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下痢と一緒に出る血便の危険性

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2025.11.13

下痢に血が混じっていると、不安な気持ちになる方も多いでしょう。血便を伴う下痢は、消化器系の異常を示す重要なサインになることがあります。この記事では、下痢と血便が同時に現れる原因、危険性、適切な対処法について詳しく解説します。

下痢と血便が同時に起こる原因

下痢と血便が同時に現れる場合、主に大腸や直腸の問題が考えられます。

下痢と血便が一緒に起こる主な原因は、大腸や直腸の炎症や感染です。感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎、腸管出血性大腸菌感染症などが代表的な原因疾患として挙げられます。これらの疾患では、腸の粘膜が傷つき、出血と下痢が同時に発生します。

血便を伴う下痢の主な原因疾患

感染性腸炎

感染性腸炎は、細菌やウイルスによって腸が感染することで起こります。

主な病原体と特徴
病原体潜伏期間主な症状血便の特徴
腸管出血性大腸菌(O157など)3~8日激しい腹痛、頻回の水様便翌日頃から血便や粘血便
赤痢菌1~5日発熱(40℃近く)、腹痛、下痢膿粘血便(膿・粘液・血液混入)
カンピロバクター2~5日腹痛、下痢、発熱血液混入の可能性
サルモネラ菌6~72時間下痢、腹痛、発熱血便を伴う場合あり

腸管出血性大腸菌O157は特に注意が必要です。わずか50個程度の菌でも感染が成立し、強い酸抵抗性があるため胃酸でも生き残ります。感染者の6~7%が溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症を発症するリスクがあります。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患は、腸に慢性的な炎症が起こる病気です。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、直腸と結腸の内層に炎症と潰瘍を引き起こす疾患です。主な症状として粘血便、下痢、腹痛があります。

症状の程度によって血便の状態が異なります。

  • 軽症:下痢便に少量の粘液と血液が付着
  • 中等症:便に血液と粘液がより多く混入
  • 重症:便成分がなく、粘血のみの状態やトマトケチャップ様の便

潰瘍性大腸炎の正確な原因はまだ不明ですが、ストレスや食生活、自己免疫反応の異常、腸内細菌の異常、遺伝的要素などが関与していると考えられています。

虚血性大腸炎

虚血性大腸炎は、大腸への血流が一時的に減少することで起こります。

60歳以上の高齢者、心臓疾患のある方、高血圧や糖尿病の方に多く見られます。主な症状は腹部の痛みで、下痢を伴うことが多く、しばしば血便が現れます。多くの場合37度台の微熱も見られます。

虚血性大腸炎は3つのタイプに分けられます。

  • 一過性型:1~2週間以内に回復
  • 狭窄型:腸管が狭くなり腸閉塞を引き起こす可能性
  • 壊死型:穿孔、敗血症、ショックから死に至る可能性

一過性型は最も一般的で、適切な治療により回復しますが、壊死型は緊急手術が必要になることがあります。

危険な血便のサイン

すぐに医療機関を受診すべき症状

下痢と血便が現れた際、以下の症状がある場合は緊急受診が必要です。

緊急受診が必要な症状
  • 失神やめまい
  • 低血圧
  • 顔色が蒼白になる
  • 発汗が多い
  • 心拍数が毎分100回を超える
  • 250ml以上の大量出血
  • 高熱(38℃以上)
  • 激しい腹痛
  • 嘔吐を伴う
  • 黒いタール状の便

これらの症状は出血性ショックや重篤な合併症のリスクがあるため、すぐに医療機関を受診することが重要です。

血便の色と危険度

血便の色は出血部位を判断する重要な手がかりになります。

血便の色と出血部位
便の色出血部位考えられる原因
鮮紅色大腸、直腸、肛門痔、大腸炎、大腸がんなど
暗赤色下部消化管潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎など
黒色(タール状)食道、胃、十二指腸胃潰瘍、十二指腸潰瘍、がんなど

鮮紅色や暗赤色の血便は下部消化管の出血を示し、下痢と一緒に起こることが多いです。一方、黒色のタール状の便は上部消化管の出血を示しており、より深刻な状態の可能性があります。

診断と検査方法

医療機関で行われる検査

下痢と血便で受診した際、医師は以下のような検査を行います。

主な検査項目
  • 問診:症状の経過、食事歴、海外渡航歴などを確認
  • 便検査:便培養検査で病原菌を特定、便潜血検査で出血を確認
  • 血液検査:CRP、赤血球沈降速度、白血球数、貧血の有無を確認
  • 大腸内視鏡検査:腸の粘膜の状態を直接観察し、炎症や潰瘍の程度を評価
  • CT検査:腸の壁の厚さや周囲の炎症を確認

大腸内視鏡検査は潰瘍性大腸炎や虚血性大腸炎の診断に最も重要な検査です。炎症の範囲、程度、潰瘍の有無を直接確認できるため、正確な診断と適切な治療方針の決定に役立ちます。

原因を特定する重要性

下痢と血便の原因を正確に特定することは、適切な治療のために不可欠です。

感染性腸炎の場合、原因菌によって治療法が異なります。細菌性の場合は抗菌薬が必要になることがありますが、腸管出血性大腸菌や赤痢菌の感染では下痢止め薬の使用は禁忌とされています。下痢止め薬を使用すると、毒素の吸収を促進し、溶血性尿毒症症候群などの重篤な合併症のリスクが高まるためです。

潰瘍性大腸炎は慢性疾患であり、長期的な管理が必要です。早期に診断し、適切な薬物療法を開始することで、症状のコントロールと寛解の維持が期待できます。

治療と対処法

感染性腸炎の治療

感染性腸炎の治療は、原因と症状の重症度によって異なります。

基本的な治療方針
  • 対症療法:水分と電解質の補給が最も重要
  • 安静:腸を休めるために十分な休息が必要
  • 食事調整:消化に良い食事から徐々に開始
  • 抗菌薬:細菌性腸炎で重症の場合に使用
  • 輸液:脱水が強い場合は点滴による水分補給

腸管出血性大腸菌や赤痢菌の感染では、下痢止め薬は原則使用しません。これは毒素の吸収を促進し、重篤な合併症を引き起こすリスクを高めるためです。

炎症性腸疾患の治療

潰瘍性大腸炎の治療は、炎症を抑えて症状をコントロールすることが目標です。

主な治療法
  • メサラジン(5-ASA製剤):軽症から中等症の第一選択薬
  • ステロイド:中等症から重症の急性期に使用
  • 免疫抑制剤:ステロイドが効かない場合や維持療法として使用
  • 生物学的製剤(TNF-α抗体など):重症例や難治例に使用
  • 外科治療:重症で薬物治療が効かない場合、大腸全摘出術を行うことも

潰瘍性大腸炎は日本では指定難病に指定されており、医療費助成の対象となります。長期的な管理が必要な疾患ですが、適切な治療により多くの患者が寛解状態(症状のない状態)を維持できます。

虚血性大腸炎の治療

虚血性大腸炎の治療は、重症度によって異なります。

軽症から中等症の一過性型では、絶食して腸を休め、輸液で水分と電解質を補給することが基本です。多くの場合、1~2週間以内に回復します。

重症の壊死型では、緊急手術が必要になることがあります。壊死した腸管を切除し、穿孔や敗血症を防ぎます。

予防と生活上の注意点

感染予防の基本

感染性腸炎を予防するために、日常生活で以下の点に気をつけましょう。

感染予防のポイント
  • 手洗いの徹底:食事前、トイレ後、調理前後に石鹸でしっかり手を洗う
  • 食品の適切な管理:生肉は十分に加熱し、生野菜はよく洗う
  • 水の安全性:海外では煮沸した水やボトル水を使用
  • 調理器具の衛生管理:まな板や包丁は肉用と野菜用を分ける
  • 食品の保存温度:冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ

腸管出血性大腸菌O157は非常に少量の菌でも感染するため、特に手洗いと食品の加熱が重要です。

ストレス管理と生活習慣

潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患では、ストレスが症状を悪化させる可能性があります。

ストレス管理の方法
  • 十分な睡眠:1日7~8時間の睡眠を心がける
  • 適度な運動:ウォーキングやヨガなど軽い運動を習慣化
  • リラックス法:深呼吸、瞑想、趣味の時間を持つ
  • サポート体制:家族や友人、医療者との良好な関係を築く

炎症性腸疾患の患者さんは、疾患について正しく理解し、定期的な通院と服薬を続けることが重要です。

食事管理

下痢と血便がある時の食事は、腸への負担を減らすことが大切です。

症状がある時の食事のポイント
  • 消化の良い食品:おかゆ、うどん、白身魚、卵など
  • 避けるべき食品:脂っこい食事、刺激物、アルコール、カフェイン
  • 食物繊維:症状が強い時は不溶性食物繊維を控える
  • 食事回数:少量を頻回に分けて食べる
  • 水分補給:こまめに水分を取り、脱水を予防

潰瘍性大腸炎の患者さんには、高タンパク質、低脂肪、低食物繊維の食事が推奨されることがあります。ただし、寛解期には栄養バランスの取れた通常の食事が可能です。

まとめ

下痢と血便が同時に現れる場合、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎など様々な原因が考えられます。失神、低血圧、大量出血、高熱、激しい腹痛などの症状がある場合は、出血性ショックや重篤な合併症のリスクがあるため、すぐに医療機関を受診することが重要です。

原因によって治療法が大きく異なるため、自己判断で市販の下痢止め薬を使用せず、必ず医師に相談してください。特に腸管出血性大腸菌や赤痢菌の感染では、下痢止め薬の使用が重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

感染予防のための手洗いと食品管理、ストレス管理、適切な食事などの生活習慣も大切です。症状が続く場合や心配な場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。

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