
いま話題のNMNサプリとは?ニコチンアミドモノヌクレオチドの効果・副作用・最新論文を徹底解説
NMNサプリの効果や副作用、成分、最新の研究論文を徹底解説。NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の選び方や安全性について詳しく解説します。
ドクターナウ編集部
2025.07.17
「老化なんて気にしない!」と強がっていても、エネルギーが落ちてきたり、体力の衰えを感じたりすると、やはりアンチエイジングが気になってしまうもの。そんなときに話題に上がるのが**NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)**です。ここでは、NMNの基本情報やアンチエイジング効果、サプリの選び方や副作用に至るまで、NMNの論文を読み解き内容をできるだけわかりやすく解説していきます!
NMNの基本情報と概要

NAD+って何? そしてNMNって何者?
NMNは、ビタミンB3(ナイアシン)の一種であり、体内で重要な分子**NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)**の前駆体として働きます。NAD+は細胞がエネルギーを作り出す「ミトコンドリア」の活動をサポートしたり、DNA修復や抗酸化機能を助けたりする、いわば「元気と若さの源」ともいえる物質です。
ところが、このNAD+は老化とともに減っていくとされ、エネルギーレベルの低下や様々な老化現象につながる可能性が指摘されています。そこで、
NAD+を増やす前駆体であるNMNをサプリとして摂取すれば、体内のNAD+レベルを補ってアンチエイジングにつなげられるのでは?という期待が高まっているのです。
食品から十分に摂取できる?
NMNは自然界にも、ブロッコリーやアボカド、エダマメなどに微量ながら存在することが確認されています。ただし、「健康・若々しさをサポートするには食品から十分な量を得るのは難しい」と考えられ、
サプリメントとして摂取する方法が注目されているのが現状です。
NMNが注目される理由:アンチエイジングと健康寿命

NAD+の減少が老化を招く?
研究によると、NAD+が減少すると以下のような現象が起きる可能性があります。
- エネルギー代謝の低下:疲れやすくなったり、運動パフォーマンスが落ちたりする。
- DNA損傷の増加:細胞の修復力が落ち、老化やがんリスクが高まる恐れ。
- 炎症や神経変性疾患:認知症やアルツハイマー病との関連も指摘される。
NMNを摂取してNAD+を回復させることで、上記の問題を抑え込めるかもしれない、というのが
NMNブームの核なのです。
アンチエイジング効果はどこまで期待できる?
実験的には、マウスを用いた研究で
NAD+レベルを回復させると老化マウスが若返ったという衝撃的なデータが報告されています。具体的には、筋肉や血管機能、代謝が改善し、抗酸化力が高まることで、
- 認知機能の向上:アルツハイマー病モデルマウスで、NMN投与後に神経細胞の損傷が軽減
- 心血管機能の改善:血管の弾力性が戻り、酸化ストレスが減少
といった結果が得られています。これらが
人間でも同様に効果を示すのか、現在進行形の臨床試験でデータが積み上がっている最中です。「老化防止」「健康寿命の延伸」という夢のあるキーワードがちらつくぶん、今後の大規模研究に期待が寄せられています。
NMNの成分と選び方

NMNサプリに含まれる主な成分
NMNサプリの主役はもちろん
NMNそのもの。さらに、吸収をサポートするためにビタミンB群や黒胡椒抽出物(ピペリン)などが加えられている製品もあります。いずれにせよ、
純度が高いNMNをしっかり含有しているかどうかが、製品選びの最大のポイントです。
高品質なNMNサプリの選び方
- 純度:99%以上と謳う製品もありますが、第三者検査の証明があるか確認してみましょう。
- 製造方法:GMP認証やISO規格をクリアした施設で製造されている場合は安心度が高くなります。
- 第三者機関の検査:残留溶剤や重金属検査など、安全面の証拠をチェックすることもポイントです。
- 価格:NMN自体がコストのかかる成分。極端に安い製品はすこし疑った方がいいでしょう。
NMNに副作用はあるの?

安全性についての現状
多くの動物実験や初期ヒト試験では、
500~1000mg/日程度のNMN摂取で深刻な副作用はほとんど報告されていません。ただし、研究人数や期間が限定的であるため、長期的な安全性についてはまだ未知数といえます。
考えられる副作用やリスク
- 軽度の胃腸不快感や頭痛:摂取量が多いと報告されやすい傾向があります。食後に飲む、少量から始めるといった工夫で軽減可能です。
- 相互作用:他のサプリや薬と併用すると、まれに相互作用が起こるかもしれません。特に持病のある方や妊娠中・授乳中の方は必ず専門家に相談をしてから服用しましょう。
NMNサプリを効果的に取り入れるコツ
摂取タイミングや方法
NMNサプリメントは、食前・食後といった指定はなく、**自分の生活習慣や目的に合わせて飲むタイミングを決めることができます。**下記の目安をみて自分のタイミングを見つけてみましょう。時間を決めて摂取すると忘れずに服用することができます。
- 朝食後の摂取がおすすめ:日中のエネルギー代謝をサポートしてくれます。
- 空腹時はより吸収率が上がる:吸収率を高めたい場合は、食間をあけて摂取する方法もあります。とくに朝いちばんに服用することで胃酸に負けず腸で効率よく吸収されるとされています。
- 複合的な生活習慣も大事です:食事(高タンパク・バランス良好)、睡眠(7~8時間)、運動(有酸素&筋トレ)の併用でより効果を発揮しやすくなります。
他のサプリや薬との併用
- 抗酸化系サプリ:ビタミンCやレスベラトロールなどを合わせるケースもありますが、安全面や相性を考慮する必要があります。
- 糖尿病治療薬:インスリン感受性に影響するかもしれないため、医者との相談が必要です。
NMNサプリの効果:最新の研究論文からわかること

代表的な研究事例
- 老化マウス研究(2013年, Cell誌) 高齢マウスにNMNを投与後、NAD+量が約50~60%増加。エネルギー代謝の改善と筋力向上が観察されています。
- 糖尿病モデルマウス(2016年, Nature Communications誌) マウスのインスリン感受性が向上し、血糖コントロールが改善。体重増加が抑えられる結果も得られたと報告されています。
- 初期のヒト臨床試験(2020年~) 250~500mg/日の摂取で疲労感軽減や血中NAD+濃度の上昇が報告されつつあるが、サンプル数が小規模なので、今後さらに研究が進むことが期待されます。
今後の展望
ヒトでの長期的な安全性や、有効性のエビデンスを確立するために、
大規模な臨床試験が進行中。また、他の抗老化物質(レスベラトロール、NRなど)とNMNを比較する研究も増えており、将来的に「最適な組み合わせ」や「推奨摂取量」のガイドラインが提案される可能性が高いと言われています。
Q&A:よくある質問に答えます

Q1. NMNはどのくらいで効果を感じるの?
A. 個人差はありますが、数週間~数ヶ月で「疲れにくくなった」「朝の目覚めが良い」と感じるケースが報告されています。
Q2. 副作用が心配です。本当に安全なの?
A. 現状の研究では
深刻な副作用は少ないとされています。ただし長期データは不足しており、大容量・長期摂取には注意が必要です。
Q3. 他のサプリや薬との相性は?
A. NMN単独での相互作用はまだ研究途中です。糖尿病薬や抗酸化系サプリとの併用を考えるなら、医師や専門家に相談しましょう。
まとめ
サプリを選ぶ際は、
純度・製造方法・第三者検査・価格を意識し、自分に合う高品質な製品をチョイスしましょう。飲むタイミングは朝食後が一般的で、他のサプリや薬との組み合わせは慎重に検討すべきです。過度な期待は禁物ですが、エビデンスは着実に蓄積されつつあり、「老化防止」や「元気を保つ」ための有力候補としての地位を確立しつつあるのも事実。興味がある方は、まずは専門家に相談のうえ、生活習慣の見直しとあわせてNMNサプリを取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考資料 / 参考論文
- Nicotinamide_mononucleotide_wikipedia
- Recent research into nicotinamide mononucleotide and ageing
- Nicotinamide mononucleotide (NMN) as an anti-aging health product – Promises and safety concerns Author links open overlay panel Harshani Nadeeshani, Jinyao Li, Tianlei Ying, Baohong Zhang, Jun Lu
- Nicotinamide Mononucleotide: Exploration of Diverse Therapeutic Applications of a Potential Molecule Saikat Kumar Poddar, Ali Ehsan Sifat, Sanjana Haque, Noor Ahmed Nahid, Sabiha Chowdhury, Imtias Mehedi
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