アトピー治療でウパダシチニブの効果と安全性
2025.09.17
アトピー性皮膚炎治療の新しい選択肢として注目されるウパダシチニブについて、多くの方が効果と安全性を気にされています。従来の治療で十分な効果が得られない中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者において、JAK阻害薬として新たな希望をもたらす薬剤です。この記事では、ウパダシチニブの効果データと安全性に関する最新の臨床研究結果を詳しく解説します。
アトピー治療におけるウパダシチニブの効果
中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を対象とした国際的な臨床試験において、ウパダシチニブは高い治療効果を示しています。16週間の治療期間で、湿疹面積・重症度指数(EASI)において75%改善を達成した患者の割合は71.0%に達しました。既存の治療薬デュピルマブと比較した場合、統計的に有意な優越性が認められており、より高い治療効果が期待できる薬剤といえます。
ウパダシチニブの治療効果詳細
短期間での症状改善効果
ウパダシチニブの特徴として、治療開始から比較的短期間で効果を実感できることが挙げられます。臨床試験データによると、患者の症状改善と生活の質の向上は治療開始後1-2週間以内に認められ、継続的な改善が持続していることが確認されています。
かゆみの改善についても、患者報告アウトカムを用いた評価で顕著な効果が示されており、夜間のかゆみによる睡眠障害の改善も期待できます。
長期治療における持続的効果
52週間の長期投与試験において、15mg投与群では82.0%と79.1%の患者がEASI75を達成し、30mg投与群では84.9%と84.3%の患者が同様の改善を示しました。この結果は、ウパダシチニブの効果が一時的なものではなく、長期間にわたって持続することを証明しています。
投与量 | 16週時点でのEASI75達成率 | 52週時点でのEASI75達成率 |
---|---|---|
15mg | 69-71% | 79-82% |
30mg | 80-85% | 84-85% |
表に示された通り、30mg投与群において高い効果が維持されており、患者の重症度に応じた用量調整の重要性がうかがえます。
手湿疹への特別な効果
アトピー性皮膚炎患者において併発しやすい手湿疹に対しても、ウパダシチニブは優れた改善効果を示しています。15mgおよび30mgの単独療法により、手湿疹症状の迅速かつ持続的な改善が16週間にわたって確認されており、日常生活への支障を大幅に軽減することができます。
ウパダシチニブの安全性プロファイル
全般的な安全性評価
2,485名の患者(思春期患者333名を含む)を対象とした約1年間の安全性評価において、ウパダシチニブは成人および思春期患者の両方で良好な忍容性を示しました。これまでに知られているウパダシチニブの安全性プロファイルと比較して、新たな重要な安全性リスクは観察されていません。
一般的な副作用
ウパダシチニブ治療で最も頻繁に報告される副作用は以下の通りです:
- ニキビ(座瘡)- 最も頻度の高い副作用
- 鼻づまりまたは鼻水
- 悪心(吐き気)
- 頭痛
- 筋肉痛
- 毛包周囲の発疹
これらの副作用は多くの場合軽度から中等度であり、治療継続に支障をきたすことは稀です。
用量依存性の副作用発現
30mg投与群(311.9件/100患者年)は15mg投与群(274.6件/100患者年)と比較して有害事象の発現頻度がやや高くなっています。しかし、重篤な有害事象の発現率は両投与群で同程度となっており、用量増加による重篤リスクの大幅な上昇は認められていません。
項目 | 15mg投与群 | 30mg投与群 |
---|---|---|
有害事象発現率 | 274.6件/100患者年 | 311.9件/100患者年 |
重篤な感染症 | 同程度 | 同程度 |
心血管系事象 | ≤0.1件/100患者年 | ≤0.1件/100患者年 |
表に示すように、重篤な副作用については両投与群で大きな差がないため、医師の指導のもとで適切な用量調整を行うことが重要です。
特別な注意が必要な安全性項目
感染症リスクの管理
ウパダシチニブは免疫システムに作用するため、感染症のリスクについて慎重な監視が必要です。しかし、臨床試験においては重篤な感染症の発現率は投与群間で同程度であり、過度に心配する必要はありません。治療開始前には血液検査や胸部X線・CT検査により感染症の有無を確認し、治療中も定期的な血液検査によるモニタリングが実施されます。
心血管系および血栓リスク
心血管系事象および血栓性事象の発現率は非常に低く(≤0.1件/100患者年)、一般集団と同程度のリスクレベルです。ただし、既往歴のある患者については事前に医師との十分な相談が必要です。
がんのリスクについて
悪性腫瘍の発現率は一般集団で期待される範囲内であり、特別な懸念は示されていません。長期投与においても定期的な検査により早期発見・対応が可能です。
治療対象となる患者と使用方法
適応となる患者
ウパダシチニブは、従来の治療法で十分な効果が得られない中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者が対象となります。12歳以上の思春期患者および成人が使用可能であり、他の薬剤で改善が見られない場合や、他の治療法が使用できない場合に選択されます。
服用方法と注意点
- 経口薬として1日1回服用
- 食事の有無に関わらず服用可能
- 定期的な血液検査によるモニタリングが必須
- 医師の指示に従った用量調整が重要
思春期患者での安全性
日本で実施された思春期患者を対象とした臨床試験において、ウパダシチニブが成長に悪影響を与える症例は認められませんでした。骨成長への影響についても継続的な評価が行われており、現在のところ安全性に懸念は示されていません。
全体まとめと治療選択の考慮点
ウパダシチニブは中等症から重症のアトピー性皮膚炎に対して
高い治療効果と良好な安全性を示す経口薬です。特に従来の治療で効果が不十分な患者において、
1-2週間という短期間で症状改善が期待でき、その効果は長期間持続します。安全性についても新たな重要なリスクは観察されておらず、適切な医療管理のもとで安心して使用できる治療選択肢といえるでしょう。
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出所
- ウパダシチニブ
- Upadacitinib: MedlinePlus Drug Information
- Safety of upadacitinib in moderate-to-severe atopic dermatitis: An integrated analysis of phase 3 studies
- Upadacitinib in adults with moderate to severe atopic dermatitis: 16-week results from a randomized, placebo-controlled trial
- A Study to Compare Safety and Efficacy of Upadacitinib to Dupilumab in Adult Participants With Moderate to Severe Atopic Dermatitis
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