花粉症で唇が荒れる・痒い時のケア方法
2025.12.05
花粉症のシーズンになると、くしゃみや鼻水だけでなく「唇の荒れ」や「痒み」に悩まされていませんか? 「リップクリームを塗っても治らない」「ピリピリして痛い」と感じるなら、それは乾燥ではなく花粉が原因かもしれません。 この記事では、花粉症による唇トラブルの原因と、自宅でできる効果的なケア方法について詳しく解説します。
花粉症で唇が荒れる・痒い時の対処法
花粉症による唇の荒れや痒みは、
「花粉皮膚炎」や「口呼吸による乾燥」、あるいは
「口腔アレルギー症候群」が主な原因です。 基本的な対策として、ワセリンなどで
保湿・保護を行い、花粉の付着を防ぐことが最も重要です。 また、特定の果物や野菜を食べた時に痒くなる場合は、アレルギー反応の可能性があるため注意が必要です。
花粉症で唇が荒れる3つの主な原因
花粉症の時期に唇が荒れるのには、大きく分けて3つの理由があります。原因を知ることで、適切な対策が可能になります。
1. 口呼吸による乾燥
花粉症で鼻が詰まると、無意識のうちに口呼吸になりがちです。口呼吸が続くと、呼気が常に唇に当たることで水分が蒸発し、極度の乾燥状態を引き起こします。これが唇のひび割れや皮むけの大きな原因となります。
2. 花粉皮膚炎(花粉による直接的な刺激)
花粉が肌や唇に付着することで起こるアレルギー反応です。唇は皮膚が薄くバリア機能が弱いため、花粉の刺激を受けやすく、炎症(赤み、痒み、腫れ)が起きやすい部位です。
3. 口腔アレルギー症候群(OAS)
特定の花粉症の人が、特定の果物や野菜を食べた時に、唇や口の中が痒くなる症状です。花粉のアレルゲン構造と似たタンパク質を持つ食物に反応して起こります(交差反応)。
| 原因 | 主な症状 | きっかけ・特徴 |
|---|---|---|
| 口呼吸 | 乾燥、ひび割れ、皮むけ | 鼻詰まり、睡眠中の口呼吸 |
| 花粉皮膚炎 | 痒み、赤み、ブツブツ | 花粉の飛散が多い日の外出後 |
| 口腔アレルギー | ピリピリ感、腫れ、痒み | 特定の果物・生野菜の摂取直後 |
上記の表は、花粉症に関連する唇トラブルの原因と症状を整理したものです。自分の症状がどれに当てはまるかを確認し、適切なケアを行うための参考にしてください。
今すぐできる!唇の荒れ・痒みケア方法
唇のバリア機能を高め、花粉の刺激から守るための具体的なケア方法をご紹介します。
徹底的な保湿と保護(ワセリン活用術)
唇のケアには、刺激の少ない
白色ワセリンがおすすめです。
- 外出前: ワセリンを厚めに塗り、花粉が直接唇に触れないように保護膜を作ります。
- 食後・洗顔後: 水分を拭き取った直後に塗り直し、乾燥を防ぎます。
- 寝る前: たっぷりと塗ってパック効果を狙います。
正しいマスクの着用
マスクは花粉の吸入を防ぐだけでなく、唇を花粉の付着や乾燥から守る効果もあります。
- サイズ選び: 隙間ができないよう、自分の顔に合ったサイズを選びます。
- 素材: 唇が荒れている時は、不織布よりも肌当たりの優しい綿やシルク混のマスク、またはインナーマスクの使用を検討しましょう。
- 清潔維持: 花粉が付着したマスクを使い続けると逆効果になるため、こまめに交換してください。
正しい洗顔と清潔の保持
帰宅後はすぐに洗顔し、唇やその周りに付いた花粉を洗い流すことが大切です。
- ゴシゴシ擦らず、ぬるま湯で優しく洗い流します。
- 洗顔後はタオルで優しく押さえるように水分を拭き取り、3分以内に保湿を行います。
- 唇を舐める: 唾液が蒸発する際に唇の水分も奪い、さらに乾燥を悪化させます。
- 皮をむく: 無理に皮をむくと炎症が悪化し、治りが遅くなります。
- 合わないリップの使用: メントール配合など刺激の強いものは避けてください。
口腔アレルギー症候群(OAS)についての注意点
特定の果物を食べた時に唇が痒くなる場合は、口腔アレルギー症候群の可能性があります。花粉の種類によって、反応しやすい食べ物が異なります。
| 花粉の種類 | 注意が必要な主な食べ物 |
|---|---|
| シラカバ(ハンノキ) | リンゴ、モモ、サクランボ、キウイ |
| スギ・ヒノキ | トマト(比較的稀ですが報告あり) |
| ブタクサ | メロン、スイカ、バナナ |
| ヨモギ | マンゴー、セロリ、ニンジン |
この表は、代表的な花粉とそれに関連するアレルギー反応を起こしやすい食物の組み合わせを示しています。もし食事中に唇の違和感を感じたら、その食べ物を控えるようにしましょう。加熱加工することで食べられる場合もありますが、医師への相談をおすすめします。
こんな時は皮膚科やアレルギー科へ
セルフケアで改善しない場合や、症状が重い場合は医療機関を受診しましょう。
- 唇の腫れがひどく、呼吸が苦しい場合(アナフィラキシーの懸念)
- 痛みが強く、食事や会話に支障がある場合
- 水ぶくれや膿が出ている場合
- 市販のリップクリームやワセリンで改善が見られない場合
医師の処方によるステロイド軟膏や抗アレルギー薬の内服が必要になることがあります。
花粉症の症状をトータルで抑える
唇の荒れが「鼻詰まりによる口呼吸」から来ている場合、鼻炎の治療をすることが根本的な解決になります。抗ヒスタミン薬や点鼻薬を適切に使用し、鼻通りを良くすることで、口呼吸を防ぎ唇の乾燥を改善できます。
を利用すれば、病院に行かずに花粉症の薬や、唇の荒れに効く保湿剤・軟膏を処方してもらうことが可能です。
出典
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