雨の日に花粉症の症状がひどくなるのはなぜ?
2025.12.05
「雨が降れば花粉症は楽になる」というのが一般的なイメージですが、実際には雨の日こそくしゃみや鼻水が止まらなくなる方が少なくありません。実は、雨の日には特有の「花粉の変化」や「気圧の影響」が体に起きているのです。 この回では、雨の日に花粉症が悪化する医学的な理由と、その具体的な対策について詳しく解説します。
雨の日に症状が悪化する主な理由
雨の日は、地面に落ちた花粉や空気中の花粉が水分を含んで膨張し、破裂して細かくなる現象(浸透圧ショック)が起こります。この微細になった花粉粒子は、通常の鼻粘膜のフィルターをすり抜けて気管支の奥深くまで到達するため、重い症状を引き起こしやすいのです。また、低気圧による自律神経の乱れも、アレルギー症状を敏感にさせる要因となります。
詳細解説1:花粉の「破裂」と浸透圧ショック
雨の日特有の現象として、医学的に注目されているのが「花粉の破裂」です。
浸透圧ショックのメカニズム
通常、スギやヒノキの花粉は直径30〜40マイクロメートルほどの大きさですが、雨滴と接触すると水分を吸収します。細胞内の浸透圧が変化することで花粉が膨張し、最終的に破裂します。 破裂した花粉からは、アレルゲンを含む細胞質顆粒(オービクルなど)が大量に放出されます。これらは直径1.0マイクロメートル以下(PM2.5レベル)という極めて小さな粒子となります。
呼吸器への影響
通常サイズの無傷な花粉は、鼻毛や鼻の粘膜でトラップされやすいのですが、破裂して微粒子化したアレルゲンは、それらを容易に通過します。 結果として、気管支や肺の奥深くまで侵入し、喘息のような咳や息苦しさを引き起こすリスクが高まります。これを「雷雨喘息(Thunderstorm Asthma)」と呼ぶこともあり、激しい雷雨の後に救急搬送が増える原因の一つとして知られています。
| 比較項目 | 晴れの日の花粉 | 雨の日の花粉(破裂後) |
|---|---|---|
| 粒子の大きさ | 約30〜40μm | 約1.0μm以下 |
| 主な到達部位 | 鼻腔、目の粘膜 | 気管支、肺の奥 |
| 症状の特徴 | くしゃみ、鼻水 | 咳、喘鳴(ゼーゼーする)、息苦しさ |
| マスク効果 | 通常のマスクで防ぎやすい | 防微粒子マスクが必要な場合も |
雨の日の花粉は非常に細かくなるため、一般的な花粉対策に加えて、気管支を守る意識が重要になります。
詳細解説2:低気圧と「気象病」の関係
雨が降るということは、気圧が低下している状態(低気圧)です。この気圧の変化も、花粉症の症状を悪化させる大きな要因です。
ヒスタミンと血管拡張
気圧が下がると、人体は外部からの圧力が減るため、血管が拡張しやすくなります。鼻の粘膜にある血管が膨張すると、鼻腔が狭くなり、鼻詰まりがひどくなります。 また、気圧の低下は生体内の炎症物質である「ヒスタミン」の分泌を促進させたり、自律神経のバランスを崩して副交感神経(リラックス・アレルギー反応優位)を優位にさせたりすることが示唆されています。これにより、わずかなアレルゲンでも過敏に反応してしまうのです。
室内アレルゲンの増加
雨の日は窓を閉め切ることが多く、換気が不十分になりがちです。 さらに、湿度が上がるとカビやダニが繁殖しやすくなります。これらは花粉とは別のアレルゲンですが、花粉症で敏感になっている粘膜に追い打ちをかける形で作用し、目のかゆみや咳などの症状を増幅させることがあります。
雨の日の室内環境対策リスト
- 適切な換気: 雨が小降りのタイミングを見計らって短時間の換気を行う
- 湿度管理: 除湿機を活用し、湿度を50〜60%程度に保つ(カビ・ダニ抑制)
- 空気清浄機: 破裂した微細な花粉粒子を除去するため、HEPAフィルター付きを使用する
- 掃除の徹底: 湿気を含んだホコリは床に溜まりやすいため、こまめに拭き掃除を行う
雨の日は外だけでなく、室内の環境コントロールもアレルギー症状緩和の鍵となります。
注意事項・警告:雷雨喘息に注意
特に注意が必要なのは、
激しい雷雨の後です。
雷雨の際には、上昇気流によって巻き上げられた花粉が上空で破裂し、冷たい下降気流とともに地上に降り注ぐという現象が起こります。 これにより、これまで喘息の診断を受けたことがない花粉症患者さんでも、急激な呼吸困難や喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)を起こすことがあります。
- 息が苦しい
- 咳が止まらない
- 横になると呼吸がしづらい
このような症状が現れた場合は、市販薬で様子を見ずに、直ちに医療機関を受診してください。
まとめ
雨の日の花粉症悪化は、気のせいではありません。
「花粉の破裂による微粒子化」と
「低気圧による血管拡張・過敏性」が主な原因です。 雨だからといって油断せず、微粒子レベルまで対応できるマスクの着用や、室内の湿度管理を徹底しましょう。 症状が長引く場合や、咳がひどい場合は、専門医に相談することをお勧めします。
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