花粉症で熱が出ることはある?微熱の対処法
2025.12.05
花粉症のシーズン真っ只中、"くしゃみや鼻水がひどいだけでなく、なんだか体も熱っぽい…"と感じたことはありませんか? "もしかして風邪を引いたのかな?それともこれも花粉症のせい?"と不安になり、体温計を手に取る方も多いでしょう。 実は、花粉症が原因で熱が出ることは珍しくありませんが、その熱には特徴があります。 この記事では、花粉症で熱が出るメカニズムや、風邪や他の病気との見分け方、そしてつらい微熱やほてりを和らげるための効果的な対処法について、医学的な観点から詳しく解説します。
[核心回答] 花粉症で「微熱」は出るが「高熱」は稀
結論から申し上げますと、
花粉症(アレルギー性鼻炎)が原因で37度前後の「微熱」が出ることはありますが、38度を超えるような「高熱」が出ることは非常に稀です。
花粉症による熱っぽさは、ウイルスや細菌と戦うための発熱とは異なり、アレルギー反応による炎症や、鼻詰まりによる頭のぼーっとした感じ(頭重感)、あるいは自律神経の乱れからくる「ほてり」であることが多いです。 もし38度以上の熱がある場合は、花粉症ではなく、風邪、インフルエンザ、あるいは「副鼻腔炎(蓄膿症)」などの合併症を起こしている可能性が高いため、医療機関での受診が必要です。
なぜ花粉症で「熱」や「ほてり」が出るのか?
花粉という「異物」に対して体が過剰に反応してしまうのが花粉症ですが、なぜそれが「熱」につながるのでしょうか。主な原因は以下の3つが考えられます。
1. アレルギー炎症反応による影響
花粉が体内に侵入すると、免疫システムが働き、排除しようとして「炎症」を起こします。
- 局所的な炎症: 鼻の粘膜で激しい炎症が起こると、その熱感が周囲に伝わり、顔全体が熱く感じることがあります。
- 脳への信号: 激しい鼻炎症状が続くと、炎症物質(サイトカインなど)が血流に乗って脳の体温調節中枢に「体が戦っている」という信号を送り、体温をわずかに上昇させることがあります。
2. 自律神経の乱れ
花粉症の症状(くしゃみ、鼻水、鼻詰まり)が続くと、体には大きなストレスがかかります。
- 交感神経の優位: 常に緊張状態になることで交感神経が優位になり、血管が収縮したり拡張したりする調整がうまくいかず、体温調節機能が乱れて微熱が出ることがあります。
- 睡眠不足: 鼻詰まりで熟睡できない日が続くと、体力が低下し、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
3. 脳の酸素不足(鼻詰まり)
鼻詰まりによって十分な呼吸ができなくなると、脳への酸素供給量がわずかに低下したり、口呼吸になることで喉の乾燥や炎症を招いたりします。 これらが複合的に重なり、頭がボーッとして熱っぽく感じる原因となります。
花粉症・風邪・新型コロナ・インフルエンザの違い【比較表】
発熱や鼻水などの症状は似ていますが、それぞれの特徴を知ることで見分けることができます。
| 特徴 | 花粉症 | 風邪 | 新型コロナ / インフルエンザ |
|---|---|---|---|
| 発熱 | 微熱(37度前後) やほてり程度。 | ||
| 高熱は稀。 | 37〜38度程度の熱が出ることが多い。 | 38度以上の高熱が急激に出ることが多い。 | |
| 鼻水 | 透明でサラサラ。 | ||
| 水のように止まらない。 | 初期は透明だが、次第に黄色く粘り気が出る。 | 鼻水よりも他の症状が目立つことが多い。 | |
| くしゃみ | 連続して何度も出る。 | 単発で出ることが多い。 | あまり特徴的ではない。 |
| 目の症状 | 強いかゆみ、充血、涙。 | ほとんどない。 | 目の痛み(眼痛)や結膜炎を伴うことがある。 |
| 喉の痛み | かゆみやイガイガ感。 | ||
| 乾燥による痛み。 | 飲み込むと痛い(炎症)。 | 激しい痛みや違和感。 | |
| 全身症状 | 重だるさ、集中力低下。 | だるさ、関節痛(軽度)。 | 強い倦怠感、激しい関節痛・筋肉痛。 |
花粉症の特徴は「目のかゆみ」と「透明な鼻水」です。一方、高熱や強い関節痛がある場合はウイルス感染症の疑いが強いため、無理に様子を見ずに医療機関に相談してください。また、花粉症シーズンに風邪を併発しているケースも少なくありません。
花粉症による微熱・ほてりの効果的な対処法
「熱っぽいけれど、高熱ではないから病院に行くほどでも…」という場合、自宅でできるケアで症状を楽にすることができます。
1. 頭や首筋を冷やす(クーリング)
炎症によってのぼせている場合は、物理的に冷やすのが効果的です。
- 冷却シート: おでこに貼ることでひんやりとした感覚が得られ、不快感を軽減できます。
- 保冷剤: 首の後ろや脇の下など、太い血管が通っている場所をタオルで巻いた保冷剤で冷やすと、効率よく体温を下げることができます。
2. 十分な水分補給
微熱がある時や、口呼吸になりがちな時は、体内の水分が奪われやすくなっています。
- 常温の水や白湯: 冷たすぎる飲み物は胃腸を刺激して自律神経を乱す可能性があるため、常温がおすすめです。
- カフェインレス: カフェインは利尿作用があるため、麦茶やルイボスティーなどが適しています。
3. 花粉症の薬(抗ヒスタミン薬)を飲む
微熱の原因がアレルギー炎症である場合、その元となる炎症を抑えることが最優先です。
- 抗ヒスタミン薬: アレルギー反応を抑えることで、鼻粘膜の炎症が鎮まり、結果的に熱感やほてりも解消されることが期待できます。
- 注意: 市販の風邪薬を自己判断で併用するのは避けましょう。成分が重複したり、副作用が強くなったりする恐れがあります。
4. 静かな環境でリラックスする
自律神経の興奮を鎮めるために、心身を休める時間を意識的に作りましょう。
- 入浴: ぬるめのお湯(38〜40度)にゆっくり浸かると、副交感神経が優位になりリラックスできます。(高熱がある場合は避けてください)
- 睡眠: 枕を高くして鼻詰まりを防ぐなど、質の良い睡眠をとる工夫をしましょう。
要注意!すぐに受診すべき危険なサイン
"たかが花粉症の熱"と油断していると、思わぬ病気が進行していることがあります。以下の症状がある場合は、早急に医師の診察を受けてください。
1. 38度以上の高熱がある
前述の通り、花粉症だけで高熱が出ることはまずありません。インフルエンザや新型コロナウイルス、あるいは細菌感染症の可能性があります。
2. 鼻水が黄色や緑色で、顔が痛い
これは
"副鼻腔炎(蓄膿症)"の典型的な症状です。
- 急性副鼻腔炎: 花粉症で鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔という空洞に膿が溜まってしまう病気です。
- 症状: 頬や目の奥の痛み、頭痛、そして発熱を伴うことがあります。抗生物質による治療が必要になることがあります。
3. 喉の痛みが激しく、咳が止まらない
花粉症による喉のイガイガを超えて、唾を飲み込むのも痛い場合や、激しい咳が出る場合は、扁桃炎や気管支炎を起こしている可能性があります。
まとめ
花粉症のシーズンに感じる熱っぽさは、多くの場合はアレルギー反応や自律神経の乱れによる「微熱」や「ほてり」です。 過度に心配する必要はありませんが、辛い症状を我慢し続けると体力を消耗してしまいます。
- 微熱(37度前後)なら: まずは花粉症の治療(抗ヒスタミン薬など)をしっかり行い、体を冷やして休める。
- 高熱(38度以上)なら: 花粉症以外の感染症や副鼻腔炎を疑い、すぐに受診する。
- 鼻水の色をチェック: 透明なら花粉症、黄色・緑色なら副鼻腔炎や風邪のサイン。
自分の症状を正しく見極め、適切なケアで花粉シーズンを乗り切りましょう。
どこでも花粉症薬を受け取る方法
いつでもどこでも
オンライン診療アプリドクターナウでオンライン診療を通じて花粉症薬を希望の場所に配送してもらえます。
オンライン診療をおすすめする方
- 花粉症薬が必要な方
- すぐに病院に行くのが難しい方
- 体調が悪くて病院に行けない方
- 服用中の薬を再度受け取りたい方
- 病院に頻繁に通う方
オンライン診療が可能な疾患
風邪、鼻炎、花粉症、腹痛、内科、眼科、皮膚疾患、精神疾患、慢性疾患など、さまざまな症状に対してオンライン診療を受け、薬を配送してもらうことができます。
ドクターナウでオンライン診療を受ける方法
- ドクターナウアプリをダウンロード
- 会員登録をしてください
- 診療を希望する症状を選択してください
- ご希望の医師・時間を選択してください
- 診療申込後、時間になったらオンライン診療を受けてください
出典
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません
- ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。
- アレルギー性鼻炎(花粉症) - MedlinePlus (https://medlineplus.gov/)
- アレルギー性鼻炎 - Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/)
風邪や目の乾きなど、自宅でお薬を受け取れる