花粉症で口の中が痒い！口腔アレルギー症候群とは

花粉症のシーズンに、特定の果物や野菜を食べた直後に口の中がイガイガしたり、痒くなったりした経験はありませんか？ 「もしかして、この食べ物が体に合わないのかな？」と不安になる方も多いでしょう。 実はそれ、花粉症と深く関係している「口腔アレルギー症候群（OAS）」の可能性があります。 この記事では、花粉症の人が注意すべき食べ物や、口腔アレルギー症候群の原因と対策について詳しく解説します。

特定の果物や野菜を食べた時に口の中や喉が痒くなる症状は、

の可能性が高いです。 これは、花粉症の原因となる花粉のアレルゲンと、果物や野菜に含まれるアレルゲンの構造が似ているために起こる「交差反応」によるものです。 花粉症を持つ人の一定数に合併する症状で、決して珍しいことではありません。

口腔アレルギー症候群は、ご自身がどの花粉のアレルギーを持っているかによって、反応しやすい食べ物が異なります。 代表的な花粉と、注意が必要な食べ物の組み合わせを理解しておきましょう。

日本の花粉症で最も多いスギやヒノキの花粉症の方は、トマトに対して反応が出ることがあります。 ただし、スギ花粉症の人のOAS発症率は、他の花粉症に比べると比較的低いと言われています。

北海道や寒冷地に多いシラカンバやハンノキの花粉症の方は、バラ科の果物や豆乳などに反応しやすい傾向があります。 特にリンゴやモモを食べて口が痒くなるケースが多く報告されています。

初夏から秋にかけて飛散するイネ科やブタクサ、ヨモギなどの雑草花粉のアレルギーをお持ちの方は、ウリ科の果物（メロン、スイカ）やセロリなどに注意が必要です。

上記の表は、代表的な組み合わせの例です。すべての人に症状が出るわけではありませんが、食べた時に違和感を感じたら注意しましょう。

多くの場合、食後15分以内に症状が現れ、しばらくすると自然に治まります。 これは、原因となるアレルゲンが消化酵素によって分解されやすいためです。

口腔アレルギー症候群の原因となる果物や野菜のアレルゲンは、

という特徴があります。 そのため、生で食べると痒くなるものでも、加熱調理（ジャム、コンポート、焼き菓子、スープなど）をすれば症状が出ずに食べられることが多いです。 例えば、生のリンゴで痒くなる場合はアップルパイや焼きリンゴに、生の野菜で痒くなる場合はスープや煮物にすることで、症状を抑えられる可能性があります。 ※ただし、耐熱性のあるアレルゲンもあるため、症状がひどい場合は摂取を控えるのが無難です。

特定の食べ物を食べて毎回口の中が痒くなる場合は、無理に食べずに摂取を控えることが基本の対策です。 体調が悪い時や花粉の飛散が多い時期は、普段よりも症状が出やすくなることがあるため、特に注意してください。

口腔アレルギー症候群は、基本的には口の中だけの軽い症状で済むことが多いですが、稀に全身に症状が広がり、重篤な状態になることがあります。

特に「豆乳」などは、加工されていても重いアレルギー症状を引き起こすリスクがあるため、シラカンバ花粉症の方は注意が必要です。 また、普段は大丈夫でも、大量に摂取したり、運動直後に摂取したりすると症状が重くなることがあります。

花粉症の方が特定の果物や野菜で口が痒くなるのは「口腔アレルギー症候群」の可能性が高いです。 原因となる食べ物を把握し、

といった工夫で症状を防ぐことができます。 もし食べた後に強いアレルギー症状が出た場合は、すぐに医療機関に相談してください。

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