
ダイエット停滞期突破!間欠的断食で体と習慣を変える
ダイエット停滞期に効果的な間欠的断食の科学的方法を解説。16時間断食のやり方から、合わない方へのGLP-1注射(マンジャロ・オゼンピック)まで、医学的根拠に基づいた確実な体重減少法をご紹介します。
ドクターナウ編集部
2025.08.05
ダイエットを続けているのに体重が落ちない停滞期に悩んでいませんか?そんな時こそ、間欠的断食が効果的な解決策となります。医学的に証明された16時間断食の方法から、間欠的断食が合わない方へのGLP-1注射という選択肢まで、科学的根拠に基づいた効果的なダイエット方法をご紹介します。
間欠的断食とは何ですか?

間欠的断食(Intermittent Fasting)は、一定期間の断食と通常の食事を繰り返すダイエット方法です。完全に食事を断つのではなく、食事時間を制限することで、体重減少や健康改善効果が期待できます。
間欠的断食の主な種類
種類 | 方法 | 特徴 |
---|---|---|
16:8法 | 16時間断食、8時間食事 | 最も一般的で実践しやすい |
5:2法 | 週2日断食、5日通常食事 | 週単位で管理可能 |
隔日断食 | 1日おきに断食 | 効果は高いが継続が困難 |
OMAD | 1日1食のみ | 上級者向けの方法 |
間欠的断食の種類は多様ですが、16:8法が最も取り組みやすく、日本人のライフスタイルに適しています。睡眠時間を含めた16時間の断食により、無理なく継続できるのが大きなメリットです。5:2法は週末の食事を楽しみたい方に適しており、隔日断食は短期間で効果を求める方向けですが、社会生活との両立が困難な場合があります。OMAD(1日1食)は最も厳格な方法で、十分な栄養摂取と医師の指導が必要になります。
16:8法は睡眠時間を含めて16時間の断食を行うため、実質的な空腹時間が短く、初心者でも始めやすい方法として人気があります。例えば、夜8時に夕食を終えて翌日の昼12時まで何も食べなければ、16時間断食が完成します。
間欠的断食の原理と効果はどのようなものですか?
間欠的断食の効果は、体内で起こる代謝の変化によるものです。通常、私たちの体は糖質をエネルギー源とする「ブドウ糖代謝」を行っていますが、空腹時間が続くと中性脂肪を分解してエネルギーにする「ケトン体代謝」に切り替わります。
オートファジーによる細胞再生効果
12〜16時間の空腹状態になると、「オートファジー」という細胞の自食作用が活発になります。これは古くなった細胞や損傷した細胞成分を分解・再利用する仕組みで、以下のような効果が期待できます:
- 細胞の若返り効果
- 免疫機能の向上
- 炎症の抑制
- がん予防効果
体重減少のメカニズム
時間経過 | 体内変化 | 効果 |
---|---|---|
食後0-4時間 | ブドウ糖代謝 | 血糖値の安定化 |
4-12時間 | グリコーゲン消費 | 肝臓の糖分枯渇 |
12-16時間 | ケトン体産生開始 | 脂肪燃焼開始 |
16時間以降 | 本格的脂肪燃焼 | 体重減少効果 |
体重減少のメカニズムを理解することで、間欠的断食への取り組み方が変わります。食後4時間までは摂取した糖質がエネルギーとして使われ、その後肝臓に蓄えられたグリコーゲンが消費されます。12時間を超えると体は「飢餓状態」と判断し、脂肪を分解してケトン体を産生し始めます。このケトン体が脂肪燃焼の鍵となる物質で、16時間以上の断食により本格的な脂肪燃焼モードに入ります。このタイミングでオートファジーも活性化され、細胞レベルでの若返り効果も期待できるのです。
PubMedに掲載された研究によると、間欠的断食により3ヶ月で体重の2.5〜9.9%の減少が確認されており、持続的なカロリー制限と同等の効果が認められています。
間欠的断食を活用した効果的なダイエット方法

16時間断食の具体的な実践方法
パターン | 断食時間 | 食事時間 | おすすめの人 |
---|---|---|---|
夜型 | 20:00-12:00 | 12:00-20:00 | 朝食を抜きたい人 |
朝型 | 18:00-10:00 | 10:00-18:00 | 夕食を早めに済ませたい人 |
週末型 | 土日のみ実践 | 平日は通常 | 平日が忙しい人 |
16時間断食のスケジュールは個人のライフスタイルに合わせて柔軟に調整できます。夜型パターンは最も一般的で、夕食後から翌日の昼食まで断食するため、朝食を抜くだけで実践できます。朝型パターンは早めの夕食で断食を開始し、朝食から始める方法で、夜間の消化負担を軽減できるメリットがあります。週末型は平日の仕事や会食に影響されない方法で、無理なく継続したい方に適しています。重要なのは完璧を求めすぎず、自分のペースで継続することです。
16時間断食中も水分摂取は重要です。水、お茶、ブラックコーヒーなどカロリーのない飲み物は自由に摂取できます。どうしても空腹に耐えられない場合は、ナッツ類を少量摂取することも可能です。
効果を高める食事のポイント
- 血糖値の急上昇を避ける
- 断食後の最初の食事は消化に良いものから
- 野菜や汁物から食べ始める
- 炭水化物は最後に摂取
- 栄養バランスを重視
- タンパク質:体重1kgあたり1.2g以上
- 良質な脂質:オメガ3脂肪酸を含む魚類
- 食物繊維:腸内環境改善のため
- 食事回数の調整
- 8時間内に2-3回の食事
- 食べ過ぎ防止のため、ゆっくり噛んで食べる
断食時間中に軽い運動を行うと、オートファジーがさらに活性化され、脂肪燃焼効果が高まります。特に散歩やヨガなどの有酸素運動が効果的です。
GLP-1注射(マンジャロ、オゼンピック)とは何ですか?

間欠的断食が体質的に合わない方や、より確実な効果を求める方には、GLP-1受容体作動薬による治療という選択肢があります。GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事摂取時に小腸から分泌されるホルモンで、血糖値調節と食欲制御に重要な役割を果たします。
主要なGLP-1製剤の比較
製剤名 | 成分 | 投与頻度 | 特徴 |
---|---|---|---|
マンジャロ | チルゼパチド | 週1回注射 | GIP/GLP-1の二重作用で高い効果 |
オゼンピック | セマグルチド | 週1回注射 | 使用実績が豊富で安全性が確立 |
サクセンダ | リラグルチド | 毎日注射 | 体重管理専用薬として認可 |
リベルサス | セマグルチド | 毎日内服 | 注射が苦手な方向け |
GLP-1製剤の選択は、個人の体質や生活スタイル、治療目標によって決まります。マンジャロは最新の薬剤で、従来のGLP-1製剤を上回る体重減少効果が期待できますが、費用が高めです。オゼンピックは豊富な臨床データがあり、安全性が確立されているため、初めてGLP-1治療を始める方におすすめです。サクセンダは体重管理専用として開発された薬剤ですが、毎日の注射が必要で継続が困難な場合があります。リベルサスは注射への恐怖心がある方に適していますが、服用方法に制約があります。
GLP-1の作用メカニズム
- 食欲抑制効果
- 満腹中枢への働きかけ
- 自然な食事量の減少
- 満腹感の持続
- 胃内容物の排出遅延
- 間食欲求の減少
- 血糖値の安定化
- インスリン分泌の促進
- グルカゴン分泌の抑制
マンジャロは従来のGLP-1製剤と異なり、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチド)受容体にも作用する二重受容体作動薬です。臨床試験では、オゼンピック1mgと比較してマンジャロ15mgで約2倍の体重減少効果が確認されています。
GLP-1注射の効果は何ですか?

体重減少効果のデータ
投与期間 | マンジャロ群 | オゼンピック群 | 体重減少率の差 |
---|---|---|---|
3ヶ月 | -5.9% | -3.6% | 約1.6倍 |
6ヶ月 | -10.1% | -5.8% | 約1.7倍 |
12ヶ月 | -15.3% | -8.3% | 約1.8倍 |
マンジャロの優れた体重減少効果は、GIP受容体への作用が加わることで説明されます。従来のGLP-1単独作用と比較して、GIP/GLP-1の二重作用により食欲抑制効果が強化され、より自然で持続的な体重減少が可能になります。特に注目すべきは、時間の経過とともに効果の差が拡大していることで、長期的な体重管理においてマンジャロの優位性が明確に示されています。ただし、効果には個人差があり、生活習慣の改善と併用することでより確実な結果が期待できます。
これらの結果は、平均体重110kgの2型糖尿病患者を対象とした研究によるものです。健康な肥満患者を対象とした研究でも、同様の傾向が確認されています。
副作用と安全性
- 悪心・嘔吐(投与初期に多い)
- 下痢・便秘
- 食欲不振
- 頭痛・めまい
これらの副作用は治療開始時や用量増加時に現れやすく、多くの場合は継続使用により軽減されます。マンジャロはGIP作用により、従来のGLP-1製剤より悪心が起こりにくいとされています。
- 妊娠中・授乳中の女性
- 1型糖尿病の患者
- 重篤な胃腸疾患のある方
- 膵炎の既往がある方
GLP-1注射は医師の処方と指導のもとで使用する医療用医薬品です。定期的な診察と血液検査により、安全性を確認しながら治療を進めることが重要です。
FAQ
Q1: 間欠的断食はどのくらいの期間で効果が現れますか?
A1: 個人差がありますが、多くの方は2週間から1ヶ月程度で体調や体重の変化を実感されます。特に内臓脂肪の減少や胃腸機能の改善は比較的早期に現れることが多いです。継続的な効果を得るためには、最低でも3ヶ月以上の実践をおすすめします。
Q2: 女性が間欠的断食を行う際の注意点はありますか?
A2: 女性の場合、長時間の断食はホルモンバランスに影響を与える可能性があります。16時間ではなく12〜14時間から始めることをおすすめします。月経周期への影響を考慮し、生理前後は無理をせず、体調に合わせて調整してください。妊娠中・授乳中の方は実践を控えてください。
Q3: 間欠的断食中に運動しても大丈夫ですか?
A3: 軽い有酸素運動は推奨されます。散歩やヨガなどの軽い運動は、オートファジーを活性化し、脂肪燃焼効果を高めます。ただし、激しい筋力トレーニングは血糖値の急激な低下を招く可能性があるため、食事時間内に行うか、強度を調整してください。
Q4: GLP-1注射をやめるとリバウンドしますか?
A5: GLP-1注射は自然な食欲抑制により体重減少を促すため、無理な食事制限によるダイエットと比較してリバウンドのリスクは低いとされています。ただし、治療中止後は食欲が元に戻る可能性があるため、生活習慣の改善を並行して行うことが重要です。
Q5: 間欠的断食とGLP-1注射は併用できますか?
A6: 医師の判断のもとであれば併用可能ですが、過度な食事制限につながる可能性があるため注意が必要です。GLP-1注射により自然な食欲抑制が起こるため、間欠的断食の厳格な実践は必要ない場合もあります。必ず医師に相談してから決定してください。
参考文献
- 断続的断食 - Wikipedia
- 5 questions about intermittent fasting | NIH MedlinePlus Magazine
- Intermittent fasting and health outcomes: an umbrella review of systematic reviews and meta-analyses of randomised controlled trials - PubMed
- Intermittent Fasting and Obesity-Related Health Outcomes: An Umbrella Review of Meta-analyses of Randomized Clinical Trials - PubMed
- Tirzepatide-Induced Weight Loss Is Associated With Body Composition Improvements Across Age Groups | Cochrane Library
- Treatment of Antipsychotic-associated Obesity With a GLP-1 Analogue - ClinicalTrials.gov
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