
レチノールとどう違う?ハイドロキノンを選ぶ前に知っておきたいポイント
ハイドロキノンとレチノールの違いを徹底解説!色素沈着やニキビ跡、シミの改善に効果的なクリームの選び方や使用経過、副作用について詳しく解説します。
ドクターナウ編集部
2025.07.17
シミやニキビ跡、色素沈着が気になる方にとって、ハイドロキノンやレチノールは心強いスキンケア成分です。でも、それぞれの特徴や使い方、副作用まできちんと理解して使っている人は、実はそれほど多くないかもしれません。この記事では、ハイドロキノンの基本から、レチノールやトレチノインとの違い、使い始める前に知っておきたい準備や注意点まで、分かりやすくご紹介します。
ハイドロキノンとは?

ハイドロキノンは、シミや色素沈着の治療に広く使われている美白成分です。メラニンの生成を抑える働きがあり、肌のトーンを整えたり、気になるシミや跡を目立ちにくくしてくれます。
濃度による効果とリスクの違い
ハイドロキノンは、配合されている濃度によって効果の出方や肌への刺激が大きく変わります。
- 2%以下(低濃度):市販されている製品に多く、比較的刺激が少なく、敏感肌の人や初心者にも使いやすいのが特徴です。ただし、効果は穏やかで、改善には時間がかかることもあります。
- 4%前後(中濃度):皮膚科などで処方されることが多い濃度です。シミや色素沈着に対してしっかりとした効果が期待できますが、その分、赤みや乾燥といった副作用も出やすくなります。医師の指導のもとで使用するのが安心です。
- 5%以上(高濃度):アメリカなど一部の国で処方されることがあるものの、日本ではほとんど使用されていません。副作用リスクが非常に高く、肌のバリア機能を損なう可能性があるため、長期間の使用は推奨されていません。
自分の肌の状態や目的に合わせて、適切な濃度を選ぶことが大切です。特に高濃度の製品は、自己判断で使うのは避けましょう。
レチノールやトレチノインとの違い
ハイドロキノンとレチノール、トレチノインは、似たような悩みに使われることが多いですが、肌への働き方はまったく違います。
項目 | ハイドロキノン | レチノール | トレチノイン |
---|---|---|---|
主な作用 | メラニン生成を抑えて、シミ・色素沈着を改善 | 肌のターンオーバーを促進し、くすみやシミを改善 | レチノールよりも強力にターンオーバーを促進 |
働き方の特徴 | チロシナーゼという酵素を阻害し、メラニン生成をブロック | 古い角質を除去して肌の再生をサポート | 肌の深い部分にまで作用し、新しい細胞の生成を促す |
使用目的 | シミ・色素沈着の集中ケア | くすみ、毛穴、小じわなどのアンチエイジング全般に | シミ、ニキビ跡、しわなどの本格的な治療目的 |
刺激の強さ | やや強め(濃度による) | 比較的マイルド(初心者向け) | 非常に強力(医師の管理下で使用するのが一般的) |
市販での入手 | 低濃度なら可 | 多くの製品が市販で入手可能 | 基本的に処方薬のみ(医療機関での取り扱い) |
併用について | レチノールやトレチノインと併用可能 | ハイドロキノンと併用することで美白効果アップ | ハイドロキノンと併用する場合は医師の指導が必要 |
ハイドロキノン使用前の肌準備

ハイドロキノンを使用する前には、以下の準備が必要です。
肌の状態を整える
まず、肌を清潔に保ち、十分に保湿を行うことが重要です。乾燥した肌にハイドロキノンを使用すると、刺激が強く感じられることがあります。
パッチテストの実施
ハイドロキノンは刺激が強いため、使用前に必ずパッチテストを行いましょう。腕の内側など目立たない部分に少量を塗布し、24時間後に赤みやかゆみが出ないか確認してください。
日焼け止めの使用
ハイドロキノンは紫外線に敏感になるため、日中は必ずSPF30以上の日焼け止めを使用してください。
使用NGなケースと注意が必要な肌タイプ

ハイドロキノンは高い美白効果を持つ一方で、すべての肌に適しているわけではありません。使用を避けるべきケースや、注意が必要な肌タイプについて、事前に確認しておくことが大切です。
使用を避けるべきケース
- 妊娠中・授乳中の方
ハイドロキノンの安全性は妊娠・授乳中の女性に対して十分に確認されていないため、基本的に使用は避けるべきです。万が一使用を検討する場合は、必ず医師に相談してください。
- レーザー治療やピーリング直後の肌
これらの施術後は肌が敏感になっており、ハイドロキノンの刺激によって炎症や色素沈着が悪化する可能性があります。使用再開のタイミングについては、施術を受けたクリニックでの確認が必要です。
注意が必要な肌タイプ
- アトピー性皮膚炎の方や極度に敏感肌の方
赤みやかゆみなどの刺激症状が出やすいため、まずはごく少量をパッチテストで試し、肌に合うかどうか慎重に判断しましょう。医師の指導を受けながら使用するのが理想です。
- 乾燥肌の方
ハイドロキノンは乾燥を悪化させることがあるため、保湿ケアを徹底しながら使用することが重要です。はじめは週2〜3回程度の使用からスタートし、徐々に頻度を調整していくと安心です。
症例別のおすすめ使用法

ニキビ跡への使用
ニキビ跡の色素沈着には、ハイドロキノンを夜間に薄く塗布するのが効果的です。レチノールと併用することで、肌のターンオーバーを促進し、より早い改善が期待できます。
シミや色素沈着へのアプローチ
シミや色素沈着には、ハイドロキノンを直接シミ部分に塗布します。医師の指導のもと、濃度4%の製品を使用することで、短期間での効果が期待できます。
敏感肌や乾燥肌の場合の注意点
敏感肌や乾燥肌の方は、低濃度のハイドロキノンを選び、週に2〜3回の頻度から始めることをおすすめします。肌に合えば、少しずつ回数を増やしていきましょう。
実際の使用経過と変化
ハイドロキノンはすぐに劇的な変化が出るわけではありませんが、続けることで少しずつ効果を感じられるようになります。
- 1〜2週間目: 肌が少し明るくなる
- 3〜4週間目: シミや色素沈着が薄くなる
- 2〜3ヶ月目: 肌全体のトーンが均一になる
※効果の出方には個人差があります。
副作用とリスクについて

ハイドロキノンの使用には、以下の副作用やリスクが伴うことがあります。
主な副作用
- 赤みや炎症: 使用初期に見られることが多い
- 乾燥やかゆみ: 保湿ケアで軽減可能
- 色素脱失: 過剰使用によるリスク
安全に使用するためのポイント
- 医師の指導のもとで使用する
- 指定された濃度を守る
- 長期間の連続使用を避ける
まとめ:ハイドロキノンを使う前に考えるべきこと
ハイドロキノンは、色素沈着やシミの改善に非常に効果的な成分ですが、使用には注意が必要です。使用前には、肌の状態を整え、パッチテストを行いましょう。また、レチノールやトレチノインとの違いを理解し、自分の肌に合った治療法を選ぶことが重要です。自分の肌に合った成分を見極め、必要であれば専門家にも相談しながら、無理のない美白ケアを始めてみてくださいね。
参考資料
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