便秘が原因の痔の予防と治療法
2025.11.13
便秘が続くと排便時に強くいきむことが多くなり、肛門周囲の血管に大きな負担がかかります。この状態が繰り返されると痔を発症する可能性が高まります。痔の痛みや不快感を避けるためには、便秘を予防することと、早めの対処が重要です。この記事では、便秘が原因で起こる痔の予防方法と効果的な治療法について詳しく解説します。
便秘と痔の関係
便秘が続くと肛門部への負担が大きくなり、痔のリスクが高まります。
便秘時には硬い便を排出するために強くいきむ必要があり、その際に肛門周囲の血管に過度な圧力がかかります。人間は直立歩行をするため、直腸や肛門付近の血管にはもともと大きな圧力がかかっている状態です。便秘による反復的ないきみがこの圧力をさらに増加させ、血管の腫れや炎症を引き起こし、痔核や裂肛などの痔疾患につながります。
痔の種類と症状
痔の主な3つのタイプ
便秘が原因で発生する痔には、主に以下の3つのタイプがあります。
| 痔の種類 | 発生部位 | 主な症状 | 便秘との関連性 |
|---|---|---|---|
| 痔核(いぼ痔) | 肛門周囲の血管 | 出血、脱出、腫れ | 強いいきみで血管が膨張 |
| 裂肛(きれ痔) | 肛門の粘膜 | 激しい痛み、出血 | 硬い便で粘膜が裂ける |
| 痔瘻(あな痔) | 肛門周囲の組織 | 痛み、膿、腫れ | 便秘による細菌感染 |
痔核は内痔核と外痔核に分類され、内痔核は基本的に痛みを伴いませんが排便時に出血しやすく、進行すると脱出することもあります。外痔核は血栓ができると激しい痛みを起こすことがあります。裂肛は硬い便が肛門粘膜を傷つけることで発生し、排便時に鋭い痛みを感じます。
痔の危険サイン
以下のような症状がある場合は、痔が進行している可能性があります。
- 排便時に明るい赤色の出血がある
- 肛門周囲にしこりや腫れを感じる
- 排便時や座っている時に痛みがある
- 肛門周囲にかゆみや不快感がある
- 排便後も残便感が続く
これらの症状が1週間以上続く場合や、出血が頻繁にある場合は医療機関を受診することが推奨されます。特に出血は大腸がんなどの他の深刻な疾患の可能性もあるため、自己判断せず専門医に相談することが大切です。
便秘による痔の予防方法
食生活の改善
便秘を予防することが痔の予防につながります。
食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取することで、便が柔らかくなり排便がスムーズになります。野菜、果物、全粒穀物、豆類などを毎日の食事に取り入れましょう。また、十分な水分補給も重要です。1日に1.5〜2リットル程度の水分を摂取することで、便の硬さを適度に保つことができます。アルコールや刺激物は腸の動きに影響を与えることがあるため、過剰摂取は控えめにすることが望ましいとされています。
排便習慣の見直し
- 便意を感じたらすぐにトイレに行く習慣をつける
- トイレに長時間座り続けない(5分程度を目安に)
- 排便時に無理にいきまない
- 毎日決まった時間にトイレに行く習慣を作る
- スマートフォンなどを持ち込まず、排便に集中する
トイレで長時間座っていると肛門周囲の血管に持続的な圧力がかかり、痔のリスクが高まります。便意がないのに無理に排便しようとすることも避けましょう。朝食後など、腸の動きが活発になる時間帯を利用して規則的な排便習慣を作ることが効果的です。
生活習慣の改善
適度な運動は腸の蠕動運動を促進し、便秘予防に役立ちます。
ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を作りましょう。運動は腸の動きを活発にするだけでなく、肛門周囲の血流を改善する効果も期待できます。また、長時間同じ姿勢を続けることは肛門部への血流を悪化させるため、デスクワークが多い方は定期的に立ち上がって体を動かすことが推奨されます。
毎日の入浴で体を温めることも血行促進につながります。特に温かいお風呂にゆっくり浸かることで、肛門周囲の血流が改善され、痔の予防に効果的とされています。体を冷やさないよう心がけることも大切です。
痔の治療方法
自宅でできるケア
軽度の痔であれば、自宅でのケアで症状が改善することがあります。
温かいお湯に10〜15分程度座浴(座ってお尻を浸ける入浴法)することで、肛門周囲の血流が改善され、痛みや腫れが和らぐことがあります。市販の痔用軟膏や座薬には、局所麻酔成分や抗炎症成分が含まれており、かゆみや不快感を軽減する効果が期待できます。また、便を柔らかくする便軟化剤やサプリメントを使用することで、排便時の負担を減らすことができます。
医療機関での治療
症状が改善しない場合や、痛みが強い場合は医療機関での治療が必要です。
| 治療方法 | 適応 | 特徴 | 回復期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 外用薬治療 | 軽度〜中度の痔核・裂肛 | 炎症を抑える薬剤の使用 | 1〜2週間 |
| 座薬治療 | 内痔核 | 内部から炎症を抑制 | 1〜2週間 |
| 注射療法 | 軽度〜中度の内痔核 | 血流を減らして縮小させる | 数日〜1週間 |
| 手術療法 | 重症の痔核・痔瘻 | 痔を外科的に切除 | 2〜4週間 |
医療機関では、症状の程度に応じて適切な治療法が選択されます。初期段階では外用薬や座薬による保存的治療が行われます。注射療法は比較的軽度から中度の内痔核に対して行われ、痔核に薬剤を注入して瘢痕組織を形成させることで血流を減らし、痔核を縮小させます。重症の場合や保存的治療で改善しない場合は、手術による切除が検討されることもあります。
漢方薬による治療
日本では痔の治療に漢方薬が用いられることもあります。
当帰建中湯、乙字湯、紫雲膏などの漢方薬が痔の治療に使用されることがあります。これらは体質や症状に応じて処方され、炎症を抑えたり血流を改善したりする効果が期待されています。ただし、漢方薬の効果には個人差があるため、専門医に相談して適切な処方を受けることが重要です。
受診すべきタイミング
以下のような場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
- 出血が1週間以上続く、または量が多い
- 激しい痛みがあり日常生活に支障がある
- 肛門から痔核が脱出して戻らない
- 発熱や強い倦怠感を伴う
- 便の色や形が異常である
- 市販薬を使用しても症状が改善しない
肛門からの出血は痔以外にも大腸がんなどの深刻な疾患のサインである可能性があります。痔だと自己判断せず、出血がある場合は外科、肛門科、消化器内科などの専門医に診てもらうことが重要です。早期発見・早期治療により、より重篤な状態への進行を防ぐことができます。
まとめ
便秘が原因で起こる痔は、日常生活の改善により予防することができます。食物繊維を多く含む食事と十分な水分補給、適度な運動、正しい排便習慣を心がけることで、便秘を予防し痔のリスクを減らすことができます。軽度の症状であれば自宅でのケアで改善することもありますが、症状が続く場合や悪化する場合は早めに医療機関を受診することが大切です。自己判断で放置せず、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。
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