
毎日食べている「これ」、ニキビの原因かも?ニキビを改善・悪化させる食べ物とは
ニキビが治らない原因は毎日の食事かも?ニキビを悪化させる食べ物と改善する食べ物を詳しく解説。食事改善で効果がない場合の治療薬イソトレチノインについても紹介します。医師監修の信頼できる情報でニキビ改善を目指す。
ドクターナウ編集部
2025.07.31
ニキビが治らないとお悩みの方、実は毎日の食事が原因かもしれません。スキンケアを頑張っても効果が感じられない場合、体の内側からのケアを見直すことが重要です。この記事では、ニキビと食べ物の関係について詳しく解説し、食事改善で効果が得られない場合の治療選択肢として注目されている「イソトレチノイン」についてもご紹介します。
ニキビが生じる原因は?

ニキビができるメカニズムを知りましょう
ニキビ(尋常性ざ瘡)は、以下の4つの要因が複合的に作用して発生します。
原因 | 詳細 |
---|---|
皮脂の過剰分泌 | ホルモンバランスの影響で皮脂腺が活発になります |
毛穴の詰まり | 古い角質と皮脂が混ざり合って毛穴を塞ぎます |
アクネ菌の増殖 | 毛穴内で嫌気性菌のアクネ菌が繁殖します |
炎症反応 | アクネ菌に対する免疫反応により炎症が起こります |
ニキビの発生メカニズムは複雑で相互に関連しています。
皮脂の過剰分泌は主に思春期のホルモンバランスの変化によって引き起こされ、特にアンドロゲン(男性ホルモン)の影響で皮脂腺が大きくなり活発に働きます。
毛穴の詰まりは、増加した皮脂と肌表面の古い角質が混ざり合ってできる角栓が原因となります。この詰まった毛穴の中は酸素のない環境となり、
アクネ菌にとって最適な繁殖場所となります。そして菌が増殖すると、体の免疫システムが反応して
炎症を起こし、赤く腫れたニキビができあがります。これらの過程は食事によって影響を受けるため、適切な栄養管理がニキビ改善の鍵となります。
ニキビの発生には複数の要因が関与しており、食事はこれらの要因に直接的・間接的に影響を与えることが最新の研究で明らかになっています。特に皮脂の分泌量や炎症反応は、摂取する栄養素によって大きく左右されるため、食生活の見直しがニキビ改善の重要な鍵となります。
ニキビを悪化させる食べ物

避けるべき食品リスト
以下の食品は皮脂分泌を促進し、ニキビを悪化させる可能性があります。
高血糖指数(GI)食品
- 白米
- 白パン
- 砂糖菓子
- ケーキ・クッキー類
- 清涼飲料水
高血糖指数食品は血糖値を急激に上昇させるため、インスリンの大量分泌を引き起こします。このインスリンは皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌量を増加させる作用があります。また、インスリンは間接的に男性ホルモンの活性化にも関与するため、ニキビの発生・悪化につながりやすくなります。白米を玄米に変える、白パンを全粒粉パンに変えるなど、低GI食品への置き換えが効果的です。
乳製品
- 牛乳(特に脱脂乳)
- チーズ
- アイスクリーム
- ヨーグルト
乳製品には天然の成長ホルモンやインスリン様成長因子(IGF-1)が含まれており、これらが皮脂腺に直接作用してニキビを悪化させる可能性があります。特に脱脂乳は、脂肪分を除去する過程でホルモン様物質の濃度が高くなることが知られています。完全に避ける必要はありませんが、摂取量を控えめにし、植物性ミルクなどの代替品を検討することをお勧めします。
高脂質食品
- 揚げ物全般
- ファストフード
- スナック菓子
- マーガリン・バター
高脂質食品は皮脂の原料となる脂質を大量に供給し、皮脂腺の活動を活発化させます。特にトランス脂肪酸や飽和脂肪酸を多く含む食品は、炎症反応を促進する作用もあるため、ニキビの悪化につながりやすくなります。調理方法を工夫し、揚げ物から蒸し物や焼き物に変えることで、脂質の摂取量を大幅に減らすことができます。
その他の注意食品
- チョコレート(高糖質のもの)
- アルコール類
- 辛い食べ物
- カフェイン過多の飲み物
これらの食品は直接的ではありませんが、間接的にニキビの悪化に関与します。アルコールは肝機能に負担をかけ、体内の解毒作用を低下させます。辛い食べ物は血管を拡張させ、炎症を促進する可能性があります。カフェインは適量であれば問題ありませんが、過剰摂取は睡眠の質を低下させ、ホルモンバランスの乱れにつながります。
これらの食品が直接的にニキビを引き起こすわけではありませんが、過剰摂取により皮脂分泌が増加し、炎症反応を促進する可能性があります。血糖値の急激な上昇はインスリンの分泌を促し、それに伴って男性ホルモンの分泌も増加するため、皮脂腺が刺激されてニキビができやすい状態になります。また、乳製品に含まれる成長因子やホルモン様物質も皮脂分泌に影響を与えることが研究で示されています。
ニキビを改善する食べ物

積極的に摂取したい栄養素と食品
ビタミンB群が豊富な食品
- ビタミンB2: レバー、うなぎ、納豆、牛乳
- ビタミンB6: マグロ、カツオ、バナナ、玄米
- 効果: 皮脂の代謝を促進し、肌のターンオーバーを正常化します
は「美肌ビタミン」とも呼ばれ、皮膚の健康維持に欠かせない栄養素です。
ビタミンB2は脂質の代謝に直接関与し、皮脂の過剰分泌を抑制します。また、細胞の再生を促進し、傷ついた肌組織の修復をサポートします。
ビタミンB6はホルモンバランスの調整に重要な役割を果たし、特に女性の生理前のニキビ悪化を予防する効果が期待できます。これらのビタミンは水溶性で体内に蓄積されないため、毎日継続的に摂取することが重要です。
ビタミンCが豊富な食品
- ブロッコリー
- ピーマン
- キウイフルーツ
- いちご
- レモン
は強力な抗酸化作用により、ニキビによる炎症を抑制し、活性酸素のダメージから肌を守ります。
コラーゲンの合成にも関与するため、ニキビ跡の改善や肌のハリの維持にも効果的です。さらに、メラニンの生成を抑制する働きもあるため、ニキビ跡の色素沈着を防ぐことができます。ビタミンCは熱に弱いため、生で食べられる果物や、短時間の調理で摂取することをお勧めします。
ビタミンEが豊富な食品
- アーモンドなどのナッツ類
- 緑黄色野菜
- うなぎ
- はまち
は「若返りのビタミン」として知られ、細胞膜を保護し、肌の老化を防ぐ重要な栄養素です。
血行を促進する作用があるため、肌細胞への栄養供給を改善し、ターンオーバーを正常化します。また、
ビタミンCと相互作用することで、より強力な抗酸化効果を発揮します。脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。
亜鉛が豊富な食品
- 牡蠣
- 赤身肉
- 大豆製品
- かぼちゃの種
亜鉛は皮膚の修復と再生に不可欠なミネラルで、
アクネ菌の増殖を抑制する抗菌作用も持っています。また、
ホルモンの合成と調節に関与し、皮脂分泌のバランスを整える働きがあります。傷の治癒を促進する効果もあるため、ニキビの回復を早める効果が期待できます。現代の食生活では不足しがちな栄養素のため、意識的に摂取することが重要です。
オメガ3脂肪酸が豊富な食品
- サバ、イワシなどの青魚
- くるみ
- えごま油
- アマニ油
は必須脂肪酸の一種で、強力な抗炎症作用により、ニキビによる赤みや腫れを軽減します。また、細胞膜の構成成分として肌のバリア機能を強化し、外部刺激から肌を守る働きもあります。血液をサラサラにする効果もあるため、肌への栄養供給が改善され、健康的な肌作りをサポートします。オメガ6脂肪酸との比率が重要で、現代の食生活ではオメガ3が不足しがちなため、積極的な摂取が推奨されます。
これらの栄養素は肌の健康維持に欠かせない成分で、ニキビの予防・改善に直接的な効果が期待できます。
ビタミンB群は皮脂の代謝に関与し、過剰な皮脂分泌を抑制します。
ビタミンCとEは強力な抗酸化作用により、ニキビによる炎症を和らげ、組織の修復を促進します。亜鉛はアクネ菌の増殖を抑制し、皮膚の免疫機能を高める働きがあります。
ニキビを悪化させる生活習慣

改善すべき日常習慣
食事に関する悪習慣
- 偏った食事(好きなものばかり食べる)
- 過度なダイエット
- 食事時間の不規則性
- 水分不足
偏った食事は栄養バランスの乱れを引き起こし、肌に必要な栄養素が不足してニキビができやすい状態を作ります。
過度なダイエットは皮膚の修復に必要なタンパク質やビタミンの摂取量を減らし、肌のバリア機能を低下させます。
不規則な食事時間は血糖値の変動を大きくし、ホルモンバランスを乱す原因となります。また、
水分不足は体内の老廃物の排出を妨げ、肌の新陳代謝を低下させるため、1日2リットル以上の水分摂取を心がけることが重要です。
睡眠・ストレス関連
- 慢性的な睡眠不足
- 過度なストレス
- 運動不足
- 不規則な生活リズム
睡眠中に分泌される成長ホルモンは肌の修復と再生に欠かせないため、
質の良い睡眠を7-8時間確保することがニキビ改善の基本です。
ストレスはコルチゾールというホルモンの分泌を増加させ、皮脂分泌を促進します。適度な運動はストレス解消と血行促進の両方の効果があり、肌の健康維持に有効です。規則正しい生活リズムは体内時計を整え、ホルモンの分泌を正常化します。
スキンケア関連
- 過度な洗顔
- 強すぎる洗顔料の使用
- 保湿不足
- 汚れた手で顔を触る癖
は肌のバリア機能を破壊し、かえってニキビを悪化させる原因となります。適切な洗顔は朝夕の2回で十分です。強すぎる洗顔料やスクラブは肌を傷つけ、炎症を悪化させるため、優しい洗顔料を選ぶことが大切です。洗顔後の保湿は、皮脂の過剰分泌を防ぐために必須です。また、手には様々な細菌が付着しているため、無意識に顔を触る習慣はニキビの原因となります。
その他の生活習慣
- 喫煙
- 過度な飲酒
- 紫外線対策不足
- 枕カバーやタオルの不衛生
は血管を収縮させ、肌への栄養供給を阻害するとともに、活性酸素を増加させて肌の老化を促進します。
過度な飲酒は肝機能を低下させ、体内の解毒作用を妨げます。
紫外線は肌のバリア機能を低下させ、炎症を悪化させるため、日焼け止めの使用は必須です。枕カバーやタオルは毎日清潔なものを使用し、細菌の繁殖を防ぐことが重要です。
これらの生活習慣は直接的・間接的にニキビの発生・悪化に関与します。特に
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、成長ホルモンの分泌を妨げるため、肌の再生機能が低下してニキビができやすくなります。ストレスは副腎皮質ホルモンの分泌を促し、皮脂分泌を増加させる要因となります。また、間違ったスキンケアは肌のバリア機能を損ない、ニキビを悪化させる原因となります。
イソトレチノインとは?

重症ニキビ治療の最後の切り札
は、ビタミンA誘導体の一種で、重度のニキビ治療に使用される内服薬です。海外では30年以上の使用実績があり、「ニキビ治療の切り札」として位置づけられています。
イソトレチノインの特徴
項目 | 詳細 |
---|---|
成分 | 13-cis-レチノイン酸(ビタミンA誘導体) |
作用機序 | 皮脂腺の縮小、皮脂分泌抑制、抗炎症作用 |
適応 | 重症・難治性ニキビ、保険治療で改善しないニキビ |
承認状況 | 日本では未承認(自費診療) |
治療期間 | 4~6ヶ月(16~24週間) |
イソトレチノインの特徴について詳しく説明します。
成分である13-cis-レチノイン酸は、体内でビタミンAに変換される前駆体で、皮膚細胞の分化と増殖を調節する重要な働きを持っています。
作用機序は多岐にわたり、皮脂腺を直接縮小させることで根本的な皮脂分泌抑制を実現し、同時に抗炎症作用により既存のニキビの治癒を促進します。
として、従来の保険治療(抗生物質、外用薬など)で効果が得られない重症・難治性ニキビが主な対象となります。嚢胞性ニキビや結節性ニキビなど、炎症が強く瘢痕を残しやすいニキビに特に効果的です。
承認状況については、日本では2025年現在も未承認のため、専門医による個人輸入での処方となり、保険適用外の自費診療となります。
治療期間は個人差がありますが、通常4-6ヶ月の継続服用が推奨され、累積投与量が治療効果に大きく影響します。
イソトレチノインが適している方
- 保険診療での治療で改善が見られない方
- 重症の嚢胞性ニキビの方
- 長年ニキビに悩まされている方
- 根本的な治療を希望される方
は、ニキビの4つの原因すべてに作用する唯一の薬剤として知られています。
皮脂腺を直接縮小させる
ことで皮脂分泌を根本的に抑制し、毛穴の角化を正常化してコメドの形成を防ぎます。さらに、抗炎症作用によりニキビの赤みや腫れを改善し、アクネ菌に対する抗菌効果も併せ持っています。これらの総合的な作用により、従来の治療では改善困難だった重症ニキビにも高い効果を発揮します。
イソトレチノインの効果と服用法

期待できる効果
主な効果
-
皮脂分泌の大幅な抑制
- 皮脂腺のサイズを60-70%縮小
- 皮脂分泌量を最大90%減少
-
毛穴詰まりの改善
- 角質の正常な剥離を促進
- コメド(面皰)の形成を防止
-
抗炎症作用
- 炎症性ニキビの赤みを軽減
- 痛みを伴う嚢胞の改善
-
アクネ菌の抑制
- 皮脂減少により菌の栄養源を断つ
- 間接的な抗菌効果
正しい服用方法
基本的な服用法
- 服用量: 1日20-40mg(医師の指示に従う)
- 服用タイミング: 1日1回、食後
- 治療期間: 16-24週間(4-6ヶ月)
- 効果実感: 4-6週間後から徐々に
服用時の注意点
- 必ず食後に服用(吸収率向上のため)
- 医師の指示なく用量を変更しない
- 定期的な血液検査を受ける
- 飲み忘れた場合は次回から通常量を服用
治療経過の目安
期間 | 症状の変化 |
---|---|
1-2週間 | 初期悪化(好転反応)が起こる場合あり |
4-6週間 | 新しいニキビの発生が減少し始める |
2-3ヶ月 | 炎症の軽減、皮脂分泌の明らかな減少 |
4-6ヶ月 | 治療効果が安定、ニキビがほぼ消失 |
の効果は累積投与量に依存するため、医師が計算した適切な期間継続することが重要です。治療開始初期には一時的にニキビが悪化する「好転反応」が約30%の患者さんに見られますが、これは薬が効いている証拠であり、継続することで劇的な改善が期待できます。治療終了後も効果は数年間持続し、約70%の患者さんでニキビの再発を防ぐことができます。
主な副作用と対策
副作用 | 頻度 | 対策 |
---|---|---|
口唇乾燥 | ほぼ全員 | リップクリームの頻回使用 |
皮膚乾燥 | 80-90% | 保湿剤の積極的使用 |
鼻血 | 20-30% | 鼻腔用保湿剤の使用 |
ドライアイ | 10-20% | 人工涙液の点眼 |
肝機能異常 | 5-10% | 定期的な血液検査でモニタリング |
の多くは皮脂分泌抑制による乾燥症状で、適切な保湿ケアにより軽減可能です。重要な副作用として催奇形性があるため、妊娠可能な女性は治療前1ヶ月、治療中、治療後6ヶ月間の避妊が必須となります。また、肝機能や脂質代謝への影響を監視するため、定期的な血液検査が必要です。
FAQ(よくある質問)
Q1: 食事改善だけでニキビは治りますか?
: 食事改善により多くの方でニキビの改善が期待できますが、効果には個人差があります。重症のニキビの場合は、食事改善と並行して医療機関での治療を検討することをお勧めします。
Q2: どのくらいの期間で食事改善の効果が現れますか?
: 一般的に2-3ヶ月の継続で効果を実感される方が多いです。肌のターンオーバー周期(約28日)を考慮すると、最低でも2ヶ月は継続することが重要です。
Q3: イソトレチノインは誰でも服用できますか?
: いいえ。妊娠中・授乳中の方、15歳未満の方、肝機能障害のある方などは服用できません。必ず皮膚科医の診察を受けて適応を判断してもらう必要があります。
Q4: イソトレチノインの副作用はどの程度続きますか?
: 乾燥などの副作用は治療終了とともに徐々に改善します。通常、治療終了後1-2ヶ月で副作用は消失しますが、皮脂分泌抑制効果は数年間持続します。
Q5: チョコレートを食べるとニキビができるって本当ですか?
: チョコレート自体が直接ニキビを引き起こすという科学的根拠は限定的です。ただし、糖分の多いチョコレートの過剰摂取は血糖値を上昇させ、間接的にニキビを悪化させる可能性があります。
Q6: ニキビがある時は洗顔を多くした方がいいですか?
: 過度な洗顔は肌のバリア機能を損ない、かえってニキビを悪化させる可能性があります。1日2回、優しい洗顔料で丁寧に洗顔し、その後の保湿を忘れないことが大切です。
参考文献
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。 * コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。
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