急に下痢になった原因を知りたいです
2025.10.28
突然の下痢に悩まされている方は多いでしょう。予期せぬタイミングで起こる下痢は、日常生活に大きな支障をきたします。急性下痢にはさまざまな原因があり、適切に対処するためにはその原因を理解することが大切です。この記事では、急に下痢になる主な原因と、それぞれの特徴について詳しく解説します。
急性下痢の主な原因
急に下痢になる原因として最も多いのは、ウイルスや細菌による感染性胃腸炎です。成人ではノロウイルスが一般的な原因とされており、5歳以下の子どもではロタウイルスが最も多く報告されています。これらの感染性下痢は通常、1週間以内に自然に治まる傾向があります。また、食中毒、ストレス、医薬品の副作用、食物不耐症なども急性下痢の原因となることが知られています。
感染性胃腸炎による下痢
ウイルス性胃腸炎は、小腸や大腸の感染によって起こります。ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが主な原因ウイルスとされています。感染すると、腸壁から腸管内に水分が排出されるため、液体状の便が出る状態になります。
主な症状と特徴
ウイルス性胃腸炎では下痢だけでなく、嘔吐、腹痛、発熱などの症状を伴うことがあります。症状は通常12時間から72時間で現れ始め、多くの場合1週間以内に軽快します。脱水症状が最も重要な合併症であるため、水分補給が欠かせません。
特に注意が必要な症状として、口の渇き、目の落ち窪み、めまい、尿量の減少などがあります。これらの脱水の兆候が見られた場合は、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
感染経路と予防
ウイルス性胃腸炎は、汚染された食べ物や水、感染者との接触によって広がります。予防には手洗いの徹底、調理器具の清潔な管理、感染者が触れた表面の消毒が効果的です。ロタウイルスについては、乳児向けのワクチンが利用可能です。
細菌性食中毒による下痢
食中毒は、病原微生物やその毒素を含む飲食物を摂取することで起こります。日本では腸炎ビブリオ、サルモネラ属菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌O157などが主な原因菌として報告されています。
原因菌別の特徴
| 原因菌 | 主な感染源 | 潜伏期間 | 主な症状 |
|---|---|---|---|
| 腸炎ビブリオ | 生の魚介類 | 8~24時間 | 激しい下痢、腹痛 |
| サルモネラ属菌 | 家禽類、卵 | 6~72時間 | 下痢、発熱 |
| カンピロバクター | 鶏肉 | 2~11日 | 下痢、腹痛、発熱 |
| 腸管出血性大腸菌 | 加熱不十分な肉類 | 3~8日 | 水様便から血便へ |
細菌性食中毒では、原因菌によって症状の現れ方が異なります。腸炎ビブリオは生の魚介類から感染し、激しい下痢と腹痛を引き起こします。サルモネラ属菌は家禽類や卵が感染源となり、発熱を伴う下痢が特徴です。カンピロバクターは鶏肉の加熱不十分が主な原因で、潜伏期間が2日から11日と比較的長いことが知られています。
食中毒の予防三原則
食中毒予防には「付けない」「増やさない」「殺す」という三つの基本原則があります。手洗いや調理器具の洗浄で細菌を付けないこと、食品を適切な温度で保存して細菌を増やさないこと、そして75度以上で1分以上加熱して細菌を殺すことが重要です。特に、室温で2時間以上放置した食品は食中毒のリスクが高まるため注意が必要です。
ストレス性下痢と過敏性腸症候群
ストレスが原因で急に下痢になることもあります。過敏性腸症候群は、検査では炎症や潰瘍が認められないにもかかわらず、腹痛や下痢が慢性的に続く機能性疾患です。
ストレスと腸の関係
ストレスを感じると、視床下部-下垂体-副腎系と交感神経系が活性化されます。この時に大量分泌されるステロイドホルモンが消化管の血流を減少させ、腸壁筋肉の機能に影響を与えることがあります。また、セロトニンという神経伝達物質が腸の蠕動運動に作用し、腹痛や下痢を誘発することが知られています。
過敏性腸症候群の患者さんの3分の2では、精神的な不安や緊張が症状に先行していることが報告されています。試験前や重要な会議の前など、緊張する場面で下痢になりやすい方は、ストレス性の下痢である可能性があります。
対処法
ストレス性下痢の改善には、生活習慣の見直し、食事療法、心理療法が推奨されています。規則正しい睡眠、適度な運動、リラクゼーション法の実践が効果的です。また、プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌など)の摂取が、症状の緩和に役立つ可能性があることが研究で示されています。
医薬品による下痢
医薬品の副作用として下痢が起こることもあります。特に抗生物質は、腸内の善玉菌も減らしてしまうため、下痢を引き起こしやすいことが知られています。
下痢を起こしやすい薬
以下のような医薬品が下痢の原因となることがあります。
- 抗生物質(腸内細菌バランスの乱れ)
- 化学療法薬(腸粘膜への影響)
- マグネシウムを含む制酸剤(浸透圧の変化)
- 特定の血圧降下薬(腸の運動性への影響)
服用中の薬がある場合で、急に下痢が始まった際には、医薬品の副作用である可能性も考えられます。ただし、自己判断で薬の服用を中止せず、必ず処方した医師や薬剤師に相談することが大切です。
食物不耐症による下痢
特定の食べ物を消化できない食物不耐症も、急性下痢の原因となります。最も一般的なのは乳糖不耐症で、乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素が不足しているために起こります。
乳糖不耐症の特徴
乳糖不耐症の方が乳製品を摂取すると、未消化の乳糖が腸内に残り、浸透圧の変化によって腸管内に水分が引き込まれます。その結果、下痢、腹部膨満感、ガスなどの症状が現れます。日本人を含むアジア人では、乳糖不耐症の割合が比較的高いことが知られています。
牛乳やヨーグルト、チーズなどを食べた後に毎回下痢になる場合は、乳糖不耐症の可能性があります。乳糖分解酵素のサプリメントを使用したり、乳糖を含まない代替品を選んだりすることで、症状を避けることができます。
受診が必要な症状
多くの急性下痢は自然に治まりますが、以下のような場合は速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
注意すべき危険サイン
- 脱水症状(口の渇き、目の落ち窪み、めまい、尿量減少)
- 便に血が混じっている
- 38度以上の高熱が続く
- 激しい腹痛がある
- 成人で5日以上、乳幼児で2日以上下痢が続く
- 意識がもうろうとする
- 水分を摂取できない
特に乳幼児、高齢者、妊娠中の方、免疫力が低下している方は、重症化しやすいため早めの受診が推奨されます。
自宅でできる対処法
急性下痢になった時は、脱水を防ぐことが最も重要です。以下の対処法を実践しましょう。
水分と電解質の補給
下痢によって失われた水分と電解質を補充することが治療の中心となります。経口補水液は、水分と電解質のバランスが適切に調整されているため効果的です。少量ずつ、こまめに摂取するようにしましょう。
スポーツドリンクも利用できますが、糖分が多いため、水で薄めて飲むことをおすすめします。カフェインやアルコールを含む飲料は、利尿作用があるため避けるべきです。
食事の調整
下痢が治まり始めたら、消化しやすい食べ物から徐々に食事を再開します。おかゆ、バナナ、りんごのすりおろし、トーストなどの bland diet(刺激の少ない食事)が適しています。脂っこい食べ物、乳製品、生野菜、カフェイン、香辛料の強い食べ物は、症状が完全に回復するまで控えることが望ましいです。
市販薬の使用
市販の下痢止めは、症状を一時的に緩和する効果がありますが、使用には注意が必要です。感染性の下痢では、病原体を体外に排出することが重要なため、下痢止めの使用が回復を遅らせる可能性もあります。使用する前に、薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
まとめ
急に下痢になる原因として最も多いのは、ウイルスや細菌による感染性胃腸炎です。その他にも食中毒、ストレス、医薬品の副作用、食物不耐症などさまざまな原因があります。多くの急性下痢は自然に治まりますが、脱水症状や血便、高熱などが見られる場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。自宅での対処としては、水分と電解質の補給を十分に行い、消化しやすい食事を心がけましょう。症状が続く場合や心配な場合は、医師に相談することをおすすめします。
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出典
- 下痢 - Wikipedia
- 感染性胃腸炎 - Wikipedia
- 食中毒 - Wikipedia
- 過敏性腸症候群 - Wikipedia
- Diarrhea - MedlinePlus
- Diarrhea - MedlinePlus Medical Encyclopedia
- Gastroenteritis - MedlinePlus
- Foodborne Illness - MedlinePlus
- Acute infectious diarrhea - PubMed
- Acute and chronic diarrhea: a roadmap to differential diagnosis and therapy - PubMed
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