
更年期におすすめの漢方薬完全ガイド|加味逍遙散・当帰芍薬散の効果
更年期症状に効果的な漢方薬を専門医が解説。加味逍遙散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸の効果と選び方、副作用、生活習慣改善法まで網羅。ドクターナウで専門医による個別処方相談も可能です。
ドクターナウ編集部
2025.08.29
更年期におすすめの漢方薬完全ガイド|加味逍遙散・当帰芍薬散の効果
更年期は女性なら誰もが迎える人生の転換期です。ホルモンバランスの変化により様々な不調が現れますが、漢方薬による体質改善で症状を和らげることができます。この記事では、更年期症状に効果的な漢方薬について、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。
更年期の主要症状と原因について

更年期とは何ですか?
更年期とは、閉経前後の約10年間(一般的に45~55歳)を指し、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に減少する時期です。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされています。
更年期に現れる主な症状は?
更年期症状は大きく3つに分類されます。
- ホットフラッシュ(急な発汗・のぼせ)
- 動悸・頻脈
- 手足の冷え
- イライラ・不安感
- 抑うつ気分
- 不眠・集中力低下
- 肩こり・腰痛
- 頭痛・めまい
- 疲労感・倦怠感
症状分類 | 主な症状 | 発症頻度 |
---|---|---|
血管運動神経症状 | ホットフラッシュ、動悸、発汗 | 75-85% |
精神神経症状 | イライラ、不安、不眠 | 60-70% |
その他 | 肩こり、頭痛、疲労感 | 80-90% |
更年期症状の発症頻度は個人差が大きく、日本人女性では肩こり、易疲労感、頭痛、のぼせが特に多く見られる傾向があります。これらの症状は検査では異常が見つからない「不定愁訴」として現れることが多く、西洋医学的な治療だけでは対応が困難な場合があります。そのため、体全体のバランスを整える漢方治療が注目されています。
更年期症状の原因は?
更年期症状の主な原因は、卵巣機能の低下によるエストロゲンの急激な減少です。エストロゲンは自律神経系や中枢神経系にも影響を与えるため、その減少により様々な症状が現れます。
更年期と漢方の関係と効果について

なぜ更年期に漢方が効果的なのですか?
漢方医学では、更年期を「血の道症」として捉えています。女性は月経により定期的に血液を体外に排出していましたが、閉経期にはそのリズムが変化し、体内の「気・血・水」のバランスが崩れることで様々な症状が現れると考えられています。
漢方の「気・血・水」理論とは?
漢方では、人の体は以下の3つの要素で構成されていると考えます。
- 気(き): 生命エネルギー、精神活動を支える力
- 血(けつ): 栄養や酸素の運搬、ホルモンバランスの調整
- 水(すい): 体液の循環、代謝の調節
更年期には、これらのバランスが崩れやすくなり、以下の状態が生じます:
- 気逆: 気の流れが乱れ、のぼせやイライラが生じる
- 血虚: 血が不足し、めまいや疲労感が現れる
- 瘀血: 血の巡りが滞り、肩こりや頭痛が起こる
漢方治療とホルモン補充療法の違いは?
治療法 | アプローチ | 効果の特徴 | 適応 |
---|---|---|---|
ホルモン補充療法 | 不足したホルモンを直接補充 | 即効性あり、特定症状に強い効果 | 中等度以上の血管運動神経症状 |
漢方治療 | 体質改善によりバランスを整える | 緩やかだが根本的改善 | 不定愁訴、複数症状の同時改善 |
ホルモン補充療法は女性ホルモンの低下から起こる症状には明確な効果がありますが、ストレスによる自律神経失調症状にはあまり効果を感じられない場合があります。一方、漢方薬は体質に合わせて健康バランスを整えるため、検査で原因がわからない不定愁訴の改善に適しています。
代表的な更年期用漢方薬について

女性の三大漢方薬とは?
更年期治療でよく使われる代表的な漢方薬は「当帰芍薬散」「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」で、これらは「女性の三大漢方薬」または「更年期の三大処方」と呼ばれています。
加味逍遙散(かみしょうようさん)はどんな症状に効きますか?
加味逍遙散は、体力中等度以下で、のぼせ感があり、精神不安やイライラなどの症状がある方に適しています。
- イライラ、不安感の軽減
- 不眠症の改善
- ホットフラッシュの緩和
- 肩こりの改善
生薬名 | 主な作用 |
---|---|
当帰・芍薬 | 血を補い、巡りを改善 |
白朮・茯苓 | 水分代謝を調整 |
柴胡 | 気の巡りを整える |
牡丹皮・山梔子 | 熱を冷まし、イライラを鎮める |
加味逍遙散は「血」の不足を補って巡りを促し、滞っている「気」の流れを良くすることで、更年期のイライラや不眠などの精神症状を改善します。「逍遙」は「気ままに歩き回る」という意味で、様々な不調を訴える場合に役立つ処方として名付けられました。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)はどのような方に適していますか?
当帰芍薬散は、体力虚弱で貧血気味、冷えとむくみが気になる方に適した漢方薬です。
- 冷え症の改善
- むくみの解消
- 貧血症状の軽減
- めまい・耳鳴りの改善
- 痩せ型で華奢な体型
- 顔色が悪く、疲れやすい
- 胃腸が弱い傾向
- 月経量が少ない
当帰芍薬散は滋養強壮作用と水分代謝促進作用を併せ持ち、栄養を補って体を温めながら、余分な水分を排出してむくみを改善します。造血を促す働きもあるため、貧血傾向のある女性に特に適しています。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の特徴は?
桂枝茯苓丸は、比較的体力があり、血の巡りが悪い「瘀血」体質の方に適しています。
- 血液循環の改善
- のぼせと足の冷えの同時改善
- 肩こり・頭痛の軽減
- 月経異常の改善
- 上半身はのぼせるが下半身は冷える
- 肩こりや頭痛が強い
- 月経血に血塊が混じる
- しみ・にきびが気になる
桂枝茯苓丸は3つの処方の中で最も血液の巡りを改善する働きが強く、瘀血による様々な症状を改善します。
出典:
The treatment of menopausal symptoms by traditional Chinese medicine in Asian countries - PubMedその他の更年期に使用される漢方薬
- 精神不安、不眠が強い方に
- 動悸、高血圧の随伴症状にも効果
- 極度の疲労感、食欲不振がある方に
- 免疫力向上効果も期待
- ヒステリー様症状が強い方に
- 産前産後の精神不安にも使用
漢方薬名 | 主な適応症状 | 体質の特徴 |
---|---|---|
加味逍遙散 | イライラ、不眠、ホットフラッシュ | 体力中等度以下、精神症状が強い |
当帰芍薬散 | 冷え、むくみ、貧血症状 | 虚弱体質、痩せ型 |
桂枝茯苓丸 | のぼせ、肩こり、血行不良 | 体力中等度以上、瘀血体質 |
これらの漢方薬はそれぞれ異なる体質や症状に対応しており、同じ更年期症状でも個人の体質に合わせて処方を選択することが重要です。
生活習慣と病行方法について

漢方薬の効果を高める生活習慣は?
漢方治療の効果を最大化するには、生活習慣の改善が不可欠です。
- 規則正しい食事時間を心がける
- 体を温める食材を積極的に摂取(生姜、シナモン、黒豆など)
- 大豆製品でイソフラボンを補給(豆腐、豆乳、納豆)
- カフェインやアルコール、辛い食べ物を控える
- ウォーキングや軽いジョギング
- ヨガや太極拳などの緩やかな運動
- ストレッチで血行を促進
- 激しい運動は就寝前は避ける
- 十分な睡眠時間の確保(7-8時間)
- リラックスできる時間を作る
- 趣味や社会活動への参加
- 深呼吸や瞑想の実践
漢方薬服用時の注意点は?
- 食前または食間(食後2時間以上)に服用
- 温水で飲むことで吸収率が向上
- 継続服用が重要(効果実感まで2-8週間)
- 他の漢方薬との併用は医師に相談
- 西洋薬との相互作用に注意
- サプリメントとの重複成分をチェック
体質タイプ | 推奨する生活習慣 | 避けるべきこと |
---|---|---|
気虚(疲れやすい) | 早寝早起き、消化の良い食事 | 過労、生冷食品の摂りすぎ |
血虚(貧血気味) | 栄養バランスの良い食事、適度な運動 | 無理なダイエット、睡眠不足 |
気滞(イライラしやすい) | ストレス発散、リラックス時間 | 過度な刺激、不規則な生活 |
生活習慣の改善と漢方薬の併用により、更年期症状の根本的な改善が期待できます。ただし、効果には個人差があるため、継続的な服用と定期的な体調の見直しが重要です。
漢方薬で注意すべき副作用は?
漢方薬も医薬品ですので、以下のような副作用に注意が必要です。
- 偽アルドステロン症:甘草を含む処方で血圧上昇、むくみ
- 間質性肺炎:咳、息切れ、呼吸困難
- 肝機能障害:倦怠感、食欲不振
- 腸間膜静脈硬化症:山梔子を含む処方の長期服用で腹痛
不調を感じた場合は直ちに服用を中止し、医師に相談してください。
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なぜ専門医による処方が重要なのですか?
更年期の症状は個人差が大きく、同じ症状でも体質により適切な漢方薬は異なります。市販の漢方薬は有効成分が処方薬の約半分に調整されているため、十分な効果を得るには医師による適切な診断と処方が必要です。
- 個人の体質と症状に最適な処方を選択
- 処方薬レベルの有効成分量で確実な効果
- 副作用や相互作用のリスク管理
- 効果の経過観察と処方の調整
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- 時間節約:病院への通院時間が不要
- 医師による適切な診察:問診票だけでなく医師との対話
更年期は人生の大切な転換期です。症状を我慢せず、専門医による適切な漢方治療で快適な毎日を取り戻しましょう。
相談方法 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
市販薬での自己判断 | 手軽だが効果限定的 | ★★☆ |
一般内科での相談 | アクセス良好だが専門性に限界 | ★★★ |
ドクターナウでの専門相談 | 専門性と利便性を両立 | ★★★★★ |
更年期症状でお悩みの方は、まずはドクターナウの専門医にご相談ください。
FAQ
Q1: 漢方薬の効果はどのくらいで実感できますか?
A1: 漢方薬の効果は個人差がありますが、体質に合った処方であれば数日で改善を感じる場合もあります。一般的には2-8週間の継続服用で効果を実感される方が多いです。2週間服用しても効果を感じない場合は、医師に相談して処方の見直しを行うことをおすすめします。
Q2: 加味逍遙散と当帰芍薬散の使い分けは?
A2: 加味逍遙散はイライラや不安、不眠などの精神症状が強い方に適しています。一方、当帰芍薬散は冷えや疲労感、むくみが主な症状で、体力が低下している方に適しています。どちらも更年期に有効ですが、主な症状と体質により使い分けが必要です。
Q3: 漢方薬とホルモン補充療法は併用できますか?
A3: 基本的に併用は可能ですが、必ず医師に相談してください。ホルモン補充療法と漢方薬はそれぞれ異なる作用機序を持つため、相互に補完し合う場合があります。ただし、副作用のリスクや相互作用を避けるため、専門医による適切な管理が必要です。
Q4: 更年期症状に漢方薬が効かない場合はありますか?
A4: 体質に合わない処方を服用している場合や、症状の原因が更年期以外の疾患による場合は効果が期待できません。また、重篤な器質的疾患が隠れている場合もあります。効果を感じない場合は、処方の見直しや他の検査の必要性について医師に相談してください。
Q5: 漢方薬は長期間服用しても安全ですか?
A5: 適切な処方であれば長期服用は可能ですが、定期的な医師のフォローアップが必要です。特に甘草を含む処方では偽アルドステロン症、山梔子を含む処方では腸間膜静脈硬化症のリスクがあるため、定期的な血液検査や症状の確認が重要です。
Q6: 市販の漢方薬と処方薬の違いは?
A6: 市販の漢方薬は安全性を考慮して有効成分量が処方薬の約半分に調整されています。軽い症状には市販薬でも効果が期待できますが、中等度以上の症状には処方薬レベルの成分量が必要な場合があります。また、処方薬では医師による体質判定と最適な処方選択が可能です。
参考文献
- 更年期障害 - Wikipedia
- Menopause | Menopause Symptoms | MedlinePlus
- Menopause-related symptoms: traditional Chinese medicine vs hormone therapy - PubMed
- The treatment of menopausal symptoms by traditional Chinese medicine in Asian countries - PubMed
- Chinese herbal medicine for menopausal symptoms - PubMed
- Hormone therapy for preventing cardiovascular disease in post‐menopausal women - Cochrane Library
- Long‐term hormone therapy for perimenopausal and postmenopausal women - Cochrane Library
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