鼻炎治療で鍼灸は効果がありますか
2025.08.25
鼻炎治療における鍼灸の効果
季節性アレルギー性鼻炎については統計的な改善は見られるものの、臨床的に意味のある改善かどうかは明確ではありません。世界保健機関(WHO)も鼻炎を鍼灸治療の適応疾患として認定しています。
鍼灸治療の科学的根拠
研究結果による効果の評価
鍻灸治療の鼻炎に対する効果については、複数の科学的研究が実施されています。
研究タイプ | 対象となる鼻炎 | 効果の程度 | 信頼性レベル |
---|---|---|---|
大規模臨床試験 | 季節性アレルギー性鼻炎 | 統計的改善あり | 高 |
システマティックレビュー | 持続性アレルギー性鼻炎 | 症状改善効果 | 高 |
小規模研究 | 血管運動性鼻炎 | 一部改善報告 | 中 |
観察研究 | 慢性鼻炎 | 50%で顕著改善 | 中 |
大規模な臨床研究では、422人を対象とした8週間の治療で、鍼灸群は偽鍼灸群や薬物治療のみの群と比較して、統計的に有意な改善を示しました。ただし、その改善が臨床的に十分かどうかについては議論があります。
WHOによる鍼灸治療の認定
世界保健機関(WHO)は、鍼灸治療の適応疾患として鼻炎を認定しており、特に以下の症状に対する効果を認めています。
- 鼻血(鼻出血)
- 鼻炎全般
- 副鼻腔炎(ちくのう症)
これらの認定は、長年の臨床経験と一定の科学的根拠に基づいて行われています。
鼻炎の種類別効果
持続性アレルギー性鼻炎への効果
持続性アレルギー性鼻炎に対しては、複数の研究で鍼灸治療の有効性が報告されています。具体的には症状スコアの改善(鼻づまりの軽減、鼻水分泌の減少、くしゃみ回数の減少)、生活の質の向上(睡眠の質改善、日常活動への影響軽減)、薬物使用量の減少(抗ヒスタミン薬の使用頻度減少、ステロイド点鼻薬への依存軽減)などの効果が確認されています。
季節性アレルギー性鼻炎への効果
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)については、統計的な改善は確認されているものの、その効果の程度については慎重な判断が必要です。改善が認められる症状として鼻詰まりの軽減や生活の質の一部改善が報告される一方で、症状の完全な消失は期待できず、効果の持続期間に個人差があり、重症例での効果は限定的という特徴があります。
血管運動性鼻炎への効果
アレルギー性でも感染性でもない血管運動性鼻炎に対しても、鍼灸治療が試験的に実施されています。この分野は研究が限られているため、今後のさらなる研究が期待されています。
鍼灸治療のメカニズム
治療原理
鍼灸治療が鼻炎に効果を示す具体的なメカニズムは完全には解明されていませんが、免疫調整作用(アレルギー反応の軽減、炎症性サイトカインの調整)、神経系への影響(自律神経の調整、血管収縮・拡張の調節、疼痛軽減物質の分泌促進)、局所的な効果(鼻粘膜の血流改善、炎症の軽減)などの作用が考えられています。
使用されるツボ(経穴)
鼻炎治療において、よく使用される代表的なツボには以下があります。
- 上星穴(じょうせいけつ):額の中央、髪の生え際のやや上部
- 印堂穴(いんどうけつ):眉間の中央部
- 迎香穴(げいこうけつ):鼻翼の両脇
- 合谷穴(ごうこくけつ):手の親指と人差し指の間
これらのツボは、伝統的に鼻の症状に効果があるとされ、現代の研究でもその有用性が検討されています。
治療期間と効果の現れ方
一般的な治療スケジュール
鼻炎に対する鍼灸治療は、通常初期治療期(1-4週目、週2-3回の治療)、安定期(5-8週目、週1-2回の治療)、維持期(9週目以降、月1-4回の治療)の段階を経て実施されます。
効果の現れ方
研究データによると、鼻炎患者22名を対象とした調査では50%の患者で6回の治療後に症状がほぼ消失し、36%の患者で中程度の症状改善、14%の患者で明確な改善が見られませんでした。効果が現れる時期には個人差がありますが、一般的には4-6回の治療後から改善が見られることが多いとされています。
安全性と副作用
鍼灸治療の安全性
適切に訓練された専門家による鍼灸治療は、比較的安全な治療法と考えられています。研究によると4週間の治療期間における安全性が確認され、重篤な副作用の報告は稀で、患者の症状軽減と生活の質向上が認められています。
起こりうる副作用
鍼灸治療で報告される副作用は一般的に軽微で、以下のようなものがあります。
副作用の種類 | 頻度 | 対処法 |
---|---|---|
刺入部の軽度の痛み | よくある | 通常数分で軽減 |
刺入部の軽度出血 | 時々 | 清潔なガーゼで圧迫 |
一時的なめまい | 稀 | 安静にして様子を見る |
疲労感 | 稀 | 十分な休息を取る |
これらの副作用は通常一時的で、治療を継続する上で問題になることはほとんどありません。
注意事項と選択時のポイント
治療を受ける際の注意事項
鍼灸治療を検討される際は、重篤なアレルギー症状がある場合、他の疾患で治療中の場合、妊娠中・授乳中の場合、血液疾患のある場合は治療前に医師との相談が必要です。また、国家資格を持つ鍼灸師がいて、清潔な治療環境が整っており、十分な問診と説明があり、他の医療機関との連携が可能な治療院を選択することが重要です。
他の治療法との併用
鍼灸治療は単独で行う場合もありますが、抗ヒスタミン薬の服用、ステロイド点鼻薬の使用、減感作療法(免疫療法)、生活環境の改善などの従来の医学治療と併用することも可能です。併用時は薬物治療の変更は医師と相談し、治療効果の評価を定期的に実施し、症状の変化を詳細に記録することが重要です。
治療効果を高めるための生活習慣
治療効果をサポートする生活改善
鍼灸治療と併せて環境改善(室内の湿度調整、空気清浄機の活用、アレルゲンの除去)、食生活の改善(バランスの取れた食事、抗炎症作用のある食材の摂取)、睡眠とストレス管理(十分な睡眠時間の確保、規則正しい生活リズム)などの生活習慣を実践すると、より良い効果が期待できます。
セルフケアとの組み合わせ
効果的なセルフケア方法として鼻洗浄の実施、適度な運動習慣、ツボ押しマッサージ、呼吸法の練習などがあり、これらの方法を鍼灸治療と組み合わせることで、より包括的な鼻炎管理が可能になります。
まとめ
鼻炎に対する鍼灸治療は、特に
持続性アレルギー性鼻炎において一定の効果が科学的に確認されています。WHOも認定する治療法として、従来の薬物治療と併用することで、より良い症状改善が期待できます。ただし、効果には個人差があり、適切な専門家による治療を受けることが重要です。治療をご検討の際は、まず医師にご相談ください。
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