花粉症の症状が夜に悪化するのはなぜですか?
2025.12.05
日中はなんとか過ごせても、夜になると鼻詰まりや咳がひどくて眠れない…そんな辛い経験はありませんか? 実は、花粉症患者の多くが"夜間の症状悪化(ナイトライフ)"に悩まされています。 この記事では、なぜ夜に症状がひどくなるのか、その原因と今すぐできる対策について詳しく解説します。
花粉症が夜にひどくなる3つの理由
花粉症の症状が夜に悪化する主な理由は、
"遅発相反応(ちはつそうはんのう)"、
"自律神経の変化"、そして
"環境要因"の3つが重なるためと考えられています。これらが複合的に作用し、就寝時の不快な症状を引き起こします。
1. 体の反応メカニズム(遅発相反応と自律神経)
遅れてやってくる"遅発相反応"
花粉を吸い込んでからすぐに起こるくしゃみや鼻水などの反応を"即時相反応"と呼びますが、その
6〜10時間後に再び炎症細胞が集まり、鼻詰まりなどの症状が強く現れることがあります。これを"遅発相反応"と呼びます。 つまり、日中に吸い込んだ花粉の影響が、夜になってから遅れて現れるのです。
自律神経の切り替わり
夜、リラックスして眠るためには"副交感神経"が優位になります。この副交感神経が優位になると、血管が拡張しやすくなります。 鼻の粘膜にある血管も拡張してむくむため、気道が狭くなり、
鼻詰まりが起きやすくなります。
姿勢の影響
横になると、重力の影響で頭部に血液が溜まりやすくなります。これも鼻の粘膜の充血を助長し、鼻詰まりを悪化させる一因となります。また、鼻水が喉に流れ込む"後鼻漏"も起きやすくなり、咳の原因になります。
2. 室内の環境要因
どんなに気をつけていても、室内に花粉を持ち込んでしまっている可能性があります。
| 侵入経路 | 特徴と対策 |
|---|---|
| 衣類・髪 | 外出時に付着した花粉をそのまま寝室へ持ち込んでしまうケースです。 |
| 帰宅時は玄関前で払い、すぐに入浴や着替えをすることが重要です。 | |
| 布団・洗濯物 | 外干しした布団や洗濯物に花粉が付着しています。 |
| 花粉シーズンは部屋干しや布団乾燥機の使用が推奨されます。 | |
| 換気 | 窓を開けた際に侵入した花粉が、夜になって床や寝具に落下・堆積します。 |
| 空気清浄機を活用し、床の拭き掃除を行うことが効果的です。 |
表で示したように、衣類や洗濯物からの花粉の持ち込みは意外と多いものです。特に花粉の飛散が多い日は、帰宅時のルーティンを徹底し、寝室をクリーンな状態に保つことが、夜間の安眠への第一歩となります。
今夜からできる!夜の症状対策
夜間の辛い症状を和らげ、良質な睡眠をとるための対策をご紹介します。
入浴のタイミングと方法
- 寝る前の入浴: 体についても花粉を洗い流すだけでなく、湯気で鼻の通りをよくする効果があります。
- 温度: 熱すぎるお湯は交感神経を刺激して覚醒してしまうため、38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがおすすめです。
ぬるめのお湯に浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。また、湯気を吸い込むことで鼻腔内の加湿にもなり、一時的ですが鼻の通りが改善される効果も期待できます。
寝室の環境を整える
- 加湿: 空気が乾燥していると鼻の粘膜が過敏になります。加湿器などで適度な湿度(40〜60%)を保ちましょう。
- 枕の高さ: 少し高めの枕を使うことで、頭部への血液の鬱滞を防ぎ、鼻詰まりを軽減できる場合があります。
寝室の環境は睡眠の質に直結します。加湿器はカビの原因にならないよう手入れをしつつ、枕の高さはタオルなどで微調整して、自分が最も呼吸しやすい高さを探してみると良いでしょう。
就寝前のルーティン
- 空気清浄機を「強」にして寝室の空気をきれいにする
- 鼻うがいをして、鼻腔内の花粉や粘液を洗い流す
- 点鼻薬や飲み薬を医師の指示通りに使用する
これらの習慣を毎日のルーティンにすることで、物理的に花粉を除去し、鼻の粘膜を落ち着かせることができます。特に鼻うがいは慣れると爽快感があり、非常に効果的な対策の一つです。
医療機関への相談が必要な場合
夜間の症状が激しく、睡眠不足が続くと日中のパフォーマンスにも影響します。 特に以下のような場合は、我慢せずに医師に相談することをお勧めします。
- 鼻詰まりで口呼吸になり、いびきや喉の渇きがひどい
- 咳が止まらず、喘息のような症状がある(花粉症から咳喘息に移行することもあります)
- 市販薬を服用しても症状が改善しない
医師の処方による抗アレルギー薬や点鼻薬(ステロイドなど)を適切に使用することで、夜間の症状をコントロールできる可能性があります。
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出典
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