
「低用量ピル」ってなに?服用方法、副作用、避妊率、不妊について
正しいピルの服用法、副作用、よく寄せられる質問をまとめました
ドクターナウ編集部
2023.10.24
"経口避妊薬(低用量ピル)は避妊だけでなく、生理を遅らせたり、不規則な生理、多嚢胞性卵巣症候群などの疾患を防ぐためにも服用されます。
ホルモンを調整する薬なので体に大きな影響を与えることがあるため、必ず薬について正しい知識を身に着けた上で服用する必要があります。
経口避妊薬の服用方法や、副作用、よくある質問を詳しく解説していきます。
経口避妊薬の原理
経口避妊薬はエストロゲンとプロゲスチンを含むホルモン剤です。
薬を服用することでホルモンバランスを調整し、体に妊娠していると錯覚させます。
そのため排卵や着床が起こらなくなり避妊が可能になります。
経口避妊薬の服用方法
1. 避妊のための服用方法
- 経口避妊薬を服用する際は、次の月の避妊を目標に生理初日から1日1回1錠を21日間服用し、7日間の休薬期間を取ります。
- 服用開始後1週間ほどはコンドームなどの避妊方法を使用する必要があります。
- 連続で7日間服用した後から避妊効果が現れますが、避妊効果は高くなく、28日間正しい方法で規則的に服用することで99%の避妊効果が現れます。
- 特に生理開始後5日以内に経口避妊薬を服用し始めると避妊率が高くなり、不正出血などの副作用を減らすことができると言われています。
2. 生理周期を調整するための服用方法
- 生理周期を遅らせたい場合は既存の生理予定日を基準に最長14日、最短7日前から経口避妊薬を同じ時間に毎日服用すると予定日を遅らせることができます。
- 希望する日まで服用を続け、服用を中断すると通常3〜5日以内に生理が始まります。
経口避妊薬の副作用
経口避妊薬はホルモン剤なので体にさまざまな変化や不快感が現れる場合があります。軽い不正出血や吐き気、胃腸障害、頭痛、体のむくみや乳房痛などの副作用が代表的です。しかし、これらの副作用は体が慣れてくる過程で発生するものなので、
3か月程度経過すればほとんどの症状
は消えます。
経口避妊薬を服用できないケース
経口避妊薬を服用する際に最も注意すべき疾患は血栓症です。
なぜなら、避妊薬に含まれるエストロゲンが血液を粘り気のあるものにし、血栓を引き起こす可能性があるためです。血栓症により急性心筋梗塞、脳卒中、肺血栓症などが引き起こされる可能性があるため注意が必要です。 したがって、
血管疾患に関連する家族歴が’ある場合や糖尿病を患っている場合
は経口避妊薬の服用は避けましょう。さらに、
35歳以上の喫煙者や授乳中の女性
には経口避妊薬の服用を推奨しません。
経口避妊薬の避妊率
正しい方法で十分な期間経口避妊薬を服用した場合、排卵自体が抑制されるため妊娠することはなく、
避妊確率は99%とされています。
ただし、服用期間が十分でない場合や服用方法を守らなかった場合は避妊確率が低くなる可能性があります。経口避妊薬を3か月分以上継続的に服用した場合、休薬期間中でも避妊効果は維持されるとされています。
経口避妊薬に関するよくある質問

Q. 経口避妊薬を飲んで吐いてしまった場合、もう一度飲んでも良いですか?
A.
経口避妊薬服用後4時間以内に嘔吐した場合
、服用されていないと見なされ、状況に応じて追加服用が必要です。また、嘔吐症状がひどい場合は医療従事者と相談し、エストロゲン含有量が低い低用量避妊薬に変更することをお勧めします。
Q. 経口避妊薬を飲んでから不正出血があったのですが、大丈夫なのでしょうか?
A.
経口避妊薬を服用して最初の3か月間は不正出血が起こることがあります。
避妊薬服用の最初の月には服用者の10〜30%が、3か月目には服用者の10%以下が不正出血を経験すると言われています。
不正出血が発生した場合でも経口避妊薬の服用を続けて構いませんが、出血量が多い場合や長期間続く場合は、医療従事者と相談し経口避妊薬の種類を変更するか、産婦人科での精密な診療が必要です。
Q. 経口避妊薬を飲むのを忘れてしまった場合、どうすればいいですか?
A. 元々の服用時間から12時間以内に気付いた場合はすぐに1錠を服用します。
12時間以上経過した場合は、経口避妊薬の服用週に応じて異なります。
製品によって異なる場合があるので、詳しい事項は服薬説明書を参照してください。
- 経口避妊薬の服用から1〜2週目
- すぐに1錠を服用し、その後に定刻にもう1錠を服用するか、定刻に2錠を服用します。その後、通常の服用時間に合わせて服用します。7日間は二重避妊をしましょう。
- 経口避妊薬の服用3週目
- 7日間の休薬期間を取った後、新しいサイクルを始めます。
Q. 経口避妊薬を長期間服用すると不妊に影響しますか?
A.
まったく関係ありません。2年以上経口避妊薬を長期服用しても女性の妊娠能力には何の影響もありません。
実際にヨーロッパで臨床試験が行われ、妊娠を希望する女性2,064人を対象に避妊薬の服用をやめてから妊娠するまでの期間を調査した結果、避妊薬を服用しない人と服用した人の2年後の妊娠成功率は同様であったとされています。
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