花粉症の薬で太る・体重が増える副作用はある?
2025.12.05
「花粉症の薬を飲み始めたら、なんだか食欲が増して太った気がする…」と感じたことはありませんか? 春先は薄着になる季節なのに、体重が増えるのは心配ですよね。 実は、一部の花粉症薬には食欲を増進させたり、むくみを引き起こしたりする副作用が含まれている場合があります。 この重要かつ気になる副作用の真偽と、太りにくい薬の選び方について詳しく解説します。
花粉症の薬で太ることはある?
すべての花粉症薬で太るわけではありませんが、以下の2つのケースで体重増加が起こる可能性があります。
- 抗ヒスタミン薬の一部:脳の満腹中枢に作用し、食欲が増進してしまう。
- ステロイド薬(内服・注射):代謝異常や食欲増進、むくみ(ムーンフェイス)を引き起こす。
ただし、現在主流となっている「第2世代抗ヒスタミン薬」や「点鼻薬」では、そのリスクは比較的低いとされています。
太る原因となる薬の種類とメカニズム
📌 解説:
なぜ花粉症の薬で太ってしまうのか、その具体的な理由を薬の種類別に見ていきましょう。
1. 抗ヒスタミン薬と食欲増進
ヒスタミンは脳内で「満腹信号」を送る役割も担っています。 抗ヒスタミン薬がこの信号をブロックしてしまうと、
満腹感を感じにくくなり、食欲が増してしまうことがあります。
- 第1世代抗ヒスタミン薬:脳への移行が多く、食欲増進の副作用が出やすい傾向にあります。
- 第2世代抗ヒスタミン薬:脳への影響は少ないですが、個人差があり、稀に食欲が増す人がいます。
このように、抗ヒスタミン薬による食欲増進は脳への作用によるもので、特に古いタイプの薬で顕著に現れる傾向があります。
2. ステロイド薬(セレスタミンなど)
重症の花粉症で処方されることがある「ステロイド配合薬(セレスタミンなど)」や「ステロイド注射」は注意が必要です。 ステロイドホルモンには、
食欲を増進させる作用と、
体に脂肪を溜め込みやすくする作用、そして
水分を溜め込んでむくませる作用があります。
- 中心性肥満:お腹周りや顔(ムーンフェイス)に脂肪がつきやすくなります。
- 注意点:短期間の服用であれば影響は少ないですが、長期連用はリスクが高まります。
特に顔が満月のように丸くなる「ムーンフェイス」や、お腹周りに脂肪がつく中心性肥満は、ステロイド特有の副作用として知られています。
太りにくい花粉症薬の選び方と対策
副作用で太りたくない場合、どのように薬を選べばよいのでしょうか。
| 薬の種類 | 体重への影響 | 特徴 |
|---|---|---|
| 点鼻薬(ステロイド) | 極めて低い | 局所にのみ作用するため、全身への副作用がほとんどない。 |
| 第2世代抗ヒスタミン薬 | 低い | アレグラ、クラリチンなどは脳への影響が少なく太りにくい。 |
| ステロイド内服薬 | 高い | セレスタミンなどは長期服用で体重増加のリスクあり。 |
| 第1世代抗ヒスタミン薬 | 中〜高 | 古いタイプの薬は食欲増進のリスクがやや高い。 |
表にある通り、点鼻薬や第2世代の抗ヒスタミン薬を選ぶことで、体重増加のリスクを大幅に減らしながら治療を続けることが可能です。
- 点鼻薬を積極的に使う:鼻の症状には、飲み薬よりも点鼻薬(アラミスト、ナゾネックスなど)をメインにすると全身性の副作用を防げます。
- 第2世代の薬を選ぶ:フェキソフェナジン(アレグラ)やロラタジン(クラリチン)、ビラノアなどは比較的太りにくいとされています。
- ステロイド内服は短期間に:どうしても必要な場合も、医師と相談して最短期間の服用にとどめましょう。
これらのポイントを意識して医師に相談し、自分のライフスタイルや体質に合った薬を処方してもらうことが重要です。
注意事項・副作用のサイン
薬による体重増加かな?と思ったら、以下の点に注意してください。
- 急激な体重増加:数日で数キロ増える場合は、単なる食べ過ぎではなく「むくみ」の可能性があります。
- 顔が丸くなる(ムーンフェイス):ステロイド薬の代表的な副作用です。
- 抑えられない食欲:薬を変えることで改善する場合があります。
これらの症状が見られた場合は、薬の副作用が強く出ている可能性があるため、早急に医師に相談することをお勧めします。
- 体重増加が気になる場合は、勝手に薬をやめず、必ず医師に相談して薬の種類を変更してもらいましょう。
- 喉が渇いてジュースなどを飲みすぎてしまう(抗コリン作用による口渇)ことも、カロリーオーバーの原因になります。水やお茶を選びましょう。
日常生活での水分摂取の選び方や、医師とのこまめな相談が、予期せぬ体重増加を防ぐための鍵となります。
全体内容まとめ
花粉症の薬、特に古いタイプの抗ヒスタミン薬やステロイド内服薬は、食欲増進やむくみにより
「太る」副作用が出る可能性があります。 しかし、点鼻薬や最新の第2世代抗ヒスタミン薬を選べば、そのリスクは最小限に抑えられます。 体重増加が気になる方は、我慢せずに医師に相談し、
自分に合った太りにくい薬を処方してもらいましょう。
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