
【最新版】マンジャロとは?メディカルダイエットで注目の治療薬
マンジャロとは何か?その効果や副作用、処方方法、保険適用の有無、そして安全性について詳しく解説。ダイエットに興味がある方必見!
ドクターナウ編集部
2025.07.17

大久保 里紗 医師
広島大学医学部医学科を卒業後、皮膚科診療に従事。2021年に表参道院院長に就任。2023年以降はReal Beauty Clinic等で美容クリニックの要職を歴任し、現在は皮膚科・内科・エステを併設するMetaBio Clinicで診療を行っている。アンチエイジング専門医として、食事や運動を含む体内ケアに注力し、産業医資格を活かしてメンタルヘルスの観点からも助言を行っている。
監修者情報
マンジャロとは何か?その効果や副作用、処方方法、保険適用の有無、そして安全性について詳しく解説。ダイエットに興味がある方必見!
マンジャロが注目される理由

近年、肥満治療やダイエット方法が多様化する中で、医療現場では「メディカルダイエット」が大きな話題となっています。その代表格として、
2型糖尿病の治療薬でありながら
体重減少をサポートするとして注目されているのが**マンジャロ(一般名:チルゼパチド)**です。
- メーカー:エリ・リリー社
- 投与方法:週1回の皮下注射
- 特徴:GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬をあわせ持つ二重作用
もともと糖尿病治療を目的として開発された医薬品で、日本国内でも2型糖尿病治療薬として承認されています。
強力な食欲抑制効果も確認され、肥満治療でも注目を集めています。
マンジャロの作用機序:GIPとGLP-1の二重作用とは?

GLP-1受容体作動薬の働き
- インスリン分泌促進:血糖値が上がったタイミングで膵臓からのインスリン分泌を高め、食後血糖の急上昇を抑えます。
- グルカゴン抑制:インスリンと反対に血糖値を上昇させるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑える作用もあり、血糖コントロールをサポートします。
- 食欲抑制・胃排出速度の遅延:満腹感が得られやすく、食欲を抑制する効果が期待できます。
GIPの役割
GIPは、
膵β細胞のインスリン分泌を助けるホルモンとして知られています。マンジャロはGLP-1と同時にGIP受容体にも働きかけることで、さらに強力なインスリン分泌促進と食欲抑制効果を発揮すると考えられています。つまり、従来のGLP-1受容体作動薬だけでは得られなかった、
より高い体重減少効果を期待できる点がマンジャロの強みです。
マンジャロのメリットと期待できる効果
体重減少効果
国内外の臨床試験では、平均して
5〜10kg以上の体重減少が報告されています。実際には個人差があるものの、従来の内服薬や他の注射薬よりも
強力なダイエット効果が見込めると注目されています。
血糖コントロールの改善
HbA1c(ヘモグロビンA1c)の数値が下がりやすくなり、2型糖尿病患者の血糖安定化に有効です。また糖尿病合併症のリスク低減にも役立ちます。
投与頻度は週1回
マンジャロは週1回の皮下注射で済むため、
服薬や注射の手間が少なく継続しやすいというメリットもあります。
マンジャロの副作用と注意点
を持つため、副作用にも注意が必要です。使用を検討する際は、以下の症状やリスクを理解しておくことが大切です。
- 消化器症状
吐き気、嘔吐、下痢、便秘が代表的。投与初期や用量調節時に起こりやすく、継続するうちに軽減するケースが多いですが、症状が長引く場合は医師に相談しましょう。
- 低血糖
他の糖尿病薬(インスリンやスルホニル尿素薬など)と併用する場合は、低血糖のリスクが高まります。定期的に血糖測定を行い、症状の有無を確認しましょう。
- 注射部位の痛み
注射後に軽い痛みや腫れが生じる場合があります。注射部位は腹部、太もも、上腕などをローテーションし、適切な消毒を心がけましょう。
保険適用と費用の目安
保険適用の範囲
日本ではマンジャロは
2型糖尿病治療薬として認可されており、糖尿病治療目的での使用時には
保険適用されます。ただし、
肥満治療やダイエット目的のみで処方される場合は、保険適用外(自由診療)となることが一般的です。
自由診療の場合の費用
クリニックによって異なりますが、
1回の注射あたり20,000〜50,000円程度が相場とされています。自己負担が大きくなるため、あらかじめ費用面を含めてよく検討しましょう。
マンジャロの処方方法と使用上のポイント

処方までの流れ
- 専門医を受診
内科、糖尿病専門医、肥満外来など、対面もしくはオンラインで医師に相談し、マンジャロの適応があるかを確認します。
- 検査・評価
血液検査や尿検査などを行い、投与の安全性をチェックします。
- 使用開始と継続的なモニタリング
投与量や頻度、注意点の説明を受け、週1回の自己注射を開始。副作用の有無や効果を定期的に診察で確認します。
使用上の注意
- 医師・薬剤師の指導を厳守自己判断で投与量を増減したり、使用を中断すると効果や副作用リスクに影響します。
- 心理的サポートダイエットが長期戦となる場合、医師やカウンセラー、管理栄養士など、多職種のサポートを受けると挫折しにくくなります。
ダイエット成功のヒント:メディカルダイエットの活用
マンジャロは高い効果を持つ一方で、費用負担や定期的な通院・自己注射の負担など、ハードルもある治療法です。しかし、**「食事管理」+「運動」+「専門的な医療のサポート」**を組み合わせた“メディカルダイエット”として取り入れることで、より高い成功率を期待できます。特に、
- 食事内容の記録・振り返り
- 適度な有酸素運動と筋力トレーニング
- 定期的な健康診断・血糖測定
これらを並行して行うことで、マンジャロの効果を最大限に引き出せるでしょう。
まとめ

マンジャロ(チルゼパチド)は、GLP-1とGIPの二重作用による
血糖コントロールと体重減少効果を併せ持つ新時代の2型糖尿病治療薬です。その高い効果から、肥満治療やダイエットを目的とする方の間でも注目度が上昇しています。一方で、消化器症状や低血糖などの副作用リスクや保険適用の制限があることから、使用にあたっては専門医との慎重な相談が欠かせません。
もし肥満やメタボリックシンドロームの改善を検討しているなら、
生活習慣の見直しと併せて、マンジャロというオプションを専門医に相談してみる価値は十分あります。ダイエットは一朝一夕で終わるものではありませんが、適切な治療とサポートを受けながら行うことで、より健康的で持続可能な結果を得られるでしょう。
参考資料:
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。
- コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。
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