花粉症の咳が止まらない!喘息との関係は?
2025.12.05
花粉症のシーズン、鼻水やくしゃみだけでなく「咳が止まらない」「喉がイガイガする」と悩んでいませんか? 「ただの風邪かな?」と放置するのは危険かもしれません。 実は、花粉症と喘息には深い関係があり、花粉がきっかけで喘息を発症することもあるのです。 この記事では、花粉症による咳の原因と、喘息との見分け方、そして適切な対処法について詳しく解説します。
花粉症で咳が出るのはなぜ?喘息の可能性も
花粉症で咳が出る主な原因は、鼻水が喉に垂れ込む「後鼻漏(こうびろう)」や、花粉が喉の粘膜を直接刺激するアレルギー反応です。 しかし、咳が長引く場合や息苦しさを感じる場合は、花粉が引き金となる
「花粉症喘息(季節性喘息)」の可能性があります。 これはアレルギー性喘息の一種で、花粉が気管支に入り込み、炎症を引き起こしている状態です。
花粉症の咳と喘息の違い・見分け方
咳の原因が「花粉症による喉の刺激」なのか、それとも「喘息」なのかを見分けることは、適切な治療のために非常に重要です。
症状による違いチェックリスト
一般的な花粉症による咳と、喘息による咳の特徴を比較してみましょう。
| 特徴 | 花粉症による咳(後鼻漏など) | 喘息(花粉症喘息) |
|---|---|---|
| 咳のタイプ | コンコンという乾いた咳 | 激しい咳き込み、痰が絡むことも |
| 呼吸音 | 正常 | ヒューヒュー、ゼーゼーと鳴る(喘鳴) |
| 発生タイミング | 一日中、または鼻水が多い時 | 夜間や早朝、運動後に悪化しやすい |
| 呼吸のしやすさ | 鼻詰まりによる息苦しさはある | 胸が苦しい、息が吐きにくい |
| 喉の感覚 | イガイガ、痒い感じ | 気道が狭くなっている感覚 |
花粉症の咳は主に喉の違和感から始まりますが、喘息の場合は気管支の炎症によるため、胸の奥からこみ上げるような咳や呼吸困難感を伴うのが特徴です。
「アレルギー・マーチ」にご注意
アレルギー疾患は、アトピー性皮膚炎→食物アレルギー→気管支喘息→アレルギー性鼻炎というように、年齢とともに次々と異なる症状が現れることがあり、これを「アレルギー・マーチ」と呼びます。 鼻(花粉症)と気管支(喘息)は一つの空気の通り道で繋がっているため、「ワン・エアウェイ、ワン・ディジーズ(一つの気道、一つの病気)」という考え方が主流です。 つまり、
花粉症(鼻炎)をしっかり治療することが、喘息の予防や悪化防止にもつながります。
花粉症による咳・喘息への対処法
つらい咳を鎮め、喘息への移行を防ぐためのケア方法をご紹介します。
1. アレルゲン(花粉)の回避と除去
最も基本的な対策は、原因物質である花粉を体内に入れないことです。
- マスクの着用: 隙間のないように正しく着用し、喉の加湿も保ちます。
- 帰宅時のケア: 玄関で衣服の花粉を払い、すぐに手洗い・うがい・洗顔を行います。
- 空気清浄機: 室内の花粉を除去し、綺麗な空気を保ちます。
これらを徹底することで、喉や気管支への刺激を最小限に抑えることができます。
2. 適切な薬物療法
症状に合わせた薬を使用することで、咳や炎症をコントロールします。
- 抗ヒスタミン薬: くしゃみ、鼻水だけでなく、アレルギー性の咳にも効果が期待できます。
- 吸入ステロイド薬: 喘息の症状がある場合、気道の炎症を抑えるために使用されます。
- 点鼻薬: 鼻の症状を抑えることで、後鼻漏による咳を軽減します。
市販薬で改善しない場合は、自己判断せずに医師の診察を受け、適切な処方薬を使用することをお勧めします。
注意事項・医師に相談すべきタイミング
以下のような症状がある場合は、重篤な発作につながる恐れがあるため、早急に医療機関を受診してください。
- 呼吸をするたびにヒューヒュー、ゼーゼーと音がする
- 横になると息苦しくて眠れない
- 咳き込んで会話や食事がままならない
- 市販の咳止めや花粉症薬を数日使っても改善しない
「たかが花粉症」と侮らず、咳が長引く場合は呼吸器内科やアレルギー科への相談を検討しましょう。早期治療が慢性化を防ぐ鍵となります。
まとめ
花粉症による咳は、後鼻漏や喉のアレルギー反応だけでなく、
喘息(気管支の炎症)が原因の場合があります。 特に「ヒューヒュー」という呼吸音や、夜間の激しい咳がある場合は注意が必要です。 鼻と気管支は繋がっているため、花粉症をしっかりコントロールすることが、咳や喘息の予防にもつながります。 つらい症状が続く場合は、無理せず医師に相談し、自分に合った治療を見つけましょう。
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