
クリンダマイシンゲル(ダラシンTゲル)を正しく使うには?ニキビ治療・市販薬・注意点を徹底解説
クリンダマイシンゲル(ダラシンTゲル)の正しい使い方や効果、副作用、市販薬の入手方法を徹底解説。ニキビ治療に役立つ情報を詳しくご紹介します。
ドクターナウ編集部
2025.07.17
ニキビ治療・市販薬・ジェネリックについてもわかりやすく解説

ニキビ治療で、多くの人が迷うのが「どの薬を使えば効果的か」という点です。特に、膿ニキビや背中ニキビなど、しつこい症状に悩まされている方にとって、効果的な治療薬を見つけることは非常に重要です。
この記事では、皮膚科でよく処方される外用抗生物質「クリンダマイシンゲル(ダラシンTゲル)」について、その効果、使い方、副作用、ジェネリック医薬品としての特徴、さらに市販薬との違いまで、専門的な視点で詳しく解説していきます。
クリンダマイシンゲルはどんな薬?

クリンダマイシンゲルは、抗生物質「クリンダマイシンリン酸エステル」を主成分とした外用薬で、主に炎症性ニキビ(赤ニキビや膿ニキビ)の治療に使われます。アクネ菌を含む細菌の増殖を抑え、炎症反応を軽減することで、症状の悪化を防ぎます。
顔だけでなく、背中や胸などの広範囲に使用できるため、皮膚科では標準的に処方されるニキビ薬の一つです。ジェルタイプで塗りやすく、使用感も比較的さっぱりしているのが特徴です。
ダラシンTゲルとの違いは名称だけ
「クリンダマイシンゲル」と「ダラシンTゲル」は、成分に違いはありません。
- ダラシンTゲル:先発医薬品(ブランド品)
- クリンダマイシンゲル:そのジェネリック(後発品)
成分や効果に違いはほとんどなく、価格面でジェネリックを選ぶ人も増えています。どちらを処方するかは、医師の判断や薬局での取り扱いによりますが、希望があれば相談することも可能です。
クリンダマイシンゲルが効果を発揮するニキビのタイプ
この薬は、すべてのニキビに効くわけではありませんが、特に以下のような炎症性ニキビに効果が期待できます。
- 膿ニキビ:細菌が原因で膿がたまった状態。炎症を抑え、悪化を防ぎます。
- 赤ニキビ:皮膚が赤く腫れているニキビ。殺菌・抗炎症作用により改善が見込めます。
- 背中ニキビ:広範囲にできるため、市販薬では届きにくいケースも。クリンダマイシンゲルはこうした部位にも使いやすいです。
炎症が広がる前に使用を開始することで、ニキビ跡の予防にもつながります。
市販では購入できる?オンライン診療はアリ?
クリンダマイシンゲルおよびダラシンTゲルは、処方薬に分類されるため、現在のところ市販では購入できません。薬局やドラッグストアで同じ成分の薬を手に入れることはできないのです。 ただし、最近ではオンライン診療を通じて処方を受けることも可能になってきました。通院の手間が省けるので、忙しい方にも便利な選択肢です。
効果的に使うための基本的な使い方

処方された薬を正しく使うことで、ニキビ改善のスピードや仕上がりに差が出ます。以下がクリンダマイシンゲルの基本的な使い方です。
- 洗顔や入浴後、清潔な肌に塗布する
- 1日1〜2回を目安に、患部にのみ薄く塗る
- 過剰に塗り広げたり、健常な皮膚まで塗らないように注意
他の薬剤(例:過酸化ベンゾイルやアダパレンなど)と併用する場合は、使用順やタイミングを医師と相談することが重要です。
塗りすぎによるリスクに注意
ニキビがひどくなると、「早く治したい」「とにかくたくさん塗れば効くだろう」と思いがちです。ですが、クリンダマイシンゲルは“たくさん塗れば効果が上がる”というタイプの薬ではありません。
塗りすぎが引き起こす肌トラブル
過剰に塗布すると、以下のような副作用や肌トラブルの原因になります:
- 皮膚の過度な乾燥
- ピリピリとした刺激感やかゆみ
- 塗った部分の赤みや炎症
- 肌のバリア機能の低下によるニキビの悪化
特に、もともと乾燥肌や敏感肌の方は、少量でも反応しやすいため注意が必要です。薬の影響で角層がダメージを受けると、外部刺激に対して過敏になり、かえってニキビが悪化してしまうこともあります。
適量でも効果は十分に発揮される
クリンダマイシンゲルは、炎症部位に薄く塗るだけで効果を発揮します。必要以上に塗り重ねることで肌への刺激が強まり、かえって症状が悪化する可能性もあります。
使用量・頻度は医師の指示に従うことが大切
使用の目安は通常1日1〜2回ですが、皮膚の状態や体質によって調整が必要な場合もあります。自己判断で増減させず、処方された内容に従って使用しましょう。
ニキビ跡に対しての効果は限定的
クリンダマイシンゲルは、ニキビ跡そのものを薄くする薬ではありません。ですが、炎症を早期に抑えることで、色素沈着やクレーターなどの跡を残しにくくする効果は期待できます。 すでに残ってしまったニキビ跡には、ビタミンC誘導体やピーリング剤、美容皮膚科での施術など、他のケアを併用するのがおすすめです。
気をつけたい副作用と対処法

クリンダマイシンゲルは、医療現場でも長年使われている実績のある外用薬で、安全性の高い薬ではありますが、以下のような副作用が起こることがあります。
よく見られる副作用
- 塗布部位の赤み
- 軽度のかゆみやヒリヒリ感
- 乾燥や皮むけ
これらは比較的軽い副作用で、使い始めの数日〜1週間ほどで一時的に現れることが多いです。皮膚が薬に慣れることで自然とおさまるケースもありますが、不快感が強い場合は無理せず一度使用を中止し、医師に相談しましょう。
稀に見られる副作用
- 経皮吸収による胃腸症状(下痢、腹部の違和感など)
非常に稀ですが、薬が皮膚から体内に吸収されることで、内服薬と同じような副作用が出ることもあります。症状が続くようであれば速やかに受診してください。
副作用を避けるために気をつけたいポイント
- 肌が荒れているときや日焼け直後は使用を避ける
- 健康な皮膚には極力広げない
- 異常を感じたらすぐに使用を中止し、医師に相談
副作用が出た際に「もう使わない方がいいのかな?」と不安になる方も多いですが、症状の程度や範囲によっては使用量の調整や保湿剤との併用で継続が可能なケースもあります。
大切なのは、異変を我慢せず、早めに専門家の判断を仰ぐことです。
まとめ:使い方を守れば頼もしい味方に
クリンダマイシンゲル(ダラシンTゲル)は、炎症性ニキビに高い効果を発揮する外用抗生物質です。ジェネリック医薬品としても広く使われており、価格面でも手に取りやすいことから、長期的な治療にも向いています。ただし、「とりあえず塗っておけばOK」ではなく、正しい使用法を理解し、塗りすぎや副作用に注意しながら使うことが大切です。 症状が軽いうちに適切な治療を始めることが、ニキビの早期改善と跡を残さないための第一歩です。少しでも不安がある方は、まずは皮膚科での相談をおすすめします。
参考文献
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。
- コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。