしょうか?
2025.10.30
下痢の症状で悩んでいる方は、早く楽になりたいと市販の下痢止め薬を考えることが多いでしょう。しかし、下痢の原因や症状によっては、市販薬の使用が症状を悪化させる可能性もあります。この記事では、市販の下痢止め薬を安全に使用するための判断基準と注意点を詳しく解説します。
下痢の時の市販薬使用について
市販の下痢止め薬は、症状や原因に応じて使用できる場合とできない場合があります。軽度の急性下痢では使用可能なこともありますが、感染性の下痢や血便を伴う場合は使用を避けるべきです。自己判断での使用には注意が必要で、症状が2日以上続く場合や発熱を伴う場合は、必ず医療機関を受診してください。
市販の下痢止め薬が使える場合
軽度の急性下痢
ウイルス性の軽い胃腸炎や食べ過ぎ、ストレスによる一時的な下痢など、明らかな感染症の兆候がない場合には市販薬の使用を検討できます。発熱がなく、便に血液や粘液が混じっていない状態であれば、症状緩和のために使用することができます。
旅行者下痢症の初期症状
旅行先での軽度な下痢症状の場合、ロペラミド(商品名:ロペミン)などの市販薬が症状緩和に役立つことがあります。ただし、症状が48時間以上続く場合や悪化する場合は、直ちに使用を中止して医師に相談する必要があります。
慢性的な過敏性腸症候群
医師の診断を受けた過敏性腸症候群による下痢の場合、医師の指示のもとで市販の下痢止め薬を使用することができます。この場合でも、定期的な医療機関での経過観察が重要です。
上記のような軽度の症状であっても、市販薬を使用する前に薬剤師に相談することで、より安全な使用が可能になります。また、症状の経過を注意深く観察し、改善が見られない場合は速やかに医療機関を受診してください。
市販の下痢止め薬を使ってはいけない場合
感染性の下痢
発熱、血便、粘液便を伴う下痢は細菌やウイルス感染の可能性が高く、下痢止め薬の使用は危険です。下痢は体内の病原体や毒素を排出する防御反応であり、無理に止めることで病状が悪化する危険性があります。特にクロストリジウム・ディフィシル感染症の場合、下痢止め薬の単独使用により重篤な合併症を引き起こす可能性が報告されています。
高熱を伴う下痢
38度以上の発熱を伴う下痢は、重篤な感染症の兆候である可能性があります。このような場合、市販薬での自己治療は避け、速やかに医療機関を受診する必要があります。
血便や黒色便が出る場合
便に血液が混じっている場合や便が黒色の場合は、消化管出血や炎症性腸疾患の可能性があります。このような症状では下痢止め薬を使用せず、直ちに医療機関を受診してください。
小児への使用
6ヶ月未満の乳児へのロペラミド投与は禁忌とされており、2歳以下の小児への使用も推奨されていません。小児の下痢では脱水症状が急速に進行する可能性があるため、必ず医療機関を受診してください。
感染性の下痢の場合、下痢止め薬を使用せずに適切な抗菌薬治療と水分補給を行うことが重要です。自己判断での薬の使用は避け、医師の診断を受けることが必要です。
主な市販下痢止め薬の種類と特徴
| 薬の種類 | 主な成分 | 作用メカニズム | 使用上の注意 |
|---|---|---|---|
| 腸運動抑制薬 | ロペラミド | 腸の動きを抑えて水分吸収を促進 | 感染性下痢では使用禁止、心臓への副作用に注意 |
| 収斂薬 | タンニン酸アルブミン | 腸粘膜の炎症を抑制 | 軽度の下痢に適している |
| 吸着剤 | 活性炭など | 毒素や腸管ガスを吸収 | 他の薬の効果に影響する可能性あり |
| 整腸剤 | 乳酸菌製剤 | 腸内環境を改善 | 比較的安全性が高い |
上記の表のように、市販の下痢止め薬にはさまざまな種類があり、それぞれ作用メカニズムが異なります。ロペラミドは効果が高い一方で使用制限も多く、用法用量を厳守することが重要です。整腸剤は比較的安全性が高いため、軽度の症状であれば最初に試してみることができます。
市販薬使用時の重要な注意点
用法用量の厳守
ロペラミドなどの下痢止め薬は、推奨量を超えて服用すると心臓に重篤な副作用を引き起こす可能性があります。パッケージに記載された用法用量を必ず守り、服用回数や服用期間を超えないようにしてください。
他の薬との併用注意
- 抗不整脈薬との併用は心臓への影響が増強される可能性があります
- 抗生物質と下痢止め薬を同時に服用する場合は医師への相談が必要です
- 複数の市販薬を同時に使用する場合は薬剤師に確認してください
使用期間の制限
市販の下痢止め薬を48時間使用しても症状が改善しない場合は、使用を中止して医療機関を受診してください。長期間の使用は依存性や副作用のリスクを高める可能性があります。
副作用の観察
下痢止め薬の一般的な副作用には、便秘、腹痛、眠気、吐き気、口の渇きなどがあります。重大な副作用として、発疹、呼吸困難、激しい腹痛、血便などが現れた場合は、直ちに使用を中止して医療機関を受診してください。
市販薬を使用する前に確認すべきこと
確認すべき症状チェックリスト
- 発熱(38度以上)の有無
- 血便や黒色便の有無
- 激しい腹痛の有無
- 嘔吐の有無
- 下痢の持続期間(24時間以上か)
- 脱水症状(口の渇き、尿量減少、めまい)の有無
医療機関受診が必要な場合
- 下痢が2日以上続いている
- 成人で38度以上、小児で39度以上の発熱がある
- 便に血液や粘液が混じっている
- 激しい腹痛や持続的な痛みがある
- 脱水症状が見られる
- 最近抗生物質を服用していた
- 海外旅行から帰国後の下痢
薬剤師への相談が推奨される場合
- 初めて下痢止め薬を使用する
- 他の薬を定期的に服用している
- 妊娠中または授乳中である
- 持病がある(心臓病、腎臓病、肝臓病など)
- 過去に薬でアレルギー反応を起こしたことがある
これらの確認事項を事前にチェックすることで、市販薬の安全な使用が可能になります。不安な点がある場合は、自己判断せずに必ず専門家に相談してください。
市販薬以外の下痢対策
適切な水分補給
下痢の際は脱水症状を防ぐことが最も重要です。経口補水液(ORS)を使用することで、水分と電解質を効果的に補給できます。水、果汁、スポーツドリンク、スープなども適切な水分補給源となります。一度に大量に飲むのではなく、少量ずつ頻繁に摂取することが推奨されます。
食事の調整
下痢の初期には、腸への負担が少ない食事を心がけましょう。白米のお粥、バナナ、りんご(すりおろし)、トーストなどの消化の良い食べ物から始めます。脂っこい食事、乳製品、カフェイン、アルコールは症状を悪化させる可能性があるため避けてください。
休息と衛生管理
十分な休息をとることで、体の回復力を高めることができます。また、感染拡大を防ぐために、こまめな手洗いと衛生管理を徹底してください。特にトイレ使用後と食事前の手洗いは重要です。
まとめ
市販の下痢止め薬は、軽度の急性下痢には使用できる場合がありますが、感染性の下痢や重篤な症状を伴う場合は使用を避けるべきです。発熱、血便、激しい腹痛などの症状がある場合や、48時間以上下痢が続く場合は、必ず医療機関を受診してください。市販薬を使用する際は、用法用量を厳守し、症状の経過を注意深く観察することが重要です。
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