
更年期うつを放置しないで!原因・症状・改善方法と精神科オンライン相談
45歳を過ぎた女性の更年期うつの原因から症状、改善方法まで専門医が詳しく解説。放置すると危険な更年期うつの対処法と、どこでも気軽に相談できるドクターナウのオンライン精神科相談サービスをご紹介します。
ドクターナウ編集部
2025.08.28
45歳を過ぎてから「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「涙が止まらない」といった症状に悩んでいませんか?それは単なる気分の問題ではなく、
更年期うつの可能性があります。更年期は女性なら誰もが経験する自然な過程ですが、放置すると深刻な状態に発展する危険性もあります。本記事では、更年期うつの原因から症状、改善方法まで詳しく解説し、専門家への相談方法もご紹介します。
女性なら誰もが迎える更年期という人生の節目

更年期とは何か?
更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた約10年間のことを指します。日本人女性の場合、
45~55歳頃がこの時期にあたります。この期間中、卵巣機能の低下により女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、心身にさまざまな変化をもたらします。
更年期に起こる身体と心の変化
身体的変化 | 精神的変化 |
---|---|
ほてり・発汗 | 気分の落ち込み |
動悸・息苦しさ | イライラ・不安感 |
不眠・疲労感 | 無気力・やる気の低下 |
頭痛・肩こり | 集中力の低下 |
月経不順 | 涙もろくなる |
更年期における身体的変化は、主にエストロゲンの急激な減少によって引き起こされます。
ほてりや発汗は最も代表的な症状で、約8割の女性が経験します。これらの症状は日中だけでなく夜間にも現れ、睡眠の質を著しく低下させることがあります。一方、精神的変化は身体症状に遅れて現れることが多く、
気分の落ち込みや無気力感は日常生活に大きな支障をきたします。
重要なのは、これらの変化が「年のせい」ではなく、ホルモンバランスの変化という医学的な原因があることを理解することです。適切な知識を持つことで、症状への不安を軽減し、効果的な対処法を見つけることができます。
更年期は女性の人生において避けて通れない自然な過程です。しかし、この時期に現れる精神的な症状を「年のせい」「気のせい」と片付けてしまうのは危険です。適切な理解と対処により、この時期を健康的に乗り越えることができます。
出典:
日本女性医学学会更年期うつの原因を詳しく解説

ホルモンバランスの急激な変化
更年期うつの主な原因は、
エストロゲンの急激な減少にあります。エストロゲンは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌を促進する働きがあります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分の安定や幸福感に深く関わっています。
ホルモンの変化 | 脳への影響 | 症状 |
---|---|---|
エストロゲン減少 | セロトニン分泌低下 | 抑うつ・不安感 |
FSH・LH上昇 | 自律神経の乱れ | イライラ・焦燥感 |
ホルモン変動 | 睡眠リズム障害 | 不眠・疲労感 |
更年期におけるホルモンの変化は複雑で、
エストロゲンの減少が最も重要な要因となります。エストロゲンは脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの合成を促進するため、その減少は直接的に気分の落ち込みや不安感につながります。
また、下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体化ホルモン)の急激な上昇は、自律神経系に混乱を引き起こし、
イライラや焦燥感の原因となります。さらに、これらのホルモン変動は体内時計を司る視床下部にも影響を与え、睡眠リズムの障害を引き起こします。このような生物学的な変化を理解することで、症状に対する適切な対処法を選択できるようになります。
心理社会的要因の複合的影響
更年期は生物学的変化だけでなく、人生の重要な節目とも重なります。以下のような心理社会的要因も更年期うつの発症に大きく関わります:
- 子どもの独立による空の巣症候群
- 夫婦関係の変化や役割の見直し
- 親の介護による身体的・精神的負担
- 職場での責任増大やキャリアへの不安
- 容姿の変化による自己肯定感の低下
- 将来への不安や健康への心配
これらの要因が重なることで、更年期うつのリスクが高まります。特に完璧主義傾向が強い方や、これまでうつ病の既往歴がある方は注意が必要です。
出典:
MedlinePlus見逃してはいけない更年期うつの代表的症状
精神的症状チェックリスト

以下の症状に3つ以上当てはまる場合は、更年期うつの可能性があります:
- 理由もなく気分が落ち込む
- 物事に興味や楽しみを感じられない
- やる気や意欲が湧いてこない
- ちょっとしたことで涙が出てしまう
- イライラしやすくなった
- 不安感が強く、落ち着かない
- 自分や家族に申し訳ないと感じる
- 集中力が続かない
- 記憶力の低下を感じる
- 人と会うのが億劫になった
身体的症状の特徴
更年期うつの特徴は、精神症状と身体症状が同時に現れることです:
症状分類 | 具体的な症状 | 出現頻度 |
---|---|---|
睡眠障害 | 入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒 | 85% |
自律神経症状 | 動悸・息苦しさ・めまい | 78% |
疼痛症状 | 頭痛・肩こり・腰痛 | 72% |
消化器症状 | 食欲不振・胃もたれ・便秘 | 65% |
疲労症状 | 慢性的な倦怠感・疲れやすさ | 88% |
一般的なうつ病との違い
更年期うつと一般的なうつ病の違いを理解することは、適切な治療を受けるために重要です:
- 身体症状が精神症状より強く現れることが多い
- ホットフラッシュや発汗などの更年期症状を伴う
- 完全にやる気を失うことは少ない(やる気が50-70%程度残る)
- 45-55歳の女性に多い
- 精神症状(気分の落ち込み・絶望感)が主体
- ほぼ完全にやる気を失う状態
- あらゆる年齢で発症する可能性
- 身体症状は二次的
更年期うつの症状は多岐にわたり、個人差も大きいため、「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、専門家に相談することが大切です。
放置は危険!更年期うつの深刻な影響とリスク

日常生活への深刻な影響
更年期うつを放置すると、以下のような深刻な問題が生じる可能性があります:
- 家事や育児への意欲低下
- 夫婦関係の悪化
- 家族とのコミュニケーション減少
- 子どもへの影響(特に思春期の子ども)
- 仕事のパフォーマンス低下
- 職場での人間関係の悪化
- 社会的孤立の進行
- 友人関係の希薄化
身体的健康への長期的リスク
リスク分類 | 具体的な影響 | 発症確率 |
---|---|---|
心血管疾患 | 高血圧・心筋梗塞・脳卒中のリスク増加 | 2.5倍 |
骨粗鬆症 | 骨密度低下・骨折リスク増加 | 3倍 |
認知症 | 認知機能低下・アルツハイマー病リスク | 2倍 |
糖尿病 | インスリン抵抗性・2型糖尿病発症 | 1.8倍 |
がん | 乳がん・子宮がんなどのリスク変動 | 個人差大 |
精神的健康への深刻な影響
更年期うつを放置することで生じる最も深刻なリスクは、
重度のうつ病への進行です:
- 自殺念慮:更年期女性の自殺率は他の年代より高い
- 社会復帰困難:長期間の治療が必要になる可能性
- 薬物依存:不適切なセルフメディケーションによるリスク
- 家族関係の破綻:離婚や家庭崩壊に至るケース
更年期うつは決して「一時的なもの」「我慢すれば治るもの」ではありません。早期の適切な対処により、これらのリスクを大幅に軽減できます。
出典:
PubMed今日からできる!更年期うつの改善方法と対処法
生活習慣の改善による基本対策
- イソフラボンを含む大豆製品を積極的に摂取
- オメガ3脂肪酸(魚類・ナッツ類)で脳の健康をサポート
- ビタミンDとカルシウムで骨の健康を維持
- 複合炭水化物でセロトニンの材料となるトリプトファンを確保
栄養素 | 効果 | 推奨食品 |
---|---|---|
イソフラボン | エストロゲン様作用 | 大豆・豆腐・納豆 |
オメガ3脂肪酸 | 抗炎症・脳機能改善 | サーモン・くるみ |
ビタミンB群 | 神経伝達物質合成 | 玄米・レバー・卵 |
マグネシウム | ストレス軽減・睡眠改善 | 海藻・ナッツ・バナナ |
研究によると、中強度の有酸素運動が更年期うつの改善に効果的です:
- ウォーキング:1日30分、週5日
- 水中歩行:関節に負担をかけずに運動
- ヨガ:ストレス軽減とホルモンバランス改善
- ストレッチ:筋肉の緊張緩和と血流改善
- 就寝・起床時間を一定にする
- 寝室を涼しく、暗く、静かに保つ
- カフェイン摂取は午後2時まで
- 就寝前2時間の電子機器使用を控える
ストレス管理とメンタルケア
- 深呼吸法:4-7-8呼吸法で副交感神経を活性化
- 瞑想:マインドフルネス瞑想で現在に集中
- アロマテラピー:ラベンダーやカモミールでリラックス
- 入浴法:38-40℃のぬるめのお湯で15分間
- 思考の記録:ネガティブな思考パターンを客観視
- 活動記録:楽しめる活動を意識的に増やす
- 感謝日記:1日3つの良いことを記録
- 目標設定:小さな達成可能な目標から始める
サポートシステムの構築
- 更年期について家族に説明し理解を求める
- 定期的な友人との交流を維持
- 同世代女性とのコミュニティ参加
- 必要時には家事や育児のサポートを依頼
- 更年期カウンセリングの受講
- 更年期サポートグループへの参加
- 婦人科・心療内科での定期的なフォローアップ
これらの改善方法は、軽度から中等度の更年期うつに効果的です。しかし、症状が重い場合や改善が見られない場合は、必ず専門家に相談してください。
出典:
Cochrane Library一人で悩まないで!専門家相談の重要性

更年期うつはなぜ専門家への相談が必要なのか
更年期うつは、単なる「気分の問題」ではありません。ホルモンバランスの変化という生物学的要因が関わる医学的な状態です。以下の理由から、専門家への相談が不可欠です:
- 鑑別診断:甲状腺疾患、糖尿病、心疾患などの除外
- 重症度評価:適切な治療方針の決定
- 併存疾患の確認:うつ病、不安障害などの合併評価
- 治療効果の監視:定期的な症状改善度の測定
専門家との連携により、個人に最適な治療プランを作成し、更年期を健康的に乗り越えることができます。
どこでも簡単!ドクターナウオンライン精神科相談のメリット

オンライン精神科相談が選ばれる理由
現代の忙しい女性にとって、
オンライン精神科相談は更年期うつ治療の新しい選択肢となっています。特に
ドクターナウのようなオンライン診療サービスは、以下のような利点があります:
- 年中無休対応:夜間や休日でも相談可能
- 場所を選ばない:自宅、職場、外出先からでも利用
- 交通費不要:通院にかかるコストと時間を節約
ドクターナウオンライン精神科相談の特徴
特徴 | 詳細 | メリット |
---|---|---|
専門医による診療 | 精神科・心療内科専門医が対応 | 質の高い医療サービス |
プライバシー保護 | 匿名性の確保とセキュアな通信 | 安心して相談できる環境 |
継続的なフォロー | 定期的な症状確認と治療調整 | 長期的な治療関係の構築 |
薬剤配送サービス | 処方薬の自宅配送 | 薬局に行く手間を省略 |
カウンセリング機能 | 臨床心理士によるオンライン面談 | 薬物療法と心理療法の併用 |
ドクターナウのオンライン精神科相談により、更年期うつで悩む女性が、時間や場所の制約なく専門的な医療サポートを受けることができます。まずは気軽に相談してみることから始めることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1: 更年期うつは何歳頃から始まりますか?
更年期うつは一般的に
45-55歳頃に最も多く見られますが、個人差があります。早い人では40歳前後から症状が現れることもあり、遅い人では60歳頃まで続く場合があります。重要なのは年齢よりも、月経周期の変化やエストロゲンレベルの低下と関連していることです。
Q2: 更年期うつと一般的なうつ病の見分け方は?
主な違いは以下の通りです:
- 更年期うつ:身体症状(ホットフラッシュ、発汗、動悸など)を伴い、完全にやる気を失うことは少ない
- 一般的なうつ病:精神症状が主体で、ほぼ完全に意欲を失う状態 ただし、専門医による正確な診断が必要です。
Q3: 更年期うつの症状はどのくらい続きますか?
個人差がありますが、適切な治療を行わない場合は
数年間続くことがあります。一方、早期に適切な治療を開始すれば、
3-6ヶ月で症状の大幅な改善が期待できます。放置せず、早めに専門家に相談することが重要です。
Q4: ホルモン補充療法は安全ですか?
ホルモン補充療法(HRT)は、適切な医師の管理の下で使用すれば安全で効果的な治療法です。ただし、乳がんの既往歴、血栓症のリスク、肝機能障害などがある場合は慎重な判断が必要です。必ず専門医と相談して、個人のリスクとベネフィットを評価してください。
Q5: オンライン診療でも処方薬はもらえますか?
はい、オンライン診療でも処方薬の処方は可能です。ドクターナウなどのオンライン診療サービスでは、医師が診察後に処方箋を発行し、薬剤を自宅まで配送してくれるサービスがあります。ただし、初回は対面診療が推奨される場合もあります。
Q6: 家族に更年期うつであることを伝えるべきですか?
家族の理解とサポートは回復にとって非常に重要
です。更年期うつは病気であり、決して本人の「甘え」や「性格の問題」ではありません。家族に現状を説明し、治療に協力してもらうことで、より早い回復が期待できます。必要に応じて、家族も一緒に医師の説明を聞くことをお勧めします。
参考文献
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。 * コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。
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