
熱中症予防と応急処置|原因から対策まで猛暑の完全ガイド
熱中症の予防法から応急処置まで医学的根拠に基づいた完全ガイド。症状別対処法、高危険群対策、時間帯別予防策を専門医監修で詳しく解説。救急搬送者数が過去最多を記録する中、適切な知識で命を守りましょう。
ドクターナウ編集部
2025.08.15
夏の猛暑により熱中症で救急搬送される患者が年々増加しています。令和6年には過去最多の約8万人が救急搬送され、適切な予防と早期対応の重要性が高まっています。本記事では、熱中症の基本知識から具体的な予防法、緊急時の応急処置まで、医学的根拠に基づいた信頼できる情報をお届けします。
更なる夏、増加する熱中症患者

熱中症患者数の現状はどのくらい深刻ですか?
近年の統計データによると、熱中症による救急搬送者数は深刻な増加傾向にあります。
年度 | 救急搬送者数 | 死亡者数 | 特徴 |
---|---|---|---|
令和4年 | 71,029人 | 1,387人 | コロナ禍明けの急増 |
令和5年 | 91,467人 | 1,419人 | 過去5年で最多 |
令和6年 | 95,000人超 | 集計中 | 史上最多を更新 |
この統計データは、日本における熱中症の深刻な現状を如実に表しています。特に注目すべきは、新型コロナウイルス感染症による外出制限が緩和された令和4年以降の急激な増加傾向です。これは、外出機会の増加と暑熱順化不足が重なった結果と考えられます。また、救急搬送者数の約6割が高齢者であり、死亡例では75歳以上の後期高齢者が全体の7割を占めているという深刻な状況も明らかになっています。これらの数値は単なる統計ではなく、適切な予防策と早期対応の重要性を物語る警鐘として受け止めるべきです。
とされており、特に梅雨明け直後の7月中旬から8月にかけて患者数が急激に増加します。救急搬送の約半数が住宅内で発生しており、屋外だけでなく室内での対策も不可欠です。
出典:
総務省消防庁 熱中症情報熱中症とは?
熱中症の医学的定義を教えてください
を指します。単なる暑さによる不調ではなく、生命に関わる重篤な病態です。
人間の体は通常、発汗や皮膚血管の拡張により体温を約37℃に保っています。しかし、
環境温度が体温を上回ったり、湿度が高く発汗による冷却効果が期待できない場合、体温調節機能が限界を超えて熱中症が発症します。
熱中症にはどのような種類がありますか?
熱中症は大きく2つのタイプに分類されます:
- 高齢者や慢性疾患者に多い
- 室内で徐々に進行
- 発汗機能の低下が特徴
- 健康な若年者に多い
- スポーツや作業中に発症
- 大量発汗を伴うことが多い
熱中症の主要原因

熱中症を引き起こす要因は何ですか?
熱中症の発症には「環境」「身体」「行動」の3つの要因が複合的に関与します。
- 気温35℃以上(猛暑日)
- 湿度70%以上
- 風速が弱い(1m/s以下)
- 直射日光への暴露
- 脱水状態
- 睡眠不足
- 体調不良
- 暑熱順化不足
- 激しい運動や作業
- 水分補給不足
- 不適切な服装
- 暑い環境での長時間滞在
これらの要因リストは、熱中症発症の多因子性を示しています。環境要因では特に湿度の影響が重要で、気温が30℃程度でも湿度が80%を超えると熱中症リスクは大幅に上昇します。日本の夏季は高温多湿という世界的にも過酷な条件が重なるため、特別な注意が必要です。
身体要因の中でも睡眠不足は見落とされがちですが、体温調節機能や判断力の低下を引き起こし、熱中症の重要なリスクファクターとなります。暑熱順化不足は、梅雨明け直後や連休明けに特に問題となり、体が暑さに慣れていない状態での急激な高温暴露により重篤な症状を引き起こすことがあります。行動要因では、水分補給のタイミングと量が極めて重要で、渇きを感じてからでは既に軽度の脱水状態になっている可能性があります。これらの要因を理解し、日常生活の中で意識的にコントロールすることが効果的な予防につながります。
なぜ日本の夏は特に危険なのですか?
日本の夏季は
高温多湿という世界的にも過酷な気候条件が特徴です。湿度が高いと汗の蒸発が妨げられ、体温調節機能が著しく低下します。暑さ指数(WBGT)では、湿度の影響が最も重要視されており、日本では7-8月にWBGT31℃以上の「危険」レベルが頻発します。
出典:
環境省熱中症予防情報サイト熱中症の症状及び段階別区分
熱中症の重症度はどのように分類されますか?
2024年改訂の熱中症診療ガイドラインでは、症状の重篤度に応じてI度からIV度(および準IV度)に分類されています。
重症度 | 症状 | 対応 | 生命危険度 |
---|---|---|---|
I度(軽症) | めまい、立ちくらみ、筋肉痛、大量発汗 | 現場での応急処置 | 低 |
II度(中等症) | 頭痛、吐き気、倦怠感、集中力低下 | 医療機関受診 | 中 |
III度(重症) | 意識障害、けいれん、高体温(40℃以上) | 救急搬送 | 高 |
IV度(最重症) | 多臓器不全、DIC | 集中治療 | 極めて高 |
この重症度分類は、2024年に改訂された最新の熱中症診療ガイドラインに基づいています。特に重要なのは、従来のI〜III度分類に加えて新たにIV度が設定されたことです。これは、重篤な熱中症患者の治療成績向上を目的とした改訂で、より細やかな病態把握と適切な治療選択を可能にしています。I度では現場での適切な応急処置により回復が期待できますが、II度以降では必ず医療機関での専門的な治療が必要となります。III度では中枢神経症状が顕著に現れ、IV度では播種性血管内凝固症候群(DIC)や急性腎障害などの多臓器不全を呈し、集中治療室での管理が不可欠となります。早期の重症度判定が生命予後を左右するため、これらの分類を理解しておくことは極めて重要です。
として、II度以降では
中枢神経症状(意識レベルの低下、反応の鈍化)が現れます。この段階では速やかな医療機関受診が必要です。
初期症状を見逃さないポイントは?
熱中症の初期症状は他の疾患と混同しやすいため、以下の特徴的なサインに注意が必要です:
- 顔面紅潮(顔が赤くなる)
- 大量発汗または発汗停止
- 皮膚の熱感・乾燥
- 頻脈(脈が速くなる)
- めまい・立ちくらみ
- 頭痛・頭重感
- 集中力低下
- イライラ感
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
- 下痢
これらの初期症状リストは、熱中症の早期発見に不可欠な指標です。身体的症状の中でも顔面紅潮は視覚的に判断しやすく、周囲の人でも気づきやすい重要なサインです。発汗の状態には注意が必要で、初期には大量発汗を示しますが、重症化すると発汗が停止し、皮膚が乾燥して熱感を帯びます。この変化は病態の悪化を示す危険な兆候です。
神経症状は本人の自覚症状として現れやすく、特に集中力低下やイライラ感は周囲への気づきのサインとなります。めまいや立ちくらみは起立性の血圧低下を反映しており、脱水の進行を示しています。消化器症状は体温調節中枢の機能低下により胃腸機能が障害されることで生じ、吐き気が強い場合は経口での水分補給が困難になるため、速やかな医療機関受診が必要となります。これらの症状を複合的に評価し、早期の対応を開始することが重症化の予防につながります。
これらの症状が
暑い環境下で複数同時に現れた場合は熱中症を強く疑い、直ちに対処を開始してください。
高危険群

どのような人が熱中症になりやすいですか?
統計データによると、特定の年齢層や健康状態の方は熱中症リスクが顕著に高くなります。
年齢層 | リスクレベル | 主な理由 | 注意点 |
---|---|---|---|
乳幼児(0-4歳) | 極めて高 | 体温調節機能未熟 | 車内放置の絶対禁止 |
小児(5-14歳) | 高 | 遊びに夢中で症状に気づかない | 大人の見守りが必要 |
高齢者(65歳以上) | 極めて高 | 暑さ・渇きを感じにくい | 室内でも要注意 |
後期高齢者(75歳以上) | 最高 | 基礎疾患の併存 | 24時間監視体制 |
年齢別の熱中症リスクは、各年代の生理学的特徴と行動パターンに密接に関連しています。乳幼児は成人と比較して体表面積が大きく、体重に対する熱負荷が高くなりやすい特徴があります。また、汗腺の発達が不十分で、効率的な体温調節が困難です。特に車内放置による熱中症死亡事例が毎年報告されており、わずか数分の短時間でも生命に関わる危険があります。
小児期では活発な遊びに夢中になり、疲労や暑さの感覚を無視してしまう傾向があります。大人による定期的な休憩と水分補給の声かけが不可欠です。一方、高齢者では加齢に伴う生理機能の低下により、暑さや脱水に対する感受性が著しく鈍化します。室内熱中症の約8割が高齢者で占められており、エアコンの適切な使用と周囲のサポートが生命を守る鍵となります。
- 糖尿病患者:脱水を起こしやすい
- 心疾患患者:循環調節能力の低下
- 腎疾患患者:水分・電解質バランス異常
- 精神疾患患者:暑さの認識能力低下
服用薬剤による影響はありますか?
特定の薬剤は熱中症リスクを増加させるため注意が必要です。
- 利尿薬:脱水を促進
- β遮断薬:心拍数増加を抑制
- 抗コリン薬:発汗を抑制
- 向精神薬:体温調節中枢に影響
この薬剤リストは、熱中症リスクに影響を与える代表的な医薬品を示しています。利尿薬は本来の治療効果として体内の余分な水分を排出するため、適切な水分補給を行わない場合は脱水状態を引き起こしやすくなります。特に高血圧治療で使用される利尿薬服用者は、夏季の水分管理について主治医と詳細な相談が必要です。
β遮断薬は心拍数の上昇を抑制するため、暑熱環境下での循環調節能力が制限され、体温上昇時の適応反応が十分に機能しない可能性があります。抗コリン薬は発汗を抑制する作用があり、体温調節の主要メカニズムである気化熱放散が障害されます。向精神薬の中には視床下部の体温調節中枢に影響を与えるものがあり、暑さに対する適切な行動反応が妨げられることがあります。これらの薬剤を服用している方は、薬剤の中止ではなく、より積極的な熱中症予防策の実施と、症状の早期発見・対応体制の確立が重要です。
これらの薬剤を服用中の方は、
必ず主治医と熱中症対策について相談し、夏季の薬剤調整の可能性についても検討してください。
熱中症予防法
効果的な予防法の基本原則は?
熱中症予防は「暑さを避ける」「こまめな水分補給」「暑さに負けない体づくり」の3つの柱で構成されます。
- エアコン温度:28℃以下に設定
- 扇風機併用で体感温度を下げる
- 遮光カーテンで直射日光を遮断
- 温湿度計による環境モニタリング
- 11時-15時の外出を避ける
- 日陰ルートの選択
- 帽子・日傘の活用
- 冷却グッズの携帯
タイミング | 推奨量 | 飲料の種類 |
---|---|---|
起床時 | 200ml | 常温の水 |
食事前後 | 100-150ml | 麦茶・水 |
外出前 | 200ml | スポーツドリンク |
活動中 | 150-250ml/回(15-20分毎) | 経口補水液 |
入浴前後 | 200ml | 常温の水 |
就寝前 | 100ml | 常温の水 |
この水分補給スケジュールは、人間の生理的な水分需要パターンに基づいて設計されています。起床時は就寝中の不感蒸泄により体内水分が減少しているため、胃腸に負担をかけない常温の水が最適です。外出前のスポーツドリンク摂取は、発汗による電解質損失を予防する効果があります。
活動中の頻回補給は、一度に大量摂取による胃腸障害を避けながら、効率的な水分吸収を促進します。経口補水液は医療現場でも使用される電解質バランスで、脱水症状の改善に特化しています。入浴は大量の発汗を伴うため、前後の水分補給により脱水を予防できます。就寝前の少量摂取は、夜間の脱水を防ぎながら、頻尿による睡眠障害を最小限に抑える配慮がなされています。これらの実践により、一日を通じて適切な水分バランスを維持することができます。
(食事による水分を除く)
服装での予防ポイントは?
- 素材:綿・麻・吸湿速乾性ポリエステル
- 色:白・淡色系(熱吸収を抑制)
- デザイン:ゆったりとしたシルエット
- 機能:UVカット機能付き
- 黒・濃色系の衣類
- 化学繊維の密着する衣類
- 厚手の生地
- 通気性の悪い素材
熱中症予防における服装選択は、体温調節機能をサポートする重要な要素です。推奨素材の中でも、綿と麻は天然繊維として優れた吸水性と通気性を持ち、汗を効率的に吸収して気化熱による冷却効果を高めます。一方、最近の吸湿速乾性ポリエステルは、汗を素早く生地表面に移動させて蒸発を促進する機能があり、スポーツ活動に特に適しています。
色彩による熱吸収の差は科学的に実証されており、黒色は太陽光エネルギーの約90%を吸収するのに対し、白色は約20%程度の吸収に留まります。この差は表面温度で10-15℃の違いを生じることがあり、熱中症リスクに直接影響します。ゆったりとしたシルエットは、皮膚と衣服の間に空気層を作り、対流による熱放散を促進します。UVカット機能は紫外線による皮膚ダメージを防ぐとともに、直射日光による体温上昇を軽減する効果があります。これらの服装要素を総合的に考慮することで、暑熱環境下での快適性と安全性を両立できます。
暑熱順化とはどのような効果ですか?
とは、段階的に暑さに慣れることで熱中症に対する抵抗力を高める生理的適応です。
- 発汗開始温度の低下
- 発汗量の増加
- 汗中ナトリウム濃度の低下
- 循環機能の改善
- 気温上昇前の5月から開始
- 1日30分程度の軽い運動
- 週3-4回のペースで継続
- 2-3週間で効果が現れる
出典:
環境省熱中症予防情報サイト熱中症応急処置法

熱中症が疑われる時の対応手順は?
熱中症の応急処置は**「観察」「移動」「冷却」「水分補給」「医療機関連絡」**の5段階で実施します。
- 名前を呼んで反応を確認
- 簡単な質問(今日の日付など)への回答能力
- 意識障害がある場合は直ちに119番通報
- エアコンの効いた室内
- 風通しの良い日陰
- 車のエアコンを最強に設定した車内
冷却部位 | 方法 | 効果 |
---|---|---|
首筋 | 冷たいタオル・保冷剤 | 脳への血流冷却 |
腋窩(わきの下) | 氷嚢・冷却パック | 大血管の冷却 |
鼠径部(太ももの付け根) | 氷嚢・冷却パック | 下肢血流の冷却 |
全身 | 濡れタオルで体を拭く | 気化熱による冷却 |
体温冷却は熱中症応急処置の最も重要な要素です。この表で示された冷却部位は、太い血管が皮膚表面に近い場所を選択しており、効率的な体温低下が期待できます。首筋の冷却は脳循環に直接作用し、意識レベルの改善に寄与します。腋窩と鼠径部は腋窩動脈と大腿動脈が通る部位で、これらを冷却することで全身の血液温度を効果的に下げることができます。
冷却時の注意点として、氷を直接皮膚に当てると凍傷の危険があるため、必ずタオルや布で包んで使用してください。また、全身の濡れタオル拭取りは気化熱の原理を利用した冷却法で、発汗機能が低下した状態でも有効です。これらの方法を組み合わせることで、医療機関到着前の重要な時間帯に体温上昇を抑制し、症状の悪化を防ぐことができます。
- 意識清明な場合のみ経口摂取
- 経口補水液が最適
- スポーツドリンクも有効
- 一度に大量摂取せず、少量ずつ頻回に
いつ救急車を呼ぶべきですか?
以下の症状が一つでも認められる場合は
躊躇なく119番通報してください:
- 意識レベルの低下(呼びかけに反応しない)
- 体温40℃以上
- 発汗が完全に停止
- けいれん発作
- 歩行困難
- 激しい嘔吐
- 水分を自力摂取できない
- 症状が30分以上改善しない
- 繰り返す嘔吐
- 強い頭痛・めまい
これらの症状分類は、適切な医療対応のタイミングを判断する重要な指標です。緊急通報が必要な症状は、生命に直接関わる重篤な状態を示しており、一刻の猶予もありません。意識レベルの低下は中枢神経系の重篤な障害を示し、体温40℃以上は多臓器不全のリスクが急激に高まる閾値です。発汗停止は体温調節機能の完全な破綻を意味し、この状態では体温が急激に上昇し続ける危険があります。
医療機関受診が必要な症状は、現場での応急処置では対応が困難な状態を示しています。水分の自力摂取ができない場合は、経静脈的な輸液による治療が必要となります。症状の持続は重症化の前兆であり、専門的な診断と治療方針の決定が求められます。これらの判断基準を理解し、躊躇なく適切な医療機関への連絡を行うことが、患者の生命予後を大きく左右します。「様子を見る」という判断が最も危険であることを強く認識する必要があります。
してはいけない応急処置はありますか?
- 意識障害時の経口水分摂取(誤嚥リスク)
- アルコールの摂取
- カフェイン含有飲料の大量摂取
- 極端に冷たい水による急激な冷却
- 患者を一人にして放置
出典:
日本赤十字社 熱中症講習猛暑対応の生活習慣
夏を乗り切る生活リズムはどうすべきですか?
時間帯 | 推奨行動 | 避けるべき行動 |
---|---|---|
5:00-9:00 | 屋外活動・運動 | 水分補給を忘れる |
9:00-11:00 | 軽い屋外活動 | 激しい運動 |
11:00-15:00 | 室内で過ごす | 屋外での長時間活動 |
15:00-18:00 | 注意して屋外活動 | 無理な外出 |
18:00-22:00 | 涼しい時間の有効活用 | 冷房なしで過ごす |
この時間帯別行動指針は、気温の日内変動と熱中症発症リスクの統計データに基づいて作成されています。早朝5-9時は一日で最も気温が低く、運動や屋外作業に最適な時間帯です。ただし、この時間帯でも暑熱順化が不十分な季節の初めや、前日からの蓄積疲労がある場合は十分な注意が必要です。
11-15時の時間帯は、消防庁の統計で熱中症救急搬送が最も多く発生する危険な時間です。この時間は原則として屋内で過ごし、やむを得ず外出する場合は最大限の予防策を講じる必要があります。夕方以降も油断は禁物で、アスファルトや建物からの輻射熱により、実際の気温以上の暑さを感じることがあります。夜間についても、熱帯夜では室内温度が下がりにくく、エアコンを適切に使用して安全な睡眠環境を確保することが重要です。これらの時間管理を徹底することで、熱中症リスクを大幅に軽減できます。
統計データによると、熱中症の発症は
14-17時にピークを迎えるため、この時間帯の屋外活動は特に注意が必要です。
睡眠環境の整備方法は?
- 就寝時室温:26-28℃
- 湿度:50-60%
- エアコンタイマー設定:3-4時間後
- 扇風機による空気循環
- 冷却マットの活用
- ぬるめのシャワー(体温を適度に下げる)
- 寝具の事前冷却
- 水分補給(ただし過剰摂取は避ける)
食事での熱中症対策はありますか?
- 水分量の多い果物(スイカ、梨など)
- ヨーグルト
- 味噌汁(塩分補給)
- そうめん・冷やしうどん(消化が良い)
- 夏野菜(きゅうり、トマト、ナス)
- 梅干し(クエン酸・塩分補給)
- 豚肉(ビタミンB1で疲労回復)
- 枝豆(塩分とカリウム)
- 冷や奴(良質なタンパク質)
- アルコール(利尿作用により脱水促進)
- カフェイン過多の飲料
- 高脂肪・高糖質の食品(消化に負担)
これらの生活習慣を実践することで、体の内側から熱中症に対する抵抗力を高めることができます。毎日の小さな心がけが、猛暑を安全に乗り切る大きな力となります。
FAQ(よくある質問)
Q1: マスク着用時の熱中症リスクは高まりますか?
A1:
はい、マスク着用により熱中症リスクは高まります。マスクにより口周りの温度が上昇し、呼吸も浅くなりがちです。屋外で人との距離が十分取れる場合は適宜マスクを外し、着用時はより頻繁な水分補給を心がけてください。
Q2: 経口補水液とスポーツドリンクの使い分けは?
A2:
軽度の発汗時はスポーツドリンク、脱水症状や熱中症が疑われる場合は経口補水液が適しています。経口補水液は塩分濃度が高く、WHO基準に基づいた電解質バランスで設計されているため、医療現場でも使用されています。
Q3: 高齢者の室内熱中症を防ぐには?
A3:
室温計の設置とエアコンの適切な使用が最重要です。高齢者は暑さを感じにくいため、室温が28℃を超えたら我慢せずエアコンを使用してください。また、定期的な水分摂取の習慣化と、家族による安否確認も効果的です。
Q4: 子どもの熱中症サインの見分け方は?
A4:
顔が赤い、汗をかかない、ぐったりしている場合は要注意です。子どもは症状を上手く訴えられないため、大人が観察することが重要です。戸外遊び時は30分おきの休憩と水分補給を必ず行ってください。
Q5: 熱中症になった後の復帰時期は?
A5:
症状が完全に改善してから最低24-48時間は様子を見ることが推奨されます。軽症でも体へのダメージは残っているため、無理な活動復帰は再発リスクを高めます。医師の診断を受けてから段階的に活動レベルを上げることが安全です。
Q6: ペットの熱中症対策も必要ですか?
A6:
はい、ペットも熱中症になります。犬は肉球でしか汗をかけないため、人間以上に注意が必要です。散歩は早朝・夕方の涼しい時間に行い、アスファルトの温度確認も忘れずに。室内でも適切な温度管理とお水の準備をしてください。
参考文献
- 熱中症 - Wikipedia
- Heat emergencies: MedlinePlus Medical Encyclopedia
- Heat Stroke - StatPearls - NCBI Bookshelf
- Effective Community-Based Interventions for the Prevention and Management of Heat-Related Illnesses: A Scoping Review - PMC
- Identification of Critical Thermal Environments for Aged Adults - ClinicalTrials.gov
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。 * コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。
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