
話題のPDRNとは?皮膚科も注目の再生成分の実力を徹底解説
韓国発の美容成分PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)の効果を皮膚科医監修で解説。ニキビ跡・毛穴・アンチエイジングに効く作用メカニズム、トラネキサム酸・ハイドロキノンとの比較、正しい使用法まで完全ガイド。
ドクターナウ編集部
2025.07.31
最近、美容業界で大きな注目を集めているPDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)をご存知ですか?韓国発の革新的な美容成分として話題となり、今では日本の皮膚科クリニックでも積極的に使用されています。ニキビ跡や毛穴の改善、そしてアンチエイジング効果まで期待できるこの成分の秘密を、専門的な視点から詳しく解説いたします。
PDRNが今なぜ注目されているのか?その人気の理由

医療現場から美容業界へと広がった信頼性
PDRNは元々、医療分野で創傷治療薬として開発された成分です。その優れた組織再生能力が認められ、現在では美容医療の分野でも幅広く活用されています。
SNSと美容メディアで拡散された効果実感
多くの美容インフルエンサーや実際の使用者が、PDRNの効果を実感したという声をSNSで発信したことも人気の要因です。特に以下のような効果を実感する声が多く見られます:
- 肌のハリと弾力の向上
- ニキビ跡の目立ちにくさ
- 毛穴の引き締まり
- 肌全体のトーンアップ
PDRNとは?その正体と作用メカニズム
PDRNの基本情報
PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)は、主にサケの精巣から抽出される低分子量のDNA断片です。この成分は人間のDNAと95%近い類似性を持つため、副作用が非常に少なく、安全性の高い美容成分として評価されています。
分子量と浸透性について
特徴 | 詳細 |
---|---|
分子量 | 50〜2000塩基 |
抽出源 | サケ精巣、マス精巣、一部植物由来 |
安全性 | 人体DNA類似率95% |
承認状況 | 韓国・イタリアで医薬品認可 |
副作用 | 極めて少ない |
PDRNの分子量と抽出源に関する情報は、その安全性と効果を理解する上で重要なポイントです。
特に50〜2000塩基という比較的小さな分子構造により、化粧品として使用した際にも一定の浸透性が期待できます。また、
サケ精巣から抽出される理由は、サケのDNAが人間のDNAと構造的に非常に類似しているためで、これが高い安全性の根拠となっています。韓国とイタリアでは医薬品として正式に認可されており、その効果と安全性が公的に認められている点も注目すべきポイントです。
PDRNは比較的小さな分子構造を持つため、化粧品として使用した場合でも角質層への浸透が期待できます。ただし、注射による直接投与と比較すると、その効果は限定的であることを理解しておくことが重要です。
作用メカニズム:アデノシンA2A受容体の活性化
PDRNは体内で分解されると、アデノシンA2A受容体を活性化します。この受容体の活性化により、以下のような効果が期待されます:
- 線維芽細胞の活性化:コラーゲンとエラスチンの生成促進
- 血管新生の促進:肌への栄養供給改善
- 抗炎症作用:肌荒れやニキビの鎮静
- 細胞再生促進:ターンオーバーの正常化
PDRNの美容効果:科学的根拠に基づく実力
ニキビ跡改善効果

PDRNは創傷治癒促進作用により、ニキビ跡の改善に効果を発揮します。特に以下のメカニズムで作用します:
- コラーゲン合成促進:皮膚の不均一性を伴うニキビ跡の修復
- 血流改善:肌への栄養供給増加
- 抗炎症作用:炎症性ニキビの鎮静
毛穴ケア効果
毛穴の目立ちにくさに対しても、PDRNは以下の作用で効果を発揮します:
- 肌のハリ向上:毛穴周りの肌を引き締める
- 皮脂分泌調整:過剰な皮脂による毛穴の詰まりを防ぐ
- ターンオーバー促進:古い角質の蓄積を防ぐ
アンチエイジング効果

PDRNの最も注目すべき効果の一つがアンチエイジング作用です:
効果 | 作用メカニズム | 期待される結果 |
---|---|---|
シワ改善 | コラーゲン・エラスチン生成促進 | 小じわの目立ちにくさ |
たるみ改善 | 線維芽細胞活性化 | 肌のハリ・弾力向上 |
くすみ改善 | 血行促進・ターンオーバー正常化 | 肌トーンの明るさ |
保湿効果 | 角質層水分保持能力向上 | もちもちとした肌質 |
PDRNのアンチエイジング効果は、
単一の作用ではなく複数のメカニズムが連携して働くことで実現されます。まず
線維芽細胞の活性化により、肌の土台となるコラーゲンとエラスチンの生成が促進され、これが肌のハリと弾力の向上に直結します。同時に
血行促進作用により肌細胞への栄養供給が改善され、健康的な肌色と透明感をもたらします。さらに
ターンオーバーの正常化により古い角質が適切に除去され、くすみのない明るい肌色を維持できるようになります。これらの相乗効果により、総合的なエイジングケア効果を実感できるのがPDRNの特徴です。
これらの効果により、PDRNは総合的なエイジングケア成分として高く評価されています。加齢による様々な肌悩みに同時にアプローチできる点が、他の美容成分との大きな違いです。
他成分との比較:トラネキサム酸・ハイドロキノンとの違い
トラネキサム酸との比較
比較項目 | PDRN | トラネキサム酸 |
---|---|---|
主な効果 | 総合的再生・ハリ向上 | メラニン生成抑制・抗炎症 |
作用機序 | 細胞活性化・血管新生 | プラスミン阻害・メラニン抑制 |
対象悩み | ニキビ跡・毛穴・エイジング | シミ・肝斑・炎症 |
安全性 | 極めて高い | 高い |
即効性 | 中程度(2-4週間) | 中程度(4-8週間) |
併用可能性 | 多くの成分と相性良好 | 多くの成分と併用可能 |
PDRNとトラネキサム酸の最大の違いは、
アプローチ方法の根本的な差異にあります。
トラネキサム酸は既にできてしまったメラニン色素に対してアプローチし、シミや肝斑を目立ちにくくすることを主目的としています。一方、
PDRNは肌細胞そのものの再生能力を高めることで、ニキビ跡や毛穴、エイジングサインなど幅広い肌悩みに対応します。そのため、トラネキサム酸が「対症療法的」であるのに対し、PDRNは「根本治療的」なアプローチと言えるでしょう。両者を併用することで、既存のトラブルケアと予防的なケアを同時に行うことが可能になります。
トラネキサム酸は主にメラニン生成を抑制することでシミや肝斑に効果を発揮しますが、PDRNは肌自体の再生能力を高めることで、より根本的な肌質改善を目指します。
ハイドロキノンとの比較
比較項目 | PDRN | ハイドロキノン |
---|---|---|
美白効果 | 間接的(ターンオーバー促進) | 直接的(メラニン還元) |
刺激性 | 非常に低い | 中〜高程度 |
使用制限 | 特になし | 夜間使用推奨 |
長期使用 | 可能 | 注意が必要 |
妊娠中使用 | 要相談 | 避けるべき |
日光感作性 | なし | あり |
ハイドロキノンとPDRNの比較では、
安全性プロファイルに大きな違いがあります。
ハイドロキノンは「肌の漂白剤」と呼ばれる強力な美白効果を持つ一方で、使用方法を誤ると白斑などの副作用リスクがあり、日本では化粧品への配合濃度に制限があります。また、
紫外線により酸化しやすい性質があるため、夜間使用が基本となります。対照的に、
PDRNは刺激性が極めて低く、朝夜問わず使用できる安全性の高さが特徴です。美白効果については、ハイドロキノンが直接的にメラニンを還元するのに対し、PDRNは肌のターンオーバーを促進することで間接的に美白効果をもたらします。長期的な肌質改善を目指す方にはPDRNが、短期間で確実な美白効果を求める方にはハイドロキノンが適していると言えるでしょう。
ハイドロキノンは「肌の漂白剤」と呼ばれるほど強力な美白効果を持ちますが、刺激性があり使用方法に注意が必要です。一方、PDRNは刺激が少なく、長期間安心して使用できる点が大きなメリットです。
併用についての考え方
PDRNは他の美容成分との相性が良く、以下のような組み合わせが効果的です:
- PDRN + ヒアルロン酸:保湿効果の相乗効果
- PDRN + ナイアシンアミド:毛穴とハリケアの強化
- PDRN + ビタミンC誘導体:抗酸化とコラーゲン生成のダブル効果
ハイドロキノンとの併用は、刺激性を考慮して慎重に行う必要がありますが、トラネキサム酸との併用は問題なく、むしろ相乗効果が期待できます。
PDRNの正しい使用法と重要な注意事項

化粧品としての使用方法
基本的な使用手順
- 洗顔後の清潔な肌に使用
- 化粧水で肌を整えた後に塗布
- 適量(2-3滴程度)を手のひらに取る
- 顔全体に優しくパッティングしながら浸透させる
- その後、通常のスキンケアを継続
使用頻度とタイミング
使用時期 | 頻度 | 推奨タイミング |
---|---|---|
初期使用 | 週2-3回 | 夜のスキンケア |
慣れてきたら | 毎日 | 朝晩どちらでも可 |
集中ケア時 | 1日2回 | 朝晩のスキンケア |
PDRNは刺激が少ない成分ですが、初めて使用する際は少量から始めて、肌の反応を確認することが大切です。
重要な注意事項
魚介類アレルギーをお持ちの方への注意
PDRNの多くはサケ由来であるため、以下の点にご注意ください:
- 重度の魚介類アレルギーをお持ちの方は使用前に医師に相談
- パッチテストを必ず実施
- 異常を感じた場合は即座に使用を中止
妊娠中・授乳中の使用について
妊娠中や授乳中の方は、以下の点を考慮してください:
- 安全性データが限定的であるため、使用前に医師に相談
- 肌が敏感になりやすい時期のため、より慎重な使用が必要
- 異常を感じた場合は速やかに使用を中止
保存方法と使用期限
PDRNは比較的安定した成分ですが、適切な保存が重要です:
- 直射日光を避けて保存
- 高温多湿を避ける
- 開封後は3-6ヶ月以内に使用
- 冷蔵保存はより安定性を保てる
効果を最大化するためのコツ
継続使用の重要性
PDRNの効果を実感するためには、
最低2-3ヶ月の継続使用が推奨されます。細胞の再生サイクルを考慮すると、以下のような経過が期待できます:
- 2-4週間:肌の水分量向上
- 4-8週間:ハリ感の改善
- 8-12週間:ニキビ跡や毛穴の目立ちにくさ
生活習慣との組み合わせ
PDRNの効果をより高めるために、以下の生活習慣も重要です:
- 十分な睡眠:成長ホルモンの分泌促進
- バランスの取れた食事:コラーゲン合成に必要な栄養素摂取
- 紫外線対策:既存のダメージ防止
- 適度な運動:血行促進による栄養供給改善
これらの生活習慣とPDRNの使用を組み合わせることで、より効果的な肌質改善が期待できます。また、定期的な皮膚科でのチェックを受けることで、肌の状態を客観的に把握し、最適なケア方法を見つけることができます。
FAQ よくある質問
Q1: PDRNは敏感肌でも使用できますか?
PDRNは人間のDNAと非常に近い構造を持つため、一般的に敏感肌の方でも使用しやすい成分です。ただし、初回使用時は必ずパッチテストを行い、肌の反応を確認してから本格的に使用することをおすすめします。また、魚介類アレルギーをお持ちの方は特に注意が必要です。
Q2: PDRNの効果はどのくらいで実感できますか?
個人差がありますが、多くの方が2-4週間程度で肌の水分量やハリ感の改善を実感されています。ニキビ跡や毛穴の目立ちにくさについては、肌のターンオーバーサイクルを考慮すると8-12週間程度の継続使用が推奨されます。効果を最大化するためには、継続使用が最も重要です。
Q3: 他のスキンケア成分と併用しても大丈夫ですか?
PDRNは多くの美容成分と相性が良く、併用による問題は報告されていません。特にヒアルロン酸、ナイアシンアミド、ビタミンC誘導体などとの組み合わせは相乗効果が期待できます。ただし、ハイドロキノンなど刺激の強い成分との併用は、肌の状態を見ながら慎重に行うことをおすすめします。
Q4: PDRN注射と化粧品の違いは何ですか?
PDRN注射は皮膚の深層部に直接成分を届けることができるため、より高い効果と即効性が期待できます。一方、化粧品は角質層までの浸透に留まりますが、日常的に使用でき、安全性が高いという利点があります。注射は医療行為であり専門医による施術が必要ですが、化粧品は自宅で手軽にケアできます。
Q5: PDRNはどのような肌悩みに効果的ですか?
PDRNは以下のような幅広い肌悩みに効果が期待できます:ニキビ跡の目立ちにくさ、毛穴の引き締まり、小じわやハリ不足、肌のくすみ、乾燥による肌荒れ、全体的な肌質の改善。これは、PDRNが肌の根本的な再生能力を高める作用を持つためです。ただし、効果には個人差があることをご理解ください。
参考文献
- ポリデオキシリボヌクレオチド - Wikipedia
- The effects of polydeoxyribonucleotide on wound healing and tissue regeneration: a systematic review of the literature - PubMed
- Polydeoxyribonucleotides (PDRNs) From Skin to Musculoskeletal Tissue Regeneration via Adenosine A2A Receptor Involvement - PubMed
- Analysis of Skin Regeneration and Barrier-Improvement Efficacy of Polydeoxyribonucleotide Isolated from Panax Ginseng (C.A. Mey.) Adventitious Root - PubMed
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。 * コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。
メディカルスキンケアで話題の方法を解説!